春の妖精 

主道 学

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 時間の感覚がわからなくなるほど、電車がスピードを上げて走る。線路は続くなあと呑気に思っていると、急に眠くなってしまった。

 目を覚ましたら、隣に彼女もいなくなり、ぼくは一人で電車に乗っていた。

 ここはどこだろう?
 春が終わると、同時にぼくの夢も恋も終わったのだ。

「お隣いいですか?」
その声が耳にこびりついていた……。
 
 停車した駅は東京の駅だった。ぼくが最初に乗った駅だ。服装が少し違うけど彼女に似た人を見かけ慌てて下車をし、改札口まで走った。
 改札を抜けると外は雨が降っていた。
 交差点を走り抜け、その人を追う。
 途中、遮断機が降りて彼女を見失ってしまった。

 カンカン。カンカン。カンカン。

 もしかしたら来年になれば会えるだろうか?
 彼女は春の妖精なのだから。
 でも、彼女は満開の桜の木の花びらと同じく散ってしまったのだろう。
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