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福の金
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おじいちゃんから初めて頼まれたおつかいにぼくは家を出た。
家の近くの商店街のショーウインドーを覗いていると、綺麗なおばさんが声を掛けてきた。
なんでも、五百円玉が四枚欲しいと言っている。
そうか! 千円札を二枚両替したいんだ!
ぼくは五百円玉を四つ渡すと、千円札二枚じゃなくて、珍しい二千円札だった。
ぼくは、次はこの商店街のマスコット人形のお腹を叩いていると。
歩いている茶髪のカッコイイおじさんが、二千円札を欲しがっているという話を隣のメガネのおばさんとしている。
ぼくが二千円札をおじさんへ渡すと、おじさんは喜んで福の金という金貨をくれた。
「坊主。寄り道は本当はしちゃだめだぞ。けれども、たまーに、たまーに、いいこともある。家の近くならいいとは思うんだ。さて、この福の金を渡すから。空に向かって投げるといい」
ぼくはおじさんの言う通りに、福の金を天に向かって、投げた。
すると、宝船が空から飛んできた。
梯子がするすると降りて来て、ぼくは登ると、そこは無人だった。
宝船は神様も人もいない。
けれども、立て札があった。
「ご自由にお取りくださいね」
ぼくは金銀財宝の中から大判小判を両手一杯に持って、下にいるカッコイイおじさんへ投げた。
「財宝を少しあげるよ! まだいっぱいあるんだ!」
おじさんは受け取り、ぼくにこう言った。
「金銀財宝は、あの福の金の持ち主のものだ。全部、君の物だよ」
ぼくは嬉しくなって、家のおじいちゃんのおつかいも忘れて、財宝を手に入れたと叫んで帰って行った。
家の近くの商店街のショーウインドーを覗いていると、綺麗なおばさんが声を掛けてきた。
なんでも、五百円玉が四枚欲しいと言っている。
そうか! 千円札を二枚両替したいんだ!
ぼくは五百円玉を四つ渡すと、千円札二枚じゃなくて、珍しい二千円札だった。
ぼくは、次はこの商店街のマスコット人形のお腹を叩いていると。
歩いている茶髪のカッコイイおじさんが、二千円札を欲しがっているという話を隣のメガネのおばさんとしている。
ぼくが二千円札をおじさんへ渡すと、おじさんは喜んで福の金という金貨をくれた。
「坊主。寄り道は本当はしちゃだめだぞ。けれども、たまーに、たまーに、いいこともある。家の近くならいいとは思うんだ。さて、この福の金を渡すから。空に向かって投げるといい」
ぼくはおじさんの言う通りに、福の金を天に向かって、投げた。
すると、宝船が空から飛んできた。
梯子がするすると降りて来て、ぼくは登ると、そこは無人だった。
宝船は神様も人もいない。
けれども、立て札があった。
「ご自由にお取りくださいね」
ぼくは金銀財宝の中から大判小判を両手一杯に持って、下にいるカッコイイおじさんへ投げた。
「財宝を少しあげるよ! まだいっぱいあるんだ!」
おじさんは受け取り、ぼくにこう言った。
「金銀財宝は、あの福の金の持ち主のものだ。全部、君の物だよ」
ぼくは嬉しくなって、家のおじいちゃんのおつかいも忘れて、財宝を手に入れたと叫んで帰って行った。
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