スクリーン上の本棚から君へ

主道 学

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本も時代と共に

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 はあ、最近の本屋も近代化したんだなあ。

 広い店内はすごく明るくて、ぼくは一通り歩き回ったからので、本屋の中央にあるたくさんの本が載ってある。スクリーン上に映し出された一つの本をタッチする。

 すると、スクリーンいっぱいにその本の作者名、あらすじ、PR、ジャンルなどが現れた。

 昔ながらの本棚はない。紙の本は頼めば買えるみたいだけど今の時代は存在していないんだ。

 PRは簡単にその本を紹介してくれている。
 ぼくの目の前で、PRの動画がBGM付きで流れた。それは春の坂道の場面で桜が舞って、すぐに散る。という内容だった。そして、物悲しいテロップで終った。そんな悲しい動画なので失恋ものだとぼくは思った。

 その本がとても気に入ったけど。
 でも、ぼくは機械が大の苦手だった。
 だって、古いものの方が好きなのだから。

 どんなに今は新しいものでも、元は全部古いものから生まれているんじゃないかな。

「いらっしゃいませ~」

 ぼくが本探しに迷っていると思ったのか、店員さんがやってきた。

 可愛い女の子だな。
 ぼくは素直にそう思った。

「何をお探しですか?」

 些かキツめの言い方にぼくは店員さんに少しムッと来た。
 だけど、ぼくは可愛い女の子の店員さんには逆らえなかった。

「いや、あの……あれれ??」

 スクリーン上で、ぼくが選んだ本の作者名と彼女のネームプレートにある名前が偶然同じ苗字だった……。

 石井と書かれているんだけど、本の作者名も石井だった。石井 智子という作者名の苗字が、たまたま同じだっただけかも知れないけど……。
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