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始まりでも終わりでも
着地
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不思議と地面の感触は無かった。
まるで、虹の上だけど、雲か空気の上を走っている感じだった。
下は住宅街も山も河川なども小さく見えていたけど、虹の上を走れば走るほど隣町の住宅街の中の一軒家だけが視界の中でグングンと大きくなってきていた。
赤色の屋根の家に徐々にぼくは近づいている。
「あ! あの子だ!」
赤色の屋根の下の玄関を、開けようとしている彼女を発見したぼくは全速力で虹の上を走った。
そして、アスファルトの上に無事に着地した。
「あら? あなたって? 天使かしら? あれれれ? どこかでお会いしませんでした?」
「……い……や……」
ぼくは息を大きく吸い込んだ。
「うわーーーー! やっと、会えたーーーー!! やっりーーーー!!」
ぼくは死ぬほど嬉しかったんだ。だって、本当に死ぬ思いだったからだ。でも、あんなに大空を走ったというのに不思議と息切れをしていなかった。
「きみの名は? あの時。花屋で聞けなかったから。どうしても聞きたかったんだ」
「ぷっ……アハハハ。ああ、あの時の人!」
「そうだよ! ぼくさ! 姉の入院中にお花を買いに来た!」
「ああ! そうだったわね! あ、でもどうして空から?」
「いや、ぼくもよくわからないんだよ」
彼女は芝居がかった物言いではなくて。
普通の女の子になっていて。
可愛さはそのままで。
すこぶる人懐っこくて。
あの時の芝居がかった物言いや態度はどうやら商売用だったんだろうな。
そして、こう言ったんだ。
「花園 雪絵よ。あなたは?」
「虹村 幸助さ」
「ねえ、また会えるよね」
「ああ……」
きっと、また会えるさ。
例え、隣町でも。
何故なら、あの大空があるからさ。
そして、ぼくはちょっとだけあの大空になりたくなった。
まるで、虹の上だけど、雲か空気の上を走っている感じだった。
下は住宅街も山も河川なども小さく見えていたけど、虹の上を走れば走るほど隣町の住宅街の中の一軒家だけが視界の中でグングンと大きくなってきていた。
赤色の屋根の家に徐々にぼくは近づいている。
「あ! あの子だ!」
赤色の屋根の下の玄関を、開けようとしている彼女を発見したぼくは全速力で虹の上を走った。
そして、アスファルトの上に無事に着地した。
「あら? あなたって? 天使かしら? あれれれ? どこかでお会いしませんでした?」
「……い……や……」
ぼくは息を大きく吸い込んだ。
「うわーーーー! やっと、会えたーーーー!! やっりーーーー!!」
ぼくは死ぬほど嬉しかったんだ。だって、本当に死ぬ思いだったからだ。でも、あんなに大空を走ったというのに不思議と息切れをしていなかった。
「きみの名は? あの時。花屋で聞けなかったから。どうしても聞きたかったんだ」
「ぷっ……アハハハ。ああ、あの時の人!」
「そうだよ! ぼくさ! 姉の入院中にお花を買いに来た!」
「ああ! そうだったわね! あ、でもどうして空から?」
「いや、ぼくもよくわからないんだよ」
彼女は芝居がかった物言いではなくて。
普通の女の子になっていて。
可愛さはそのままで。
すこぶる人懐っこくて。
あの時の芝居がかった物言いや態度はどうやら商売用だったんだろうな。
そして、こう言ったんだ。
「花園 雪絵よ。あなたは?」
「虹村 幸助さ」
「ねえ、また会えるよね」
「ああ……」
きっと、また会えるさ。
例え、隣町でも。
何故なら、あの大空があるからさ。
そして、ぼくはちょっとだけあの大空になりたくなった。
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