5 / 7
海洋浮上都市アトランティス
アトランティス その1
しおりを挟む
「ぴえええええ」
「英瑠璃《えるり》ちゃん。ちょっとは落ち着きなさいよ」
「だってー」
しばらくして、テロリスト集団はT.W.A.F(ザ・ワールド・アイドル・フェスティバル)2030に参加している人々を、会場のステージ寄りに集めていった。
特殊な実弾を込めた武器を持つテロリスト集団の男たちは、どこか普通とは違っていた。
何故かしら?
その訓練されたような動きだけではなく、歩いている最中でも背からオーラのようなものが微かに浮き出るのだ。
STARZM・4(スターゼモフォー)のメンバーは、怯えている成川 英瑠璃と、どんな状況でも冷静沈着な大木 利弧利戸《りこりこ》と、あともう一人はここにはいない。
ーーーー
会場11番倉庫内。
「ここら辺なら大丈夫だよ。きっと」
「ええ……ありがと」
STARZM・4(スターゼモフォー)のメンバーの一人。森島 恵美は、推し活の集団に守られていた。
ちょうど、テロリスト集団が会場へ乱入してきた際。推し活の一人が瞬間移動能力者だったので、今の倉庫内へと避難できたのだ。
ここは、ダンボール箱が幾つもの棚に積まれているだけの殺風景な場所。
「これからどうする?」
「いや、俺に聞かれても……」
「森島 恵美ちゃんを守ってればいいんだよな?」
広々とした倉庫内で、20名の推し活と恵美が隅っこで、震えながら縮こまっていた。
「ああー、違うぞー。成川 英瑠璃ちゃんと、大木 利弧利戸ちゃんも守ってだなあ」
「でも、敵は何? 何が目的なんだろう?」
「そりゃ、大金じゃないのか?」
恵美が痺れを切らして、立ち上がる。
「きっとー、テロリスト集団なんだから、何か核兵器とか関係してるんでしょ」
「恵美ちゃん。賢い!!」
「最高!」
「可愛い!」
会場11番倉庫内は、賑やかになっていた。
―――
「Yeah? I can hear people's voices coming from this warehouse.」
(うん? この倉庫から人の話し声? はしゃぎ声が聞こえるな)
「Is that so?」
(そうなのか?)
二人組の会場内を見回りをしていたテロリスト集団が、11番倉庫の前で立ち止まり訝しんだ。
―――
11番倉庫内
「あ! やばい! みんなテロリスト集団が倉庫の外にいる。こっちに来そうだよ」
推し活の一人。ひょろ長い男は、通常の人間の数十倍の聴覚だった。外の危険に気が付いて、みんなに知らせた。
「みんな! やっつけてやりましょうよ!」
「いや、イヤー! 恵美ちゃん! 相手が武装してたの見てるんだよ」
「それが何?」
「撃たれると痛いじゃん」
「……」
推し活のもう一人。その男は短髪で、スポーツタイプのがっしりとした男だった。
「もーう。恵美。涙が出そうよ」
「そんなこと言ったってー」
強気の恵美のキツい言葉に短髪は、涙ぐんだ。
「あ、ねえ。こんなのはどう?」
太った男は、みんなに青色のフィールドを展開した。
そのフィールドは、みんなを音もなく優しく包んでいった。
途端にゆっくりと、倉庫へ通じる扉が開いて、テロリスト集団の二人が、そっと入って来た。銃口は今のところ倉庫を向いていない。テロリスト集団の二人は、中の様子を探るために、銃を下へ向けて入ってきていた。
「英瑠璃《えるり》ちゃん。ちょっとは落ち着きなさいよ」
「だってー」
しばらくして、テロリスト集団はT.W.A.F(ザ・ワールド・アイドル・フェスティバル)2030に参加している人々を、会場のステージ寄りに集めていった。
特殊な実弾を込めた武器を持つテロリスト集団の男たちは、どこか普通とは違っていた。
何故かしら?
その訓練されたような動きだけではなく、歩いている最中でも背からオーラのようなものが微かに浮き出るのだ。
STARZM・4(スターゼモフォー)のメンバーは、怯えている成川 英瑠璃と、どんな状況でも冷静沈着な大木 利弧利戸《りこりこ》と、あともう一人はここにはいない。
ーーーー
会場11番倉庫内。
「ここら辺なら大丈夫だよ。きっと」
「ええ……ありがと」
STARZM・4(スターゼモフォー)のメンバーの一人。森島 恵美は、推し活の集団に守られていた。
ちょうど、テロリスト集団が会場へ乱入してきた際。推し活の一人が瞬間移動能力者だったので、今の倉庫内へと避難できたのだ。
ここは、ダンボール箱が幾つもの棚に積まれているだけの殺風景な場所。
「これからどうする?」
「いや、俺に聞かれても……」
「森島 恵美ちゃんを守ってればいいんだよな?」
広々とした倉庫内で、20名の推し活と恵美が隅っこで、震えながら縮こまっていた。
「ああー、違うぞー。成川 英瑠璃ちゃんと、大木 利弧利戸ちゃんも守ってだなあ」
「でも、敵は何? 何が目的なんだろう?」
「そりゃ、大金じゃないのか?」
恵美が痺れを切らして、立ち上がる。
「きっとー、テロリスト集団なんだから、何か核兵器とか関係してるんでしょ」
「恵美ちゃん。賢い!!」
「最高!」
「可愛い!」
会場11番倉庫内は、賑やかになっていた。
―――
「Yeah? I can hear people's voices coming from this warehouse.」
(うん? この倉庫から人の話し声? はしゃぎ声が聞こえるな)
「Is that so?」
(そうなのか?)
二人組の会場内を見回りをしていたテロリスト集団が、11番倉庫の前で立ち止まり訝しんだ。
―――
11番倉庫内
「あ! やばい! みんなテロリスト集団が倉庫の外にいる。こっちに来そうだよ」
推し活の一人。ひょろ長い男は、通常の人間の数十倍の聴覚だった。外の危険に気が付いて、みんなに知らせた。
「みんな! やっつけてやりましょうよ!」
「いや、イヤー! 恵美ちゃん! 相手が武装してたの見てるんだよ」
「それが何?」
「撃たれると痛いじゃん」
「……」
推し活のもう一人。その男は短髪で、スポーツタイプのがっしりとした男だった。
「もーう。恵美。涙が出そうよ」
「そんなこと言ったってー」
強気の恵美のキツい言葉に短髪は、涙ぐんだ。
「あ、ねえ。こんなのはどう?」
太った男は、みんなに青色のフィールドを展開した。
そのフィールドは、みんなを音もなく優しく包んでいった。
途端にゆっくりと、倉庫へ通じる扉が開いて、テロリスト集団の二人が、そっと入って来た。銃口は今のところ倉庫を向いていない。テロリスト集団の二人は、中の様子を探るために、銃を下へ向けて入ってきていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が怒らないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
おっさん、ドローン回収屋をはじめる
ノドカ
SF
会社を追い出された「おっさん」が再起をかけてドローン回収業を始めます。社員は自分だけ。仕事のパートナーをVR空間から探していざドローン回収へ。ちょっと先の未来、世代間のギャップに翻弄されながらおっさんは今日もドローンを回収していきます。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる