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蛇の書
得体の知れない
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「なんだ?!」
仕方なく骨董屋で買った煤ぼけたランプを片手に階下へと降りることにした。
真っ暗な闇に覆われた階段を降りていくと、しばらく踊り場で下の様子を窺うことにした。
ここは商店街の一角にあるモダンな造りの家だ。深夜は新聞配達の人しか寄ってこないくらいだ。昼間でも人通りが少ない。そこにぼくを含めた父と母の三人しか住んでいなかった。二階だてで一階にはキッチンとリビング。後は、お風呂場しかない。二階には寝室とそれぞれの書斎とトイレが備え付けられてあった。
突如、ムッとくる蒸し熱い空気が階下から浴びせられた。
「うっ!!」
ぼくはこみ上がる不快感で吐き気を催した。何故か酷い胸騒ぎが更に酷くなって、ぼくの身体が震えだした。
まるで……大蛇に睨まれているかのようだった。
「チッ!」
歯を食いしばって震えを抑えながら身構えていると、階下のキッチンからとぐろを巻いた大蛇がこちらにくねくねと地べたを這い寄って来た。
外窓からの大雨が一際大きく聞こえ。瞬間、稲光が周囲を覆った。
大蛇の全容が見えた。
この家の近辺に生息するはずのないとてつもない大きな蛇だった。
「まさか! 召喚?!」
ニュートンは空間を三次元のユークリッド空間。三方向を無限に広がるものとした。そして、ニュートン力学体系を構築したんだ。けれど、アインシュタインは特殊相対性理論で、質量の存在により曲がる四次元リーマン空間を記述した。
「この家の中で、空間が曲がったのか?? あり得ない!!」
何が起きたのかわからなかった。
空間が曲がるほどの膨大な生体電流が家の中に流れたのなら、ぼくか古代の魔女の母が気が付いたはずだ。
そうだ!
考える暇はない!
父に聞こう。天才科学者の父なら、あるいは……。
仕方なく骨董屋で買った煤ぼけたランプを片手に階下へと降りることにした。
真っ暗な闇に覆われた階段を降りていくと、しばらく踊り場で下の様子を窺うことにした。
ここは商店街の一角にあるモダンな造りの家だ。深夜は新聞配達の人しか寄ってこないくらいだ。昼間でも人通りが少ない。そこにぼくを含めた父と母の三人しか住んでいなかった。二階だてで一階にはキッチンとリビング。後は、お風呂場しかない。二階には寝室とそれぞれの書斎とトイレが備え付けられてあった。
突如、ムッとくる蒸し熱い空気が階下から浴びせられた。
「うっ!!」
ぼくはこみ上がる不快感で吐き気を催した。何故か酷い胸騒ぎが更に酷くなって、ぼくの身体が震えだした。
まるで……大蛇に睨まれているかのようだった。
「チッ!」
歯を食いしばって震えを抑えながら身構えていると、階下のキッチンからとぐろを巻いた大蛇がこちらにくねくねと地べたを這い寄って来た。
外窓からの大雨が一際大きく聞こえ。瞬間、稲光が周囲を覆った。
大蛇の全容が見えた。
この家の近辺に生息するはずのないとてつもない大きな蛇だった。
「まさか! 召喚?!」
ニュートンは空間を三次元のユークリッド空間。三方向を無限に広がるものとした。そして、ニュートン力学体系を構築したんだ。けれど、アインシュタインは特殊相対性理論で、質量の存在により曲がる四次元リーマン空間を記述した。
「この家の中で、空間が曲がったのか?? あり得ない!!」
何が起きたのかわからなかった。
空間が曲がるほどの膨大な生体電流が家の中に流れたのなら、ぼくか古代の魔女の母が気が付いたはずだ。
そうだ!
考える暇はない!
父に聞こう。天才科学者の父なら、あるいは……。
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