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知恵の書
高位魔術師
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「ありがとう! もっと早く走りましょう! 学園長のところへ! そこはここよりももっと安全なはずよ!」
「わかった!」
商店街を突き抜け、今度は第三カリタス学園の正門を抜ける。芝生を蹴って、校内に入ると、学園長室を目指した。
階段を上へ上へと走り、廊下を死に物狂いで突っ走ると、学園長室の重厚な扉を開けた。中には香水のようないい香りが充満し、多くの試験官が所々に置いてあった。……緊急時に触媒としてつかうためなのだろうか? 水素や酸素、フッ素に珪素にリケッチアやバクテリア。他には何の化学物質かもわからない気体が入った試験官が豪奢な机の上にも並んでいた。
分厚い本がその机の上に置いてあった。
その本は最高位魔術が載ってある王者の書だ。
学園長室の一つしかない机に何故か涎を垂らして寝ている学生がいた。
その女性も美人の範囲になんとか入るが、何故だろう? 生体電流が常人離れしている。高位魔術の王者の書は学園長のものだと思うし、魔術書を持っていないようだから、サイコキネシスが使えそうだった。青と白のブレザーからしてキリスト教学科の学生だろう。知らない顔からすると、もう一人の転校生の香川 凛だ。
大方、授業をサボるためここで学園長がいないことをいいことに、昼寝をしていたんだ。
学園長はどこだろう。
この学園にはいないようだ。
「ねえ、この人学生のようだけど、誰かしら? 知ってる人?」
「多分、転校生だと思う。知らない顔だ。香川 凛だよ。きっと……」
ぼくは魔術師たちが来る前に、王者の書を開いておこうとした。高度な魔術さえあれば、そして、扱えさえすればの話だが、魔術の戦いでは互角かそれ以上になるはずだ。
「開いても無意味よ。だって、父がもう開いてしまってるの」
白花が王者の書を開いてみても、何も起こらなかった。
ぼくは他に本がないか学園長室を調べることにした。
この学園長室には、いつ魔術師たちが来るかわからない状況だった。白花とぼくの荒い呼吸以外は今でもすやすやと寝ているツインテールの小柄の女性の寝息が聞こえるだけだった。
部屋の片隅の埃一つない綺麗なそして、重厚な本棚にも一冊の本があった。
「知恵の書だ」
「わかった!」
商店街を突き抜け、今度は第三カリタス学園の正門を抜ける。芝生を蹴って、校内に入ると、学園長室を目指した。
階段を上へ上へと走り、廊下を死に物狂いで突っ走ると、学園長室の重厚な扉を開けた。中には香水のようないい香りが充満し、多くの試験官が所々に置いてあった。……緊急時に触媒としてつかうためなのだろうか? 水素や酸素、フッ素に珪素にリケッチアやバクテリア。他には何の化学物質かもわからない気体が入った試験官が豪奢な机の上にも並んでいた。
分厚い本がその机の上に置いてあった。
その本は最高位魔術が載ってある王者の書だ。
学園長室の一つしかない机に何故か涎を垂らして寝ている学生がいた。
その女性も美人の範囲になんとか入るが、何故だろう? 生体電流が常人離れしている。高位魔術の王者の書は学園長のものだと思うし、魔術書を持っていないようだから、サイコキネシスが使えそうだった。青と白のブレザーからしてキリスト教学科の学生だろう。知らない顔からすると、もう一人の転校生の香川 凛だ。
大方、授業をサボるためここで学園長がいないことをいいことに、昼寝をしていたんだ。
学園長はどこだろう。
この学園にはいないようだ。
「ねえ、この人学生のようだけど、誰かしら? 知ってる人?」
「多分、転校生だと思う。知らない顔だ。香川 凛だよ。きっと……」
ぼくは魔術師たちが来る前に、王者の書を開いておこうとした。高度な魔術さえあれば、そして、扱えさえすればの話だが、魔術の戦いでは互角かそれ以上になるはずだ。
「開いても無意味よ。だって、父がもう開いてしまってるの」
白花が王者の書を開いてみても、何も起こらなかった。
ぼくは他に本がないか学園長室を調べることにした。
この学園長室には、いつ魔術師たちが来るかわからない状況だった。白花とぼくの荒い呼吸以外は今でもすやすやと寝ているツインテールの小柄の女性の寝息が聞こえるだけだった。
部屋の片隅の埃一つない綺麗なそして、重厚な本棚にも一冊の本があった。
「知恵の書だ」
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