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zombie apocalypse (ゾンビアポカリプス)モート編
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モートはリリーの拘束を解いた。
体中に頑丈な鎖が巻いてあったのだ。
「君は、聖痕というものを知っているかい? あるいは、どこかにその……不思議な傷はあるかい?」
「……昔、不思議な傷が足の裏にあるって、お医者さんが言った時があるわ……」
「じゃあ。ぼくは次の収穫のところへ行くから」
「……待って! 私の他にも人はいないの? 助けてくれたんでしょ! 私の記憶がなくなる時、覚えているのは今朝のバスの中。バスの中には大勢人が乗っていたの!」
リリーのさっきの態度とは逆の懇願した言葉に、モートはこっくりと頷いた。けれども、すぐに首を横に振った。
「ここにはいないんだ。少なくてもこの周囲には……」
「ここは、どこなの?」
「ホワイトグレートの麓のログハウスだ」
「……ホワイトグレート……?」
「そのログハウスの地下に君はいたんだ」
「リリーよ。リリー・フィラデルフィア」
モートは考えた。
この少女は間違いなく聖痕の持ち主だと。
だが、まだバスから消えた? それとも誘拐? などをされた人たちがいるようだ。
そこで、モートはあることに気がついた。
目に見える魂の色は、当然。
生きていないと、見えないのだ。
なので、恐らくは……。
もうこの世には、いないのだろう。
体中に頑丈な鎖が巻いてあったのだ。
「君は、聖痕というものを知っているかい? あるいは、どこかにその……不思議な傷はあるかい?」
「……昔、不思議な傷が足の裏にあるって、お医者さんが言った時があるわ……」
「じゃあ。ぼくは次の収穫のところへ行くから」
「……待って! 私の他にも人はいないの? 助けてくれたんでしょ! 私の記憶がなくなる時、覚えているのは今朝のバスの中。バスの中には大勢人が乗っていたの!」
リリーのさっきの態度とは逆の懇願した言葉に、モートはこっくりと頷いた。けれども、すぐに首を横に振った。
「ここにはいないんだ。少なくてもこの周囲には……」
「ここは、どこなの?」
「ホワイトグレートの麓のログハウスだ」
「……ホワイトグレート……?」
「そのログハウスの地下に君はいたんだ」
「リリーよ。リリー・フィラデルフィア」
モートは考えた。
この少女は間違いなく聖痕の持ち主だと。
だが、まだバスから消えた? それとも誘拐? などをされた人たちがいるようだ。
そこで、モートはあることに気がついた。
目に見える魂の色は、当然。
生きていないと、見えないのだ。
なので、恐らくは……。
もうこの世には、いないのだろう。
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