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zombie apocalypse (ゾンビアポカリプス)モート編
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「向かいの優しいお爺さんだったの!! 部下にもそう命令しているの!! きっと、今はひどい状態だけど、この現象が治ると元に戻るんだわ。きっと、そう。そうよねモート」
シンクレアの顔は血の気が引いているが、その更に年下のミリーは裏の組織を牛耳っているだけあって、忽然としていた。
「……わかった」
モートは、ゾンビ化しているので、誰が誰だかわからなかった。なので、お爺さんの服装や身長をしているゾンビだけを狩ることを止めた。
「ああ! モート! ゾンビだからわからないのよね! 私の部下には向いのお爺さんはわかるから、そのゾンビだけ残して、どうでもいいゾンビじいさんは撃たせているわ! だから、モートは他を退治して!」
黒いスーツの男たちのトンプソンマシンガンの弾丸は、当然モートの身体を貫通していく。弾が体内を通っていってもモートは平然として、ゾンビを狩ることに専念した。
やがて、一体のゾンビだけ残して、汚れた血と肉塊だけが残った。
未だ空から赤黒い雹が地面へ降り続け、幾本もの落雷がホワイトシティの至る所へと落ちていった。空も地も血の臭いを乗せた赤黒い風が舞っている。
「ああ、あなたはモートよね! 幻なんかじゃないわよね! それなら本当に良かったわ! 突然、赤黒い雹が降って、アリスの無事も確認できぬまま。もうこのままだと、私たち駄目かと思っちゃってたのよ。死んだら、そこらのゾンビと一緒に、イーストタウンをアリスと一緒に買った服がボロボロになるまで、さんざ歩き回るんじゃないかと思ってたわ」
平屋建てのベランダまで、もう安全だと思ったのか、シンクレアが飛び出してきた。
「ねえ、モート……アリスは無事? 無事よね? そうよね!」
「ああ……」
モートは少し、元気そうなシンクレアを見ていると嬉しくなった。
「シット! 姉さん! 静かにして……まだゾンビがスラム街から歩いてくる音よ」
さすがにミリーは、ベランダへ出ても辺りを警戒して、聞き耳を立てていた。
「シンクレアとミリー……。 早くノブレス・オブリージュ美術館へ行ってくれ! その人達も連れていっていいと思うから。ヘレンには後で言っておくよ」
モートはこちらをトンプソンマシンガンを構えて、慎重に伺っていた真っ黒なサングラスをしている黒いスーツの男たちに、コクリと頷いてやった。
「では、ミリーお嬢様。ノブレス・オブリージュ美術館まで行きましょうか」
黒いスーツの男の一人が言うと、他の男たちもぞろぞろと、一人。また一人と、平屋建てへ戻り出した。
その時。突然、平屋建ての屋根に空から何かが下りて来た。
それは、赤き巨大な馬に乗った男だった。
男は、跨っている興奮気味の馬をを窘めながら、モートに向き合い。
こう言った……。
シンクレアの顔は血の気が引いているが、その更に年下のミリーは裏の組織を牛耳っているだけあって、忽然としていた。
「……わかった」
モートは、ゾンビ化しているので、誰が誰だかわからなかった。なので、お爺さんの服装や身長をしているゾンビだけを狩ることを止めた。
「ああ! モート! ゾンビだからわからないのよね! 私の部下には向いのお爺さんはわかるから、そのゾンビだけ残して、どうでもいいゾンビじいさんは撃たせているわ! だから、モートは他を退治して!」
黒いスーツの男たちのトンプソンマシンガンの弾丸は、当然モートの身体を貫通していく。弾が体内を通っていってもモートは平然として、ゾンビを狩ることに専念した。
やがて、一体のゾンビだけ残して、汚れた血と肉塊だけが残った。
未だ空から赤黒い雹が地面へ降り続け、幾本もの落雷がホワイトシティの至る所へと落ちていった。空も地も血の臭いを乗せた赤黒い風が舞っている。
「ああ、あなたはモートよね! 幻なんかじゃないわよね! それなら本当に良かったわ! 突然、赤黒い雹が降って、アリスの無事も確認できぬまま。もうこのままだと、私たち駄目かと思っちゃってたのよ。死んだら、そこらのゾンビと一緒に、イーストタウンをアリスと一緒に買った服がボロボロになるまで、さんざ歩き回るんじゃないかと思ってたわ」
平屋建てのベランダまで、もう安全だと思ったのか、シンクレアが飛び出してきた。
「ねえ、モート……アリスは無事? 無事よね? そうよね!」
「ああ……」
モートは少し、元気そうなシンクレアを見ていると嬉しくなった。
「シット! 姉さん! 静かにして……まだゾンビがスラム街から歩いてくる音よ」
さすがにミリーは、ベランダへ出ても辺りを警戒して、聞き耳を立てていた。
「シンクレアとミリー……。 早くノブレス・オブリージュ美術館へ行ってくれ! その人達も連れていっていいと思うから。ヘレンには後で言っておくよ」
モートはこちらをトンプソンマシンガンを構えて、慎重に伺っていた真っ黒なサングラスをしている黒いスーツの男たちに、コクリと頷いてやった。
「では、ミリーお嬢様。ノブレス・オブリージュ美術館まで行きましょうか」
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その時。突然、平屋建ての屋根に空から何かが下りて来た。
それは、赤き巨大な馬に乗った男だった。
男は、跨っている興奮気味の馬をを窘めながら、モートに向き合い。
こう言った……。
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