夜を狩るもの 終末のディストピアⅡ meaning hidden

主道 学

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blood (出血) モート編

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 なので、恐らくはここホワイトシティの下水が溜まる地下には、多くのゾンビの群れがいるはずだ。そこで、モートは本で読んだことを思い出した。占いなどでは血の雨が降る夢は生命力、再生といった意味をしているし、プラスなことになるのだ。だが、戦争などでは血の雨を降らすという言葉もあって、多くの血が流れること。つまりマイナスのことも指す。

 モートは更に考えた。
 
 何故、血の雨で人が死人になるのだろう?
 現状では血の雨はマイナスなことになっているのだ。

 どちらにしても、死……つまり、血の雨は生命が関連しているようだ……。

 ならば、この血の雨を降らす原因を無くせば……。人はゾンビとならないのだろう。そこまで梯子を降りながら考えていたモートは、やっと真っ暗な下水道の地面に足を着けていた。
  
 マンホールの下は、モートの考え通りに辺り一面に腐臭漂うところだった。きっと、ここはアンデッドの巣窟なのだろう。
 
 モートは真っ暗な地の底を注意深く歩いて行った。
 
 しばらく歩くと、水滴の落ちる音や、血で汚れているであろう下水の流れる音が大きくなって来た。感覚的には50メートルだとモートは思った。前方に蠢くものを発見した。モートは、銀の大鎌を構えるが……。蠢くものは遥か上方へと上がっている。

 上を向くと、マンホールがもう一つあった。

 焦ったモートは上へと飛翔した。

 ――――
 
 ペルガモは明るい店内の店へと逃げ込んでいたが。そこは客や血の雨から非難した通行人でごった返し、息も詰まりそうなほど人で埋まった空間だった。

 ペルガモは明るい店内の店へと逃げ込んでいた。だが、そこは客や血の雨から非難した通行人でごった返していた。店内の奥に壊れたトランペットやドラムが跡形もなく転がっている洒落た店の中は、息も詰まりそうなほど人で埋め尽くされた空間となっていた。

 途方もない息苦しさを覚えたペルガモは、窓の外の近くへ行こうと人々の合間から体を捻じ込んでいたが。

 窓の外には……。
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