8 / 37
mansion (屋敷) ヘレン編
07
しおりを挟む
ヘレンはノブレス・オブリージュ美術館のオーナー室で、モートの帰りを待っていた。オーナー室の暖炉の薪がないことに気付いたが、それでも、どうにも落ち着かないので、寒いがそのままにしていた。
部屋の寒さが限界まで来て震えていた時。オーナー室の電話が鳴った。ヘレンは受話器を取ると、相手は聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館長だった。ヘレンは古代図書館の館長とは懇意の仲だった。
「やあ、ヘレン。ちょっと聞きたいことがあるんだが……また奇妙な男がレファレンスルームから本を一冊借りていったんだよ」
ヘレンは耳を疑った。
レファレンスルームの本は貸し出し厳禁だったのだ。
「借りた男の名はジョン・ムーアだった……」
ヘレンはそれを聞いて卒倒しそうになったが、詳しい事情を極力耳に集中して聞いた。
「それ、本当? アーネスト?」
アーネスト・グレグスン。それが聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館長の名前だった。
「ああ……これは言わないでおこうと思ったんだがね……ついでに紙切れを受付に置いていったんだよ。「その時がもうすぐ来るんだ」って書いてあったって受付の女性が言っていた……何のことかさっぱりわからないが。いやはや、なんだか不吉だねえ」
部屋の寒さが限界まで来て震えていた時。オーナー室の電話が鳴った。ヘレンは受話器を取ると、相手は聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館長だった。ヘレンは古代図書館の館長とは懇意の仲だった。
「やあ、ヘレン。ちょっと聞きたいことがあるんだが……また奇妙な男がレファレンスルームから本を一冊借りていったんだよ」
ヘレンは耳を疑った。
レファレンスルームの本は貸し出し厳禁だったのだ。
「借りた男の名はジョン・ムーアだった……」
ヘレンはそれを聞いて卒倒しそうになったが、詳しい事情を極力耳に集中して聞いた。
「それ、本当? アーネスト?」
アーネスト・グレグスン。それが聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館長の名前だった。
「ああ……これは言わないでおこうと思ったんだがね……ついでに紙切れを受付に置いていったんだよ。「その時がもうすぐ来るんだ」って書いてあったって受付の女性が言っていた……何のことかさっぱりわからないが。いやはや、なんだか不吉だねえ」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


闇に蠢く
野村勇輔(ノムラユーリ)
ホラー
関わると行方不明になると噂される喪服の女(少女)に関わってしまった相原奈央と相原響紀。
響紀は女の手にかかり、命を落とす。
さらに奈央も狙われて……
イラスト:ミコトカエ(@takoharamint)様
※無断転載等不可
夜を狩るもの 終末のディストピア seven grimoires
主道 学
ライト文芸
雪の街 ホワイト・シティのノブレス・オブリージュ美術館の一枚の絵画から一人の男が産まれた。
その男は昼間は大学生。夜は死神であった。何も知らない盲目的だった人生に、ある日。大切な恋人が現れた。そんな男に天使と名乗る男が現れ人類はもうすぐ滅びる運命にあると知る。
終末を阻止するためには、その日がくるまでに七つの大罪に関わるものを全て狩ること。
大切な恋人のため死神は罪人を狩る。
人類の終末を囁く街での物語。
注)グロ要素・ホラー要素が少しあります汗
産業革命後の空想世界での物語です。
表紙にはフリー素材をお借りしました。ありがとうございます。
主に かっこいいお兄さんメーカー様
街の女の子メーカー様
感謝感激ですm(__)m
『霧原村』~少女達の遊戯が幽から土地に纏わる怪異を呼び起こす~転校生渉の怪異事変~
潮ノ海月
ホラー
とある年の五月の中旬、都会から来た転校生、神代渉が霧野川高校の教室に現れる。彼の洗練された姿に女子たちは興味を示し、一部の男子は不満を抱く。その中、主人公の森月和也は、渉の涼やかな笑顔の裏に冷たさを感じ、彼に違和感を感じた。
渉の編入から一週間が過ぎ、男子達も次第に渉を受け入れ、和也の友人の野風雄二も渉の魅力に引き込まれ、彼の友人となった。転校生騒ぎが終息しかけたある日の学校の昼休み、女子二人が『こっくりさん』で遊び始め、突然の悲鳴が教室に響く。そしてその翌日、同じクラスの女子、清水莉子が体調不良で休み、『こっくりさん』の祟りという噂が学校中に広まっていく。その次の日の放課後、莉子を心配したと斉藤凪紗は、彼女の友人である和也、雄二、凪沙、葵、渉の五人と共に莉子の家を訪れる。すると莉子の家は重苦しい雰囲気に包まれ、莉子の母親は憔悴した姿に変わっていた。その異変に気づいた渉と和也が莉子の部屋へ入ると、彼女は霊障によって変わり果てた姿に。しかし、彼女の霊障は始まりでしかなく、その後に起こる霊障、怪異。そして元霧原村に古くから伝わる因習、忌み地にまつわる闇、恐怖の怪異へと続く序章に過ぎなかった。
《主人公は和也(語り部)となります。ライトノベルズ風のホラー物語です》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる