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第一章
礼拝のメインは愛餐会ですか?
しおりを挟む「おはようございます、牧野先生」
「あぁ、おはよう真琴君。お、そちらのお嬢さん方はどうしたんだい?」
真琴と二人が教会に着くと、牧師である牧野が礼拝のための準備をしていた。
やはり早く来すぎてしまったようで、礼拝開始まであと三十分は時間があった。
当たり前だが、牧野は早めに来た真琴よりもその後にいるココとサンドラが気になったらしい。
「初めまして。妻の黒江ココです」
「誰が妻だ! 勘違いしないでくださいね、牧野先生! 従兄妹ですよ!」
唐突に馬鹿なことを言い出したココを、真琴の鋭いツッコミ(チョップ)で制し、すぐさま牧野へと訂正を入れる。
真琴が窺うようにチラッと牧野を見ると、牧野はハハハと笑っていた。
冗談が分かる大人というやつだ。
真琴はふぅ――と一息。
しかし、このまま収まることはなかった
「ちょ、ちょっと! 妻ってどういうこと! 真琴くん!」
奥から出てきたのは唯川梨花だった。
この様子からだと発端は聞いていたようで、訂正までは聞いていないようだ。
つまり一番面倒くさい状況である。
「ゆ、唯川! 落ち着いて聞いてく――」
「妻だから妻って言ったんですよ。何か問題でもありますか?」
「この馬鹿野郎!」
ココは、真琴のチョップのダメージを意にも介さず、何故か唯川に喧嘩を売るような態度で対抗してきた。
唯川は当然そのセリフに驚いて、ポッカリと口を開けている。
しかし、一番驚いていたのは――真琴だ。
真琴は混乱する脳みそで必死に考え、真っ先にすることは、ココを黙らせることだと判断した。
真琴はラリアットのような飛びつきから、一瞬でココの背後をとる。
この時点で勝負はついた。
真琴の乏しい知識の中にあった技――チョークスリーパーホールドでココを戦線から離脱させる。
「……いいか唯川、こいつらは従兄妹だ。悪い奴じゃないんだが、悪戯が好きでな、僕も困ってるんだよ」
「……そ、そうなの? なら良かった……本当だったら、明日は学校中の大ニュースだったよ」
「お、恐ろしいことを言うな……!」
危なかった。
あと少しで学校中が大騒ぎだった。
サンドラに保護されている不満そうな顔をしたココを、一応目で叱っておく。
本当はこのまま自宅に帰して外出禁止にしたかったが、従兄妹という設定上今は厳しいだろう。
「ほらほら、礼拝が始まるまで時間があるから、休んでていいよ。そちらのココさんもね」
少し気まずい空気になった瞬間、牧野のナイスフォローによって奥に移動することになる。
玄関でずっといるのも、よく考えたらおかしい話だ。
本棚にあった貸出用の聖書と讃美歌(ココとサンドラは二人で一つだ)を手に取り、礼拝の時に使う椅子――の後方にある休憩用のテーブルセットの元へ向かう。
「いや、本当にごめんな唯川。ほら、ココも謝っとけ」
「も、申し訳ありませんでした」
「お姉ちゃんがごめんなさいなの」
真琴の指示により、ココは渋々と謝る。
何故かサンドラまで謝っていたが、それが今回は功を奏したようで、美少女二人の謝罪となっては唯川も許さざるを得ない。
「だ、大丈夫だよ。私も勘違いしてたみたいだし、お互い様ってことで」
よし――と、真琴は心の中でガッツポーズをする。
狙い通り許してもらえることができたようだ。
最悪三人で土下座するまで考えていたが、何とか二人のプライドと真琴の学生生活は守られた。
「それより、今日は来れたようで安心したよ。新しい仲間が増えるのも嬉しいしね。私は唯川梨花っていうの、よろしくね」
「私はココといいます」
「サンドラっていうなの。ドラちゃんって呼んでほしいなの」
仕切り直し――といったような形でもう一度自己紹介が始まる。
真琴はココがまたやらかすのでは、と内心ヒヤヒヤしていたが、そこは常識がある奴でまともな挨拶となった。
サンドラはいつも通りだ。
「ココちゃんに、ドラちゃん。この教会は初めてだろうから、何か困ったらすぐ声かけてね。真琴くんじゃ頼りないだろうから」
「一言多いぞ。洗礼を受けるまでの日数は、僕の方が少なかったんだからな」
「そんなよく分からない事でマウントをとろうとしないで。……何かある度にそれを言うけど、もうちょっとバリエーション増やしてよ」
ぐっ――と真琴は口篭る。
九ヶ月という記録――これまでは通じていたが、これからはもう通じないという事だろうか。
よりによって、ココとサンドラの前で恥ずかしい姿を見せてしまった。
このままでは、二人の見る目が変わり、唯川の味方になってしまうのではないか。
そうなってしまっては、唯川とよく言い争う真琴にとっては不利になってしまう。
二人に良いところを見せるため、真琴は褌を締め直した。
「ほら、真琴くんが見栄を張るから、ココちゃんたちも困ってるじゃない」
真琴はハッと我に返る。
どうやらムキになっていたようだ。
ココとサンドラがいることを、すっかり忘れていた。
二人とも可哀想な者を見るような目で、真琴を見つめている。
「そんなことより、こんな可愛い従兄妹がいるんだったら教えてよー。知ってたら毎日遊びに行ったのにー」
「尚更教えてなくて良かったよ。毎日来るとか迷惑野郎じゃねえか」
どうやら、唯川は二人を想像以上に気に入ったらしい。
今もサンドラを近くに座らせて、プニプニと頬を突っついて遊んでいる。
サンドラも満更でもなさそうな顔をしながら、身を唯川に預けていた。
「ねぇ、真琴くんに変な事されてなーい? 私心配になっちゃった」
「してねぇよ。少なくとも今のお前以上の事はな」
サンドラに影響されたのか、いつもよりも柔らかくなった言い回しで、唯川はサンドラに問いかける。
この一週間でサンドラの遊び相手をする機会が多々あったが、勿論セクハラ紛いのような事はしていない。
そもそもそんな度胸はないし、逆に二人の方から脱衣麻雀を誘ってきたほどだ。
「それは秘密なの」
「だから何で誤解を招くような言い回しをするんだ」
「いやぁー、あの時の真琴さんは凄かったですねぇ」
「お、お前ら嘘だろ!? こんなことして何が楽しいんだよ!」
ココとサンドラのおふざけは、まだ止まっていなかった。
冤罪の上に冤罪が重なり、見方を変えれば犯罪者のような真琴が出来上がってしまう。
ココとサンドラは楽しんでいるようだが、真琴からしたらナイフを突きつけられている気分だ。
「アハハ、仲がいいのは分かったよ。冗談と分かってても面白いね」
「な、なんだよ……分かってたのか。意地が悪いぜ」
しかし幸運なことに、話を盛りすぎたおかげで、唯川もこれが冗談だと分かってくれたらしい。
妙にリアルな嘘じゃなかったのも、唯川の理解力が高かったのも、不幸中の幸いだろう。
こうして二人の気まぐれによる、真琴へのちょっかいは幕を閉じた。
「さ、そろそろ席に座ろうかな。人も段々増えてきたし」
「そうだな。ココとドラちゃんは、僕の隣で座るといいよ」
唯川につられて周りを見ると、確かに何人か見慣れた顔の人達が入っている。
真琴たちが通う教会は、それほど大きい教会ではないため、いつも教会に来ている人達の顔は自動的に覚えていた。
「何か緊張するものがありますね……」
「大丈夫なの、お姉ちゃん。いざという時は、まことが助けてくれるなの」
真琴がチラリと横を見ると、明らかに緊張した顔をしているココとサンドラの姿があった。
真琴も二人ほどではないが、初めて教会に来た時には、少し緊張したのを憶えている。
「心配しなくていいよ。静かに話を聞いているだけでいいから」
真琴は二人の緊張をほぐすために、周りに聞こえないような、少し小さい声でフォローを入れた。
ココとサンドラも、最低限の常識は分かっているようで、椅子に座ってからは周りの人たちに迷惑をかけないように、静寂を保っている。
真琴の家に来て、一日目から暴れ回っていたの人物と同じ人物とは思えないほどの変わりようだった。
「…………」
奏楽の人がピアノを弾き始める。
これは、そろそろ礼拝が始まるという事を、真琴たちに示してくれる合図でもあった。
ずっと聞いてきた演奏だが、その力強くも優しい音色は、聞いている者の耳を釘付けにするだけの魅力がある。
ココもサンドラも、この演奏によって先程よりリラックス出来たようだ。
拍手したくなるような演奏が終わると(この演奏に拍手してはいけない、と以前に牧野から言われた事がある)、牧師である牧野の言葉によって本格的に礼拝が始まる。
牧野の隣にいる司会者の聖書朗読から始まり、そこから罪の告白へと移った。
悪魔であるはずのココとサンドラだったが、しっかりと聖書の言葉を聞き、罪の告白の際には、祈るようにして何やらボソボソと呟いていた。
二人が何を呟いているのかは気になったが、自称紳士として聞き耳を立てるようなことはせず、ただこの一週間を振り返るだけだ。
一時間半ほどの礼拝は思ったよりも早く進み、妙に歌が上手いココに驚きながらも、大きな問題はなく折り返しまで達した。
今は牧野による説教の最中である。
いつもの真琴なら説教中はついつい眠ってしまいがちだが、ココとサンドラがいるということで、つぶりそうな目を必死で持ち上げる。
前の方の席にいる唯川は、これまでと同じように牧野の話をしっかりと聞いていた。ちゃんと持参の聖書に書き込んだりして、いかにも真面目なクリスチャンというようだ。
ちなみに真琴が所有している聖書は、家に置きっぱなしで本棚の肥やしになっている。勿論書き込みはしておらず、新品同様の綺麗さだ。
サンドラはダウンしてしまったようで、ぐっすりとココにもたれかかるようにしてスヤスヤと眠っている。
以前に真琴が家で、刃牙の強さランキングについて熱く語った時も、このようにして話の途中でスヤスヤと眠ってしまった事があった。
どうやらサンドラは長い話が苦手らしい。
逆にココは熱心に話を聞いている。
(真琴さんが信仰しているもの……救い主の救い主って変な響きですけど、私たち悪魔の命を助けてくれるとは、なんと慈悲深い御方でしょうか)
ココからしたら、真琴は自分たちを助けてくれた命の恩人――すなわち救い主である。その真琴の救い主となれば、自分の救い主も同然という考えだ。
悪魔として信仰されたという事は何度かあるが、自分が信仰するというのは初めての体験。しかしいざやってみると、信仰する者の気持ちが分かった気がした。
(なるほど。真琴さんは神が私たちの前に置いた遣いなのですね)
ココは真琴が近くにいると、自分が守られているという安心感に包まれる事を思い出す。
そんな存在を与えてくれた神に、ココは感謝を込めて祈っていた。
三十分ほどで牧野の説教は終わり、讃美歌の頌栄541番を歌って礼拝は終わった。
ココにとって初めての礼拝は、とても充実した時間になったようだ。
「いやぁ、お疲れ様でした。真琴さん」
「おう、どうだった?」
「なかなか良いものでした。真琴さんに会えたのも、神に感謝ですね」
「お、おう? まあいいや、気に入ってくれたなら嬉しいよ」
ココの結論をいきなり伝えられ、困惑したような真琴だったが、気に入ってくれたことを理解すると、少し嬉しくなった。
「これから愛餐会があるんだけど、ココもドラちゃんも参加するか?」
「あいさんかい……? それは何……なの」
ようやく目覚めたサンドラは、目を擦りながら椅子から立ち上がる。
愛餐会というのは二人とも知らないようで、ココも首を傾げていた。
「ああ、教会のみんなでお昼ご飯を食べるんだよ。牧野先生の奥さんが作ってくれるんだけど、びっくりするくらい美味いぜ」
サンドラの眠そうな目がカッと見開いた。
奥の方から漂ってくる美味しそうな匂いで、真琴の言っている事が嘘ではないと判断したらしい。
つまり『びっくりするくらい美味い』というのも本当だということだ。
「――来たなの!」
サンドラは、奥の方から料理を運んできた唯川にいち早く反応した。
唯川が運んできたのは、ご飯にかける用の中華丼のあんだ。
それを見てサンドラは目を輝かせている。
本当に欲望に忠実な子どもだ。
「ドラちゃんは中華丼好きなの? 小さい子は苦手だと思ってた」
「中華丼は素晴らしいなの。あんがご飯とベストマッチで、どんどんご飯が進むなの。そして様々な具材が入っているから彩が綺麗なの」
グルメなサンドラは、中華丼の素晴らしさについて熱く語っていた。
自分が好きな物に関しては饒舌になってしまうのも、普通の子どもと同じだ。勿論興味がないものには、とことん興味がないのだが(真琴の話していた刃牙の強さランキングがいい例である)。
「アハハ、本当に好きなんだね。奥さんの作る料理は全部美味しいから、ドラちゃんの期待にも応えられると思うな」
「ドラちゃんの舌は結構厳しいなの。楽しみなの」
どこかの辛口評論家のような態度で、サンドラは腕を組みながら用意されたパイプ椅子に座る。ちなみにその席は元々真琴の席だ。
ナチュラルに席を奪われた真琴は、文句を言うことも出来ず、渋々と後ろの方から予備のパイプ椅子を出して端の方に座る。
「サンドラも楽しそうですね。今日は来てみて良かったです」
「……あぁ。唯川もサンドラと仲良くなれたみたいだしな。お前らを呼んで正解だったよ」
ココと真琴は保護者のような気持ちでサンドラを見ていた。
楽しそうなサンドラを見て、姉であるココもどことなく嬉しそうだ。
今日の礼拝は、真琴がこの教会に来始めてから、一番といってもいいほどみんなが楽しそうだった。
これからサンドラが、中華丼全体の三分の一を食べ切ってしまうのは、また別のお話。
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