底辺召喚士の俺が召喚するのは何故かSSSランクばかりなんだが〜トンビが鷹を生みまくる物語〜

第四章

魔王ソフィア

「ご主人様、本当に良かったのか……？」

「当たり前だろ、エルネ。俺たちはエルネに何度も助けられてきたんだから、断っていいはずがないよ」

　ウィルたちは、魔王城に行くことを決めるとすぐに出発し、今はその道中だ。

　反対的な意見だったレフィーとリリも、ウィルが同行を決めたことによって着いてきている。

　ウィルの理由を聞けば、文句を言うことも出来なかった。

「さすが儂のご主人様じゃな！　お主を信じて良かったわい」

「本当に信じてたか……？」

「勿論じゃ！　ほれ、ご主人様の望み通り抱っこしてやるぞ」

「そんな望みを言った覚えはない！」

　先程までのしょんぼりとした雰囲気はどこへ行ったのか。
　エルネはいつにもなくハイテンションな状態だった。


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「ソ、ソフィア様！　大変です！　とてつもない反応の人たちが魔王城に向かって来てます！」

「え!?　だ、大丈夫ですか!?　私、寝起きなんですけど！」

「分かりません！　でも、ソフィア様しか頼れる人はいませんっ！」

「えぇ!?　私なんて無理ですよぉ……人間が相手でも怖いのにぃ……」

「ソフィア様は魔王なんですから、もっと自信を持ってください！」

　人間の国から少し離れた所にある魔王城では、ドタバタと侵略者対策を行っていた。

　しかし、侵略者対策といっても、ぐっすりとベッドで気持ちよさそうに眠っていたソフィアを起こしたくらいである。

　この魔王城は、外観がかなり凝っているため、人間や普通のモンスターは近付いてこない。

　つまり、外観で安寧を守っていたため、それが通じない相手にはどうしてよいのか分からないのだ。

　魔王城の主であるソフィアも、魔王としてはまだまだ半人前であり、そこら辺にいるモンスターといい勝負をするくらいの実力。

　それなりに力を持った相手には、瞬殺されてしまうだろう。

「はぅー、全然戦えるコンディションじゃないです……」

「それはソフィア様が食っちゃ寝してるからですよ！　こんなにだらしない体になっちゃって！」

「な、何を言うんですか！　別に私は太ったことをコンディションが悪いと言ってるわけではありません！」

　ソフィアの下僕であるレレーナは、ソフィアのだらしない脇腹をムニッと掴む。
　レレーナの予想通り、ソフィアの脇腹は掴みやすくなっていた。


　軽い怒りを覚えているレレーナに対して、恥ずかしい所を見られたソフィアは、顔を赤くして反撃する。

　それは、レレーナの頬を掴んで四方八方にこねくり回すという、可愛らしい反撃だった。

　侵略者が来ているというのに、ソフィアとレレーナの醜い争いがベッドの上で行われていた。