1 / 1
一章
01.悪女は恐怖を知る
しおりを挟む「え、え、えっと……??」
「ありがとう。本当にありがとうラビア様」
手を握ったまま、腕を上下にゆすられる。
「あ、あの……?リリー、いや、リリーさん……?」
呼び捨てで呼ぶことを恐れ始めるラビア。
「今までラビアに何度平手打ちしてやろうかと思ったことか……。あの時の私が間違っていましたわ……!!」
「え……?えぇ……?(私、ビンタされかけてたの……??)」
「こんなに素晴らしいお方だったなんて!!」
動揺を隠し切れないラビア。
歓喜に震えるリリー。
「人は苦しむ時こそより一層輝きを放ち!死を迎える時こそ完全体であると言えますわ!!」
「ぉ、おぅ"ん……」
喉をどうしたらそんな声が出るのかというほど奇妙な相槌。
誰か助けてくれ、どうしてこうなった。
私は男どもをドMに調教しただけなのに。()
『スマホ落とした◯けなのに』みたいになってしまったのは何故だ……。
泣きたい。
「ラビア殿、ここにおられましたか!」
このカオスな状況に突如として現れたのは、リリーの幼馴染・ブルーだ。
「是非とも俺を踏んでくださいっ!!!」
直 角 90 度。
「その役、私が代わりに引き受けましょう!」
「えっ…リリー?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
タイミング最悪!!どうして今きた!?永久睡眠させてやろうかおいぃぃぃ!!
努力が仇にあるってどういう事だろうか。
前世極悪犯罪者だったのかってくらい今世最悪なのですが!?
「うふふふふ!!さぁ跪け!ブルーぅ?贅沢な名前ね!お前は今日から椅子。分かったわね、椅子!」
「とぅんく……はいっご主人様!!」
「とぅんく、じゃなぁぁぁいっ!!」
乗り換えが早すぎる!
私だってご主人様って呼びされた事ないのに。
ラビア殿呼びなのにっ!
って、いかんいかん。
変な対抗心を燃やすな私。
私は悪女なんだから、完璧な対応をしなければっ!!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。

聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる