2 / 3
一章
弍.惑
しおりを挟む
「はっ。もうこんな時間だ!次のストーリーに間に合わない!」
時計を確認したルゥラが声を上げる。
「まったく、ヒロインは忙しいのぉ」
「主人公だから当たり前でしょ」
この子いないとストーリー展開しないよ??
「リリデアの出番もあるんだ!はやく行くぞ!」
手を掴んで走り出すルゥラ
「ぐぇっ!?」
「急げ!」
私の体……いや、リリデアの体?でもリリデアもある意味私の体か。とにかく、されるがままになっている
「音速で走るヒロインは嫌だ……」
そこから5分ほど走り続けると、どこから叫び声が聞こえた
「おっ、フラワーガーデン、ここだな」
ついた場所は、花咲き乱れる庭園
「はぁ、つ、ついた……?」
物陰からフラワーガーデンの方を伺うと、そこには鋭い尖った目のイケメンと、長い髪をゆるく結んだ爽やかイケメンがいた
周りには、キャッキャウフフな女子達
「あっちの目つきが悪い方がこの国の王子のランビアで、長い髪のやつがその幼馴染のシャーロット。まぁ、両方私らの仲間で転生者なんだけど」
あいつらもかよ……
「そんで、私は今からランビアにこのハンカチを渡しに行く。あいつがわざと落としたやつだ」
ポケットからハンカチを取り出す
「さっき間違えて使って濡れてるけど、ま、いっか」
「よくねぇよ」
きたねぇな
「リリデアは、私が渡しに行く途中でわざとぶつかってくるんだ。私はこけて、ランビアに助けられる。あいつに助けられるとか死ぬほど癪だけど、助けられる。本当に切腹したいほど嫌だけど、助けられる。手を握られて、助けられる。あ、待って吐きそう」
「……切実」
ここまでくると、ランビアが可哀想になってくる
「じゃ、言ってくるわ!」
ぱっと表に出て、さりげなくアイコンタクトをする3人
そしてすぐさま視線を外し、ハンカチを胸に握りしめたルゥラはきょろきょろと辺りを見回す
……いや、すぐ目の前にいるからキョロキョロせんでも分かるだろ
シチュエーションなんだろうけどさ
「あー!リリデア様!」
「え」
「もうっ!探しましたよぉ!」
突如現れた2人組
失礼だけど、いかにもなモブ顔だな
今世の自分の顔が綺麗すぎてそう思えるのかもしれないが
「ルゥラのやつ、またランビア様の周りをうろうろと……」
「あのハンカチを渡そうと探してるに違いありませんよ!」
探さんでも見えるって
目の前いるじゃん。ねぇ!!!
「「行きましょ!!」」
「あ、うん……」
ばっ、とルゥラの前に立ち塞がる
えっと、うーん。なんて言えばいいんだろ
「ど平民がこんなところにいますわぁ!」
「まぁ!不釣り合いにも程がありましってよ!!」
うん。なんて言うか……
側近の雑魚感が拭えません(泣)
時計を確認したルゥラが声を上げる。
「まったく、ヒロインは忙しいのぉ」
「主人公だから当たり前でしょ」
この子いないとストーリー展開しないよ??
「リリデアの出番もあるんだ!はやく行くぞ!」
手を掴んで走り出すルゥラ
「ぐぇっ!?」
「急げ!」
私の体……いや、リリデアの体?でもリリデアもある意味私の体か。とにかく、されるがままになっている
「音速で走るヒロインは嫌だ……」
そこから5分ほど走り続けると、どこから叫び声が聞こえた
「おっ、フラワーガーデン、ここだな」
ついた場所は、花咲き乱れる庭園
「はぁ、つ、ついた……?」
物陰からフラワーガーデンの方を伺うと、そこには鋭い尖った目のイケメンと、長い髪をゆるく結んだ爽やかイケメンがいた
周りには、キャッキャウフフな女子達
「あっちの目つきが悪い方がこの国の王子のランビアで、長い髪のやつがその幼馴染のシャーロット。まぁ、両方私らの仲間で転生者なんだけど」
あいつらもかよ……
「そんで、私は今からランビアにこのハンカチを渡しに行く。あいつがわざと落としたやつだ」
ポケットからハンカチを取り出す
「さっき間違えて使って濡れてるけど、ま、いっか」
「よくねぇよ」
きたねぇな
「リリデアは、私が渡しに行く途中でわざとぶつかってくるんだ。私はこけて、ランビアに助けられる。あいつに助けられるとか死ぬほど癪だけど、助けられる。本当に切腹したいほど嫌だけど、助けられる。手を握られて、助けられる。あ、待って吐きそう」
「……切実」
ここまでくると、ランビアが可哀想になってくる
「じゃ、言ってくるわ!」
ぱっと表に出て、さりげなくアイコンタクトをする3人
そしてすぐさま視線を外し、ハンカチを胸に握りしめたルゥラはきょろきょろと辺りを見回す
……いや、すぐ目の前にいるからキョロキョロせんでも分かるだろ
シチュエーションなんだろうけどさ
「あー!リリデア様!」
「え」
「もうっ!探しましたよぉ!」
突如現れた2人組
失礼だけど、いかにもなモブ顔だな
今世の自分の顔が綺麗すぎてそう思えるのかもしれないが
「ルゥラのやつ、またランビア様の周りをうろうろと……」
「あのハンカチを渡そうと探してるに違いありませんよ!」
探さんでも見えるって
目の前いるじゃん。ねぇ!!!
「「行きましょ!!」」
「あ、うん……」
ばっ、とルゥラの前に立ち塞がる
えっと、うーん。なんて言えばいいんだろ
「ど平民がこんなところにいますわぁ!」
「まぁ!不釣り合いにも程がありましってよ!!」
うん。なんて言うか……
側近の雑魚感が拭えません(泣)
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
獣化の呪いを受けた騎士があまりにも可愛すぎる件
鈴元 香奈
恋愛
王太子夫妻を救うため、魔女の呪いを受け獣化してしまった騎士が辺境の町にやって来る。
騎士団独身寮の管理をしている一家の娘アニカは、不安を感じながらも、不幸な境遇の彼に少しでも快適に過ごしてもらいたいと思っていた。
ケモミミと尻尾が生えてしまったせいで地方に飛ばされた騎士と、長閑な町に暮らす娘の物語。
*小説家になろうさんにも投稿しています。
表紙人物イラスト:tatsukimeg様(イラストAC)背景:うどん様(イラストAC)よりお借りしております。
長女は悪役、三女はヒロイン、次女の私はただのモブ
藤白
恋愛
前世は吉原美琴。普通の女子大生で日本人。
そんな私が転生したのは三人姉妹の侯爵家次女…なんと『Cage~あなたの腕の中で~』って言うヤンデレ系乙女ゲームの世界でした!
どうにかしてこの目で乙女ゲームを見届け…って、このゲーム確か悪役令嬢とヒロインは異母姉妹で…私のお姉様と妹では!?
えっ、ちょっと待った!それって、私が死んだ確執から姉妹仲が悪くなるんだよね…?
死にたくない!けど乙女ゲームは見たい!
どうしよう!
◯閑話はちょいちょい挟みます
◯書きながらストーリーを考えているのでおかしいところがあれば教えてください!
◯11/20 名前の表記を少し変更
◯11/24 [13] 罵りの言葉を少し変更
スキル【コールセンター】では知識無双もできません。〜残念ヒロインとギルドシェア爆上げ旅〜
マルジン
ファンタジー
✩✩ファンタジー小説大賞✩✩
✩✩✩✩参加中です!✩✩✩✩
目次ページの、あらすじ上部(アプリは下部)に投票ボタンがありますので、何卒、ポチッとお願いします!
下ネタ(エロシーン含む)89%、ギャグ10%、残り1%は設定厨に贈る。
GL(百合)あり、BL(薔薇)あり、下ネタ満載のドちゃくそギャグファンタジーが花開く、アホのためのアホ物語。
〜あらすじ〜
残念すぎるヒロインたち。弱小ギルド。謎スキル。
召喚されたへたれ主人公が、世界の覇権を握る(ハーレムを作って童貞卒業)ために奔走する……。
けど、神の試練といたずらが、事あるごとに邪魔をする。
主人公は無事にご卒業できるのかッ!?(ムリ)
ハーレムを作れるのかッ!?(笑)
ちょっとグロめでそこそこエロめ。
百合やら薔薇やらSMやら。
なんでもござれのファンタジーギャグコメディ!
ぜひぜひ読んでくださいよぉッ!
【投稿時間】
毎日、夕18時投稿です。
基本的に一話投稿です。
(タイトル「第◯ー△話」の◯部分が話数です)
✩✩8/30まで毎日3話投稿します!✩✩
✩✩それ以降は毎日1話です!✩✩
※タイトルの「第◯ー△話」は、文字数調整の都合で分割するためのナンバリングです。気にしないでください。
※文字数1,500〜2,500ぐらいに調整してます。変な感とこで、1話がぶつ切りされるかもしれませんが、それはすみません。
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿しています。
※表紙画はAIで生成したものです。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
どうしようもないヤンキーだった俺の転生物語。回復職なのに前線でバトルしまくる俺は、いつしか暴れ僧侶と呼ばれているようです。
蒼天万吉
ファンタジー
モンスターや魔法が溢れるファンタジーな世界に転生してきたアマタは元超絶ヤンキー。
女神の使いに与えられた加護を使って人々を癒す、僧侶になったものの……
魔法使いのルルがと共に、今日も前線で戦っているのでした。
(小説家になろうにも掲載しております。)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
100年間囚われの身になった最強ヒーラーと戦姫の国落とし
松村レイ
ファンタジー
アライシンヤはイスタニア王国のヒーラーだったが、国王殺しの大罪から牢獄に監禁される。
いつの日かブラック・シーカーと呼ばれるようになっていた。
それから100年後、敵国の王姫アリス・アークボルトに助けられる。
現最強のヒーラーと呼ばれるシンヤはアークボルト王国へ招かれるが‥
異世界転移~治癒師の日常
コリモ
ファンタジー
ある日看護師の真琴は仕事場からの帰り道、地面が陥没する事故に巻き込まれた。しかし、いつまでたっても衝撃が来ない。それどころか自分の下に草の感触が…
こちらでは初投稿です。誤字脱字のご指摘ご感想お願いします
なるだけ1日1話UP以上を目指していますが、用事がある時は間に合わないこともありますご了承ください(2017/12/18)
すいません少し並びを変えております。(2017/12/25)
カリエの過去編を削除して別なお話にしました(2018/01/15)
エドとの話は「気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ」にて掲載させてもらっています。(2018/08/19)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる