僕の彼氏はヤンデレ

ゆか

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知らない場所

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「んっ…?ここ…は?」


そうだ、さっきの男は!?


あの男が持っていたスマホの画面を見てからの記憶が無い。


「誰もいない…」


目が覚めた部屋は真っ暗。


僕の声が一人寂しく聞こえる。


「…虎。」


真夏なのに寒い。


この部屋、とても寒い。


「ど、どうしよ…」


コツ…コツ…コツ…


「!!」


誰かが近づいてきている音?


怖い、隠れないと!!


僕は部屋を見渡した。


クローゼットがあったから、その中に急いで隠れた。


キィー…


パタン…


?「おや?誰もいない??」


怪しい男「そ、そんなことは!!」


?「うーむ…逃げたとは限らない。」


?「例えば…どこかに隠れているとか。」


怪しい男「怪しい所といえば…クローゼット!!」


?「開けてみよう。」


キィー…


「っぁ…!」


?「ほーら、ビンゴだ。」


怪しい男「出てこい!!」


グイッ


「いたッ…!」


?「こーら、乱暴に扱ったら虎くんの怒りに触れちゃうでしょ?」


?「それに…虎くんを怒らしたらどうなるか、君、知らない?」


怪しい男「い、いえ!存じ上げております!!」


?「全く…」


?「…ねぇ、どうして隠れていたの?」


「ヒッ…!」


?「大丈夫だよ、僕は味方。」


?「君に酷いことはしないから、安心して?」


「あ、あなたは…?」


怪しい男「おい!!敬語を…!!」


?「うるさいよ、君。とっとと失せて。」


怪しい男「すっ、すみません!!」


タッタッタッ


キィー…


パタン…


?「…君、虎くんの恋人の夜黒くんでしょ?」


「な、なんで僕の名前を…??」


?「あっー…やっぱり、虎くん話してなかったんだ。」


?「僕は、虎くんの弟の狼(おおかみ)!」


狼「訳あってこっちの組にいるけど…いずれはここから抜け出す予定だよ。」


狼「あっ、こっちでの名前は多神(おおかみ)だよ!」


虎くんに弟…!?


嘘…!!だって虎くんそんなこと一言も…!!


狼「まぁ、今はそんな事よりも…夜黒くん。早くここから逃げないと、君の命は無いに等しい。」


「逃げるって言ったって…どうやって!?」


狼「方法は一つ、僕が君を虎くんの元に連れて行くこと。」


狼「大丈夫、僕この組で一番強いから!」


不安だ、本当に帰れるの?


こんな寒い所から出られるの?


本当に?


「ほん…とう…?」


狼「うん、嘘はつかないよ。今ここで誓うから。」


「…僕、虎くんの元には帰りたくない!!」


「新しい居場所を作りたい!!」


狼「もちろん、虎くんには内緒だよ。」


狼「君を逃すには準備が必要だ、待ってて。すぐに準備するから!」


そう言って、狼君は立ち上がって部屋から出て行った。


「…お願い、神様。」


「僕のお願い事を聞いて?」


「僕のお願い事は…」


「虎と僕の関係を断つこと。」


ねぇ、神様。


聞こえていますか?


あなたが聞こえていなくても。


僕は前へと進むから。
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