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第一章【それぞれの冒険】
case7❲アストの能力❳
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擬態建物虫は真っ黒で大きな、体長三十メートルくらいのお城に化けている虫型のモンスターで、城の入口は牙が剥き出し長い舌を自在に動かしている。城を支える場所からまるで百足のように無数の触手が見え、いつの間にか窓の全部が目に変わっていた。わたし、キャルはマジでキモいの無理なんだよー!
アストはいつも愛用の剣と銃を腰に提げているけど、今はは右手に銃、左手に剣をビルディックに向けて構えている。
アストの職業は銃剣士であり、アストの能力は……
「ギャルルリャァァ!!」
突然、洞窟内にビルディックの雄叫びが響き渡った。わたし達は咄嗟に耳を塞ぐ。
ビルディックの舌がアストに向かって攻撃を開始する。アストは避けるとごろか銃を何発と発泡しながら、ビルディックへと全身する。ビルディックの舌は銃弾を浴びながらもアストへと威嚇する。
更にアストは舌だけでなく、窓の目や百足のような触手へと発泡し、ビルディックは少しずつ後退していく。致命傷はないけど、少しずつビルディックの体力を削り、アストは襲って来た舌をかわして、舌の上を疾走した。
「ボクはー♪強ーい、強くてーたくまーしいー♪」
戦闘中なのにアストはヘンテコ歌を熱唱しながら、剣を振り上げ、ビルディックを一刀両断する。
「マジでアイツひとりでやっつけんじゃねぇ?」
ピットが苦笑いしながら答える。
「いや、あの巨大な建物害虫は意外と頑丈だ。クリンヒットがない」
「確かにね」
パラガスの発言にエリアが頷く。
「んん……、アストくんの能力なら、大丈夫だよ」
ミレアが呟くとわたしを含めたみんなが頷いた。
アストの能力、それは……
「ボクの剣と銃!♪、んーん、はっ!♪」
アストが持つ剣と銃がいきなり空中で分解しだした。更に剣と銃がひとつに交わり、ひとつの物体を造る。
見た目はライフル銃でありながら、鞘にトリガー、鋼鉄の剣先が出来上がり、ひとつの銃剣へと変わったの。
銃剣アスタロトーー。アストはそう呼んでいるんだ。
そしてアストの能力は【創造】と言って物を想像して実現し、創造する能力なんだ。なんかちょっとややこしいけど……
「こうなってしまったら、お城怪獣おしまい!はい終了!はいお陀仏!んーはっ♪」
アストのウザい発言に、ビルディックは怒り狂い舌を右往左往に攻撃して来た。
アストは巧みに避け、ビルディックの塔のような頭の天辺に駆け上がり、銃剣アスタロトを振り上げた。
「トリガーブレイバー!!!!」
アストの必殺技がビルディックの脳天に直撃する。剣先がビルディックに当たると同時にトリガーを弾くと同時に凄まじい爆発がおき、ビルディックはバラバラに散らばり、即死した。
わたし以外のみんなは、また心のない拍手をし、アストを簡単に労う。
「なんか、心込もってない!ボクの瞬殺勝利をもっと崇めろ!称えろー!」
わたし達に近づくアストが膨れっ面を見せる。
「ねぇキャル、ボクのこと、惚れ直した?ボクは昨日のボクよりもキャルが好きだよ」
「もう!」
ちゃらんぽらんなのか真剣なのか、アストの告白にわたしは膨れっ面を見せた。
アストって軽いのか、真面目なのか、それともただのバカだけなのか……、やっぱりただのバカだね。
「うお?なんかキモモンスターの中からなんか出て来た!」
いきなりピットがビルディックの亡骸の方へと指をさした。
「なんかちっこいのがいる!」
更にパラガスが答える。
それは黒い物体でビルディックの粘液まみれになっていたけど、よくみればわたし達の身長の半分くらいしかない。
「なに、ちょっと象の赤ちゃん?」
それは黒い子供の象のように長い鼻、顔を隠すくらいの耳、四足でゆっくり、まるで産まれたばかりの赤ちゃん象が立ち上がる感じ、象の赤ちゃんの影だった。
「可愛い~!」
わたしが粘液まみれとはいえ、象の赤ちゃんを見て微笑んだ。
「んん……、久しぶり、キーカンバー」
ミレアが唐突に象に向かって言い、わたし達全員がミレアの顔へと集中する。
「……うん、久しぶり、ミレア」
「「「「「エエエエ~っ!!!!」」」」」
いきなり象の赤ちゃんが喋りだし、わたし達は鳩が豆鉄砲を食らったように驚きの声をあげた。
よく見れば、子象の顔は本来語られる一般的な龍の顔であり、尻尾も龍の尻尾だった。
この子象みたいな小さいのが、あの龍地球最強と言われる十龍の一頭、闇龍キーカンバー?
闇龍って言うからには、もっと大きくて凶悪な龍を想像していたんだけど……
「どうしてキーカンバーはぬるぬるしてるの?」
ミレアが無表情で質問する。
「あのね、笑わないでね」
キーカンバーが何故か照れた仕草でミレアに言うと、ミレアは無言で頷いた。
「ぼくね、転生したらすぐに、お城お化けに食べられちゃったんだ、エヘヘ……」
「「「「「エエエエ~っ!!!!!」」」」」
ミレア以外のわたし達はキーカンバーの発言にただビックリした。
アスト・シーア 16歳。
職業は高校二年生兼銃剣士
能力は創造能力の持ち主。物と物を手にし、想像した物を思った通りに創造する能力を使う。ただし、手にした物限定であり、想像が複雑だと創造出来ない。
アストはいつも愛用の剣と銃を腰に提げているけど、今はは右手に銃、左手に剣をビルディックに向けて構えている。
アストの職業は銃剣士であり、アストの能力は……
「ギャルルリャァァ!!」
突然、洞窟内にビルディックの雄叫びが響き渡った。わたし達は咄嗟に耳を塞ぐ。
ビルディックの舌がアストに向かって攻撃を開始する。アストは避けるとごろか銃を何発と発泡しながら、ビルディックへと全身する。ビルディックの舌は銃弾を浴びながらもアストへと威嚇する。
更にアストは舌だけでなく、窓の目や百足のような触手へと発泡し、ビルディックは少しずつ後退していく。致命傷はないけど、少しずつビルディックの体力を削り、アストは襲って来た舌をかわして、舌の上を疾走した。
「ボクはー♪強ーい、強くてーたくまーしいー♪」
戦闘中なのにアストはヘンテコ歌を熱唱しながら、剣を振り上げ、ビルディックを一刀両断する。
「マジでアイツひとりでやっつけんじゃねぇ?」
ピットが苦笑いしながら答える。
「いや、あの巨大な建物害虫は意外と頑丈だ。クリンヒットがない」
「確かにね」
パラガスの発言にエリアが頷く。
「んん……、アストくんの能力なら、大丈夫だよ」
ミレアが呟くとわたしを含めたみんなが頷いた。
アストの能力、それは……
「ボクの剣と銃!♪、んーん、はっ!♪」
アストが持つ剣と銃がいきなり空中で分解しだした。更に剣と銃がひとつに交わり、ひとつの物体を造る。
見た目はライフル銃でありながら、鞘にトリガー、鋼鉄の剣先が出来上がり、ひとつの銃剣へと変わったの。
銃剣アスタロトーー。アストはそう呼んでいるんだ。
そしてアストの能力は【創造】と言って物を想像して実現し、創造する能力なんだ。なんかちょっとややこしいけど……
「こうなってしまったら、お城怪獣おしまい!はい終了!はいお陀仏!んーはっ♪」
アストのウザい発言に、ビルディックは怒り狂い舌を右往左往に攻撃して来た。
アストは巧みに避け、ビルディックの塔のような頭の天辺に駆け上がり、銃剣アスタロトを振り上げた。
「トリガーブレイバー!!!!」
アストの必殺技がビルディックの脳天に直撃する。剣先がビルディックに当たると同時にトリガーを弾くと同時に凄まじい爆発がおき、ビルディックはバラバラに散らばり、即死した。
わたし以外のみんなは、また心のない拍手をし、アストを簡単に労う。
「なんか、心込もってない!ボクの瞬殺勝利をもっと崇めろ!称えろー!」
わたし達に近づくアストが膨れっ面を見せる。
「ねぇキャル、ボクのこと、惚れ直した?ボクは昨日のボクよりもキャルが好きだよ」
「もう!」
ちゃらんぽらんなのか真剣なのか、アストの告白にわたしは膨れっ面を見せた。
アストって軽いのか、真面目なのか、それともただのバカだけなのか……、やっぱりただのバカだね。
「うお?なんかキモモンスターの中からなんか出て来た!」
いきなりピットがビルディックの亡骸の方へと指をさした。
「なんかちっこいのがいる!」
更にパラガスが答える。
それは黒い物体でビルディックの粘液まみれになっていたけど、よくみればわたし達の身長の半分くらいしかない。
「なに、ちょっと象の赤ちゃん?」
それは黒い子供の象のように長い鼻、顔を隠すくらいの耳、四足でゆっくり、まるで産まれたばかりの赤ちゃん象が立ち上がる感じ、象の赤ちゃんの影だった。
「可愛い~!」
わたしが粘液まみれとはいえ、象の赤ちゃんを見て微笑んだ。
「んん……、久しぶり、キーカンバー」
ミレアが唐突に象に向かって言い、わたし達全員がミレアの顔へと集中する。
「……うん、久しぶり、ミレア」
「「「「「エエエエ~っ!!!!」」」」」
いきなり象の赤ちゃんが喋りだし、わたし達は鳩が豆鉄砲を食らったように驚きの声をあげた。
よく見れば、子象の顔は本来語られる一般的な龍の顔であり、尻尾も龍の尻尾だった。
この子象みたいな小さいのが、あの龍地球最強と言われる十龍の一頭、闇龍キーカンバー?
闇龍って言うからには、もっと大きくて凶悪な龍を想像していたんだけど……
「どうしてキーカンバーはぬるぬるしてるの?」
ミレアが無表情で質問する。
「あのね、笑わないでね」
キーカンバーが何故か照れた仕草でミレアに言うと、ミレアは無言で頷いた。
「ぼくね、転生したらすぐに、お城お化けに食べられちゃったんだ、エヘヘ……」
「「「「「エエエエ~っ!!!!!」」」」」
ミレア以外のわたし達はキーカンバーの発言にただビックリした。
アスト・シーア 16歳。
職業は高校二年生兼銃剣士
能力は創造能力の持ち主。物と物を手にし、想像した物を思った通りに創造する能力を使う。ただし、手にした物限定であり、想像が複雑だと創造出来ない。
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