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第1章〔地球編〕
09.空から飛来する者
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私達は東京へと移動していた。辺りを見渡せば野原と山々と湖やら川、遠くから富士山といった大自然が広がっている。
今、移動している場所は静岡県。
私とまゆはバイクスタイルに変型したそれぞれのWEGSでゆっくりとゆっくりと東京へと向かっていた。
時間はちょうど正午で、太陽が大空の天辺に位置している。気持ちいい五月の晴れだった。
「ちょっとキアト、もうちょっとゆっくり行こうよ!」
「キアト、何体かのWEGSが遅れているって」
私とまゆが三十メートルは離れたキアトに注意する。
キアトは剣歯虎モデルのWEGS、バルエースに跨がって移動している。
バルエースは私の相棒のWEGS、一角白馬モデルのバージンロードや、まゆの相棒の天馬モデルのヘブンズガールと違ってバイクスタイルになってない。
余談だけど、WEGSには様々なスタイルに変型できるんだ。
私やまゆのWEGSのようにバイクスタイルに変型できるWEGSもいれば、ジェット機や車や人型に変型できるWEGSも存在するの。
また大体のWEGSにスーツスタイルと呼ばれる相棒のストライダーの身を覆う、鎧のような防具のようなスタイルにもなる。スーツスタイルになれば宇宙空間や別の星でも動ける、例えるなら戦える宇宙服のような物にもなるんだ。
話しがそれたけど、キアトは私とまゆの文句に速度を落とした。
「キアト、ちょっと休憩しようよ、WEGS達が遅れているし……」
「そうだよ、WEGS達がかわいそうだよ」
私とまゆの更なる文句にキアトはバルエースを停止させた。キアトの顔は無表情。
「何、その態度?」「自分だけ早く行くつもり?」
「「サイテー!」」
私とまゆの口撃にキアトの額の血管が浮き出る。
「うるせぇ!大体、おめぇら何で着いてくるんだよ!」
「あっ、サイテー!キアトのバカ!」「何でそんな意地悪なこと言うの!?キアトキアホ!」
「うるせぇ、ブス!チビ!ボケ女!」
その一言に私とまゆが間髪入れずに、キアトの顔面にダブルパンチを食らわると、キアトは鼻血を吹き出し、その場で倒れた。
私とまゆに勝とうなんて百万年早いわ!可愛い私達はブスじゃないから!
「遅れているWEGSを待つ……」
キアトは涙目で鼻を押さえながら呟くように答えた。最初からそう言えばいいのにね。
「言い訳じゃねぇけど、アイツら見捨てるわけねぇだろ?全員、東京へ連れて行く。アイツらはもうオレの友達だ」
キアトが私とまゆに答えると、バルエースがキアトを見つめた。
「すまないキアト……、キアトと呼ばせてもらう。私はキアトを誤解していたようだ」
「当たり前じゃない、キアトは例え動かない、生き物で言えば死んでる状態のWEGS達を何年も何ヵ月も治していたんだから……」
「キアトは優しいんだよ!キアトはまゆの王子様な……」
まゆの一言に私は睨みを効かせ黙らせた。
「……、おい、なんか聞こえねぇか?」
突然、キアトが周りの異変に気付き、辺りを見回す。
「東の上空からだ」
バルエースの一言に全員が雲が広がる東の空へと視線を向けた。
確かに音がする。音はだんだんと大きくなり、そして雲からとても大きな物体が出て来た。
「なんだ?あのでっけぇのは?」
「鯨……さん?」
キアトとまゆが驚きを口にした。
遠く離れた雲の中からとてもとても大きな鯨のような物体が現れた。
「なんか、こっちに来ないか?」
キアトが言う。確かにこちらに近寄ってくる感じ。
「あれは世界第二位の大きさを持つWEGS」「宇宙空母マザーウィッチ・マルク」
バージンロードとヘブンズガールが呟く。確かにあれは学校の現代史に出てくる有名なWEGSであり、そしてその相棒は、かの有名な……
「ワールド13の一人、沖田仙道の所有するWEGSだ」
バルエースが私が次に言おうとした台詞を言った。
今、移動している場所は静岡県。
私とまゆはバイクスタイルに変型したそれぞれのWEGSでゆっくりとゆっくりと東京へと向かっていた。
時間はちょうど正午で、太陽が大空の天辺に位置している。気持ちいい五月の晴れだった。
「ちょっとキアト、もうちょっとゆっくり行こうよ!」
「キアト、何体かのWEGSが遅れているって」
私とまゆが三十メートルは離れたキアトに注意する。
キアトは剣歯虎モデルのWEGS、バルエースに跨がって移動している。
バルエースは私の相棒のWEGS、一角白馬モデルのバージンロードや、まゆの相棒の天馬モデルのヘブンズガールと違ってバイクスタイルになってない。
余談だけど、WEGSには様々なスタイルに変型できるんだ。
私やまゆのWEGSのようにバイクスタイルに変型できるWEGSもいれば、ジェット機や車や人型に変型できるWEGSも存在するの。
また大体のWEGSにスーツスタイルと呼ばれる相棒のストライダーの身を覆う、鎧のような防具のようなスタイルにもなる。スーツスタイルになれば宇宙空間や別の星でも動ける、例えるなら戦える宇宙服のような物にもなるんだ。
話しがそれたけど、キアトは私とまゆの文句に速度を落とした。
「キアト、ちょっと休憩しようよ、WEGS達が遅れているし……」
「そうだよ、WEGS達がかわいそうだよ」
私とまゆの更なる文句にキアトはバルエースを停止させた。キアトの顔は無表情。
「何、その態度?」「自分だけ早く行くつもり?」
「「サイテー!」」
私とまゆの口撃にキアトの額の血管が浮き出る。
「うるせぇ!大体、おめぇら何で着いてくるんだよ!」
「あっ、サイテー!キアトのバカ!」「何でそんな意地悪なこと言うの!?キアトキアホ!」
「うるせぇ、ブス!チビ!ボケ女!」
その一言に私とまゆが間髪入れずに、キアトの顔面にダブルパンチを食らわると、キアトは鼻血を吹き出し、その場で倒れた。
私とまゆに勝とうなんて百万年早いわ!可愛い私達はブスじゃないから!
「遅れているWEGSを待つ……」
キアトは涙目で鼻を押さえながら呟くように答えた。最初からそう言えばいいのにね。
「言い訳じゃねぇけど、アイツら見捨てるわけねぇだろ?全員、東京へ連れて行く。アイツらはもうオレの友達だ」
キアトが私とまゆに答えると、バルエースがキアトを見つめた。
「すまないキアト……、キアトと呼ばせてもらう。私はキアトを誤解していたようだ」
「当たり前じゃない、キアトは例え動かない、生き物で言えば死んでる状態のWEGS達を何年も何ヵ月も治していたんだから……」
「キアトは優しいんだよ!キアトはまゆの王子様な……」
まゆの一言に私は睨みを効かせ黙らせた。
「……、おい、なんか聞こえねぇか?」
突然、キアトが周りの異変に気付き、辺りを見回す。
「東の上空からだ」
バルエースの一言に全員が雲が広がる東の空へと視線を向けた。
確かに音がする。音はだんだんと大きくなり、そして雲からとても大きな物体が出て来た。
「なんだ?あのでっけぇのは?」
「鯨……さん?」
キアトとまゆが驚きを口にした。
遠く離れた雲の中からとてもとても大きな鯨のような物体が現れた。
「なんか、こっちに来ないか?」
キアトが言う。確かにこちらに近寄ってくる感じ。
「あれは世界第二位の大きさを持つWEGS」「宇宙空母マザーウィッチ・マルク」
バージンロードとヘブンズガールが呟く。確かにあれは学校の現代史に出てくる有名なWEGSであり、そしてその相棒は、かの有名な……
「ワールド13の一人、沖田仙道の所有するWEGSだ」
バルエースが私が次に言おうとした台詞を言った。
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