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第1章〔地球編〕
24.その名はヒロヤ
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警察官、軍隊、報道関係者等の人々を掻い潜り、私達は仙道さんの後に続いた。
私……、神代ひろなと一角白馬モデルのバージンロード、香川まゆと天馬のヘブンズガール、中條輝と獅子鷲のインディアン・オーラ。
さらに初めて目にする須藤勇矢のWEGS、スフィンクスのリドルディードと葉山くるみの麒麟モデルのコバルトラヴァ、未室愛亞の女王蜘蛛モデルのラストクィーン。
最後に未室希跡と、まだキアトの相棒ではないけど、剣歯虎モデルのバルエースがバイオロイドパークへと入場した。
「仙道さん、マルクはどうすんだよ?」
「当然、マルクは待機だ。あんなに大きなマルクでは、いい標的になるしね」
キアトの問いかけに仙道さんが静かに答えると、後方、マルクの中から一体の赤く輝く竜型WEGSが飛び出てきた。
「僕の六体の相棒の一体、炎竜モデルのシューティンバース」
大きな翼、色合い、まるでかつて私達が大好きだったWEGSを思い出す造りだった。
「かっこいいじゃねぇか~!」
キアトの感想に仙道さんは一瞬だけ頬笑み、そして前方を見上げた。
巨大スクリーンの先には何があるんだろう?
私達は大きな広場を堂々と歩き始めた。
二、三十歩歩くと突然、巨大スクリーンの裏から突然、大きな物体が私達の前に物凄い音と振動をあげ、前へと立ち塞がった。
「トム・セッツガーの横にいたWEGSだな……」
「ミノタウロス?」
仙道さんとユウヤが呟く。その物体は紛れもなくWEGS。茶色いボディー、頭が牛、身体が人型で両手で大きな柄のついたハンマーを持つ鋼鉄のWEGSだった。
「トム・セッツガーの側近、ボルガのWEGS……、名前は確か……ガイガードだったはず……」
仙道さんはそう答え身構えるとキアト達も身構えた。
「仙道さん、なんであのWEGS、相棒を道づれ自爆しないの?明らかにトムって人も、そのボルガって人も悪いことしているのに?」
私は疑問を口にした。
「そんなの改造したに決まっているよ、さあ、キミ達はどこかに避難して、僕がヤツを倒すから」
仙道さんのちょっと冷たい発言に、私やまゆ、くるみが適当な場所に避難しようとすると、何故かキアトとあっちゃがガイガードを睨みながら話していた。
「ちょっと、キアト、あっちゃ、隠れよって!」
「……当たりめぇだ!」
私の声を全く聞いてないキアトがあっちゃに怒鳴るように答えた。
「じゃあ、あの牛頭、キア兄一人で倒してみてよ、もちろん、バルエースの協力なしでね」
「ちょっとキアトもあっちゃも何を言ってるの?」
キアトとあっちゃの会話にまゆが泣きそうな表情で反論した。
「何って?キア兄が一人であのWEGSを「キアト一人じゃムリだ!」
あっちゃの言葉に仙道さんが反論した。当然、この兄妹の提案に賛成する人もWEGSもいなかった。
「ムリじゃねぇし!オレがヤツを倒す!」
そうキアトが答えると突然、ガイガードが手に持つハンマーを私達に向かって振り落とした。
地面はハンマーの衝撃によって割れる。
それぞれのWEGSが咄嗟に相棒を守り、その場から私達を遠ざけた。
何故か振り落とされたハンマーの先にキアト一人がハンマーに足をかけ不敵に笑う。
「キア兄!集中、集中して!大丈夫、さっきあっちゃが言ってようにやれば勝てるから!」
「だとよ。てな訳でオレがお前をスクラップにするから」
キアトとガイガードが対峙した。そしてその先の巨大スクリーンの下の建物の入口の陰から人影が見えたのを私は見逃さなかった。
あの人影は間違いない。
「ま、まゆ!ヒロヤが見ている!」
「えっ?」
私が叫ぶように言うと、まゆだけじゃなくその場のみんなも私の視線の先を見た。
「いないじゃん」
「いたよ!間違いなく!」
既にその場からヒロヤは消えており、私以外の誰もヒロヤを見つけれなかった。
大島洋也。私達のクラスメイトであり、ソフトモヒカンで前髪が一筋顎まで伸びた特徴的な髪型の人狼変化能力を持つストライダーで、地獄の猟犬モデルのWEGSを相棒にしている。
そしてヒロヤのもう一つの特徴は………………
「なんでキアト達が来てくれたのに隠れてんだよ?このビビりが!」
「う、うるせぇバカ犬ロボ!」
「どうすんだよ!ちなみとエンジェルハーツは?」
「うるせぇ、おいらには考えがあんだよ!」
「そんな考えねぇだろ?バカだろ?テメェ………、ワアア!!」
「うぉー!いきなりでっけぇ声を出すんじゃねぇ!心臓止まるだろが!」
「このビビり王が!」
大島洋也、彼は極度のビビりな性格なんだ。あとオツムもちょっと……
私……、神代ひろなと一角白馬モデルのバージンロード、香川まゆと天馬のヘブンズガール、中條輝と獅子鷲のインディアン・オーラ。
さらに初めて目にする須藤勇矢のWEGS、スフィンクスのリドルディードと葉山くるみの麒麟モデルのコバルトラヴァ、未室愛亞の女王蜘蛛モデルのラストクィーン。
最後に未室希跡と、まだキアトの相棒ではないけど、剣歯虎モデルのバルエースがバイオロイドパークへと入場した。
「仙道さん、マルクはどうすんだよ?」
「当然、マルクは待機だ。あんなに大きなマルクでは、いい標的になるしね」
キアトの問いかけに仙道さんが静かに答えると、後方、マルクの中から一体の赤く輝く竜型WEGSが飛び出てきた。
「僕の六体の相棒の一体、炎竜モデルのシューティンバース」
大きな翼、色合い、まるでかつて私達が大好きだったWEGSを思い出す造りだった。
「かっこいいじゃねぇか~!」
キアトの感想に仙道さんは一瞬だけ頬笑み、そして前方を見上げた。
巨大スクリーンの先には何があるんだろう?
私達は大きな広場を堂々と歩き始めた。
二、三十歩歩くと突然、巨大スクリーンの裏から突然、大きな物体が私達の前に物凄い音と振動をあげ、前へと立ち塞がった。
「トム・セッツガーの横にいたWEGSだな……」
「ミノタウロス?」
仙道さんとユウヤが呟く。その物体は紛れもなくWEGS。茶色いボディー、頭が牛、身体が人型で両手で大きな柄のついたハンマーを持つ鋼鉄のWEGSだった。
「トム・セッツガーの側近、ボルガのWEGS……、名前は確か……ガイガードだったはず……」
仙道さんはそう答え身構えるとキアト達も身構えた。
「仙道さん、なんであのWEGS、相棒を道づれ自爆しないの?明らかにトムって人も、そのボルガって人も悪いことしているのに?」
私は疑問を口にした。
「そんなの改造したに決まっているよ、さあ、キミ達はどこかに避難して、僕がヤツを倒すから」
仙道さんのちょっと冷たい発言に、私やまゆ、くるみが適当な場所に避難しようとすると、何故かキアトとあっちゃがガイガードを睨みながら話していた。
「ちょっと、キアト、あっちゃ、隠れよって!」
「……当たりめぇだ!」
私の声を全く聞いてないキアトがあっちゃに怒鳴るように答えた。
「じゃあ、あの牛頭、キア兄一人で倒してみてよ、もちろん、バルエースの協力なしでね」
「ちょっとキアトもあっちゃも何を言ってるの?」
キアトとあっちゃの会話にまゆが泣きそうな表情で反論した。
「何って?キア兄が一人であのWEGSを「キアト一人じゃムリだ!」
あっちゃの言葉に仙道さんが反論した。当然、この兄妹の提案に賛成する人もWEGSもいなかった。
「ムリじゃねぇし!オレがヤツを倒す!」
そうキアトが答えると突然、ガイガードが手に持つハンマーを私達に向かって振り落とした。
地面はハンマーの衝撃によって割れる。
それぞれのWEGSが咄嗟に相棒を守り、その場から私達を遠ざけた。
何故か振り落とされたハンマーの先にキアト一人がハンマーに足をかけ不敵に笑う。
「キア兄!集中、集中して!大丈夫、さっきあっちゃが言ってようにやれば勝てるから!」
「だとよ。てな訳でオレがお前をスクラップにするから」
キアトとガイガードが対峙した。そしてその先の巨大スクリーンの下の建物の入口の陰から人影が見えたのを私は見逃さなかった。
あの人影は間違いない。
「ま、まゆ!ヒロヤが見ている!」
「えっ?」
私が叫ぶように言うと、まゆだけじゃなくその場のみんなも私の視線の先を見た。
「いないじゃん」
「いたよ!間違いなく!」
既にその場からヒロヤは消えており、私以外の誰もヒロヤを見つけれなかった。
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そしてヒロヤのもう一つの特徴は………………
「なんでキアト達が来てくれたのに隠れてんだよ?このビビりが!」
「う、うるせぇバカ犬ロボ!」
「どうすんだよ!ちなみとエンジェルハーツは?」
「うるせぇ、おいらには考えがあんだよ!」
「そんな考えねぇだろ?バカだろ?テメェ………、ワアア!!」
「うぉー!いきなりでっけぇ声を出すんじゃねぇ!心臓止まるだろが!」
「このビビり王が!」
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