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王国襲撃

7.

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王城への入口にあたる巨門が固く閉ざされていた。

王城の巨門の中には、五百を越える甲冑を身につけたアールド兵が、剣や槍を構え、外の様子を伺っていた。

五百の軍勢の一番奥に、この城の主ルイ・アールド国王が王座に座し、静かに巨門の向こうを睨み付けていた。

黄金の鎧を覆った国王ルイの右翼に男爵セレケが立っている。

「余には今、二つの感情がある…」

ルイが静かにセレケに言った。

「二つとは…?」

セレケは返事をした。

正直、場違いな話しだとセレケは思った。

「一つは我が息子、バセルの安否…」

セレケは黙るしかなかった。

ルイには子息が一人いるのだった。

ルイは目を綴じ、しばらく沈黙した。

自信の息子の思いを蘇らせているのだろう…。

「そしてもう一つは…」

ルイは目を鋭く開いた。

「我が王国を破壊する十龍を倒す事をだ!」

ルイは立ち上がり、大きく吠えた。

沈黙を破る叫びは、セレケを、五百の軍勢に活力を与えた。

「門を開けよ!闇龍キーカンバーは王国の敵なり!見事、余の剣でとどめを刺そうぞ!」

国王の叫びで軍勢が活気にみち、叫びを上げる。

セレケは国王の覇気に、尊敬の念を感じた。

「私の命、ルイ様に捧げます」

ルイはセレケの一言に頷き、腰に刺した剣を手にした。



今、王国の存亡を賭け、国王軍は戦場へと前進した…。



王国の未来の為に…。
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