6 / 9
プロローグ
依頼の前の準備とか
しおりを挟む
朝食を終えた後、二人で一応町の外に出るため買い物に出かける。
いくら日帰りで戻ってくるにしても、ある程度の物はもっていかないとね、急なトラブルの為にも。
ちょうど補充しないといけない物もあり足早に向かう。
さくさくとまだ補強のされてない地面を歩く音が聞こえる。
歩きながら先ほどキールにもらった依頼書を鞄から取り出して目を通してみる。
依頼書を見ると自分の苦手な部類…魔物など標的の捕獲だったこともあり、つい口の形がとても不満そうに変わっていく。
まだ魔力操作だの、魔法の用途だタイミングだの、キールに言われなくともまだまだ未熟だと自分でもわかっている。現に昨日ここにむかう道中で指導をうけていたが、スパルタなせいもあるかもしれないけど微妙な反応をしていた。
討伐系の内容ならまだ好きなように暴れてしまっても支障はないが、捕獲は間違って殺してしまったら大変よろしくない。魔物の数がおおければまあなんとかなるが、相手が少ない場合は依頼失敗になってしまう…それは避けたい。
ということで、できれば遠慮したい。いや本当にやりたくない。
「捕獲嫌い~手加減したり調整したり苦手なんだって~」
「つべこべ言うな、荷馬車の護衛より良いだろう?」
「んー…まぁ、うん」
一番嫌いな内容を出されてしまうとこれ以上ぐちぐち言えない。
ちぇ。
そう口を尖らせて漏らすと、後ろから「子供。」って聞こえた。
まだお子様だからいいんですぅー!
…って言ってるのむなしくなってきたよ、俺。
雑貨屋につくと、まず調合に使う薬草の予備。
回復薬を数個…あと昼食は買っていくけど念のため携帯食料も買っていこう。
籠の中にぽいぽいと入れていく。なくて困るよりはいいだろう。
棚を物色していると、キールが新しい麻袋とロープを結構な長さで持ってきているのを見つける。
「ロープ買わなくても良いじゃん俺のアレで縛るから」
「馬鹿、捕獲はそれでいいけどギルドに持ってってからどうすんだよ」
「あぁ」
確かにその通りだけど馬鹿って言いすぎじゃない?
納得したけど、俺ぐれちゃうよ?
店内の壁に大きく文字の書かれた張り紙を見つける。
「…お、『ファンゴの毛皮・牙 買い取ります。ダイアウルフの皮 高価買取中!』
ふーん、こんなんでウン万貰えるんだ」
「まぁダイアウルフ結構やっかいだからな」
「ヘェ・・・まだ遭遇したことないからわかんないな」
まだ手に持ったままだった依頼書をキールに渡して、俺は鞄を背負いなおした。
ちなみにいうと、今回の依頼は先の会話にも出たダイアウルフ駆除の後、ファンゴを2.3匹捕獲…とのこと。
キールから聞いた話だと、最近町からそう遠くないところにファンゴの群れがやってきて、そのまま巣をつくってしまったらしいのだが、さらにそれを狙ってかダイアウルフの群れがその周りで発見されたらしい。
ファンゴと違ってダイアウルフは下手して町近くに出没したら狙いが村の人たちに移ってしまう、という可能性を懸念し、町長がギルドに発注した依頼らしい。
その所為か金額も少しお高め。やったね。
たぶんファンゴの捕獲は雑貨屋に流すのかな。
精算が終わると各自の鞄の中に分けて入れていく。一度宿に戻るかとも思ったが、なんとか鞄に収まったし時間を考えてこのまま目的地へ向かうことに。
町の門までくると、キールは周辺の地図を広げて、俺に見せてみせた。
よく見ると森のところどころに丸がいくつかつけてある。
「ギルドの人の話だと最後にダイアウルフの姿が確認されたのはこのあたりな」
「思ったより町に近いね」
「あぁ、でこの少し離れたとこにファンゴの巣」
「ふむ。じゃあこのあたりから感知魔法かけるのね、了解」
出発前の軽い確認をすますと、町の外へ出発。
まずは、ダイアウルフの駆除だ。
いくら日帰りで戻ってくるにしても、ある程度の物はもっていかないとね、急なトラブルの為にも。
ちょうど補充しないといけない物もあり足早に向かう。
さくさくとまだ補強のされてない地面を歩く音が聞こえる。
歩きながら先ほどキールにもらった依頼書を鞄から取り出して目を通してみる。
依頼書を見ると自分の苦手な部類…魔物など標的の捕獲だったこともあり、つい口の形がとても不満そうに変わっていく。
まだ魔力操作だの、魔法の用途だタイミングだの、キールに言われなくともまだまだ未熟だと自分でもわかっている。現に昨日ここにむかう道中で指導をうけていたが、スパルタなせいもあるかもしれないけど微妙な反応をしていた。
討伐系の内容ならまだ好きなように暴れてしまっても支障はないが、捕獲は間違って殺してしまったら大変よろしくない。魔物の数がおおければまあなんとかなるが、相手が少ない場合は依頼失敗になってしまう…それは避けたい。
ということで、できれば遠慮したい。いや本当にやりたくない。
「捕獲嫌い~手加減したり調整したり苦手なんだって~」
「つべこべ言うな、荷馬車の護衛より良いだろう?」
「んー…まぁ、うん」
一番嫌いな内容を出されてしまうとこれ以上ぐちぐち言えない。
ちぇ。
そう口を尖らせて漏らすと、後ろから「子供。」って聞こえた。
まだお子様だからいいんですぅー!
…って言ってるのむなしくなってきたよ、俺。
雑貨屋につくと、まず調合に使う薬草の予備。
回復薬を数個…あと昼食は買っていくけど念のため携帯食料も買っていこう。
籠の中にぽいぽいと入れていく。なくて困るよりはいいだろう。
棚を物色していると、キールが新しい麻袋とロープを結構な長さで持ってきているのを見つける。
「ロープ買わなくても良いじゃん俺のアレで縛るから」
「馬鹿、捕獲はそれでいいけどギルドに持ってってからどうすんだよ」
「あぁ」
確かにその通りだけど馬鹿って言いすぎじゃない?
納得したけど、俺ぐれちゃうよ?
店内の壁に大きく文字の書かれた張り紙を見つける。
「…お、『ファンゴの毛皮・牙 買い取ります。ダイアウルフの皮 高価買取中!』
ふーん、こんなんでウン万貰えるんだ」
「まぁダイアウルフ結構やっかいだからな」
「ヘェ・・・まだ遭遇したことないからわかんないな」
まだ手に持ったままだった依頼書をキールに渡して、俺は鞄を背負いなおした。
ちなみにいうと、今回の依頼は先の会話にも出たダイアウルフ駆除の後、ファンゴを2.3匹捕獲…とのこと。
キールから聞いた話だと、最近町からそう遠くないところにファンゴの群れがやってきて、そのまま巣をつくってしまったらしいのだが、さらにそれを狙ってかダイアウルフの群れがその周りで発見されたらしい。
ファンゴと違ってダイアウルフは下手して町近くに出没したら狙いが村の人たちに移ってしまう、という可能性を懸念し、町長がギルドに発注した依頼らしい。
その所為か金額も少しお高め。やったね。
たぶんファンゴの捕獲は雑貨屋に流すのかな。
精算が終わると各自の鞄の中に分けて入れていく。一度宿に戻るかとも思ったが、なんとか鞄に収まったし時間を考えてこのまま目的地へ向かうことに。
町の門までくると、キールは周辺の地図を広げて、俺に見せてみせた。
よく見ると森のところどころに丸がいくつかつけてある。
「ギルドの人の話だと最後にダイアウルフの姿が確認されたのはこのあたりな」
「思ったより町に近いね」
「あぁ、でこの少し離れたとこにファンゴの巣」
「ふむ。じゃあこのあたりから感知魔法かけるのね、了解」
出発前の軽い確認をすますと、町の外へ出発。
まずは、ダイアウルフの駆除だ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる