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10.
しおりを挟む~リオン~
俺は小さい頃、親に捨てられた。理由はまぁ多分、俺の顔が不細工だったから。
それからはスラムなんかでほかの子供たちと同じように食べ物を盗んだり、お金を拾ったりして過ごした。
でも、街の人や他のスラムの子供などに
「化け物め」
「お前はご飯なんか食べずに死んじまえ」
「なんて気持ち悪い。」
なんて、理不尽な事を言われてお金を盗られることも多々あった。
その時、俺は人を殴ることを覚えた。だって殴らないとご飯を食べることが出来なかったから。
幸い、虎の獣人だった俺は人よりも力が強く頑丈だったから、なんとかなった。
スラムを歩いているだけで街のヤツらに顔を見て吐かれることもあった。
だから、俺は落ちていたフード付きの服を着て顔を隠すことにした。
でも、盗んだりするのにも限界が来る。俺は人一倍顔が不細工で目立ったから、すぐ街のヤツらに覚えられた。
ついには、街を歩くだけで
「この盗っ人が」
と言われて殴られたりもした。
俺は店までたどり着くことができなくなって、ここまでかな、と諦めかけていた。もうご飯を長い事食べてなかったから。
そんな時だった。
俺が師匠と出会ったのは。
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