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第六章
無自覚で罪な蜜 4
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「南……、南……」
唇に、何度も触れる感触。
柔らかくて少し冷たくて、すごく愛おしい。
その感触に導かれてうっすらと目を開けると、眼前にはこれまた息をのむくらいに妖艶な恋人の顔があった。
こんな時のロベールがいつもより壮絶に色っぽいのはいつものことだけど、今のソレは普段とは比べ物にならないくらいに甘く蕩けているようだ。
僕と目が合ったロベールはさらに妖艶にほほ笑んで、僕の腿を押し上げた。そして熱く硬い雄を僕に押し当てて、ゆっくりと入ってくる。
「……っ!? みな……み!」
「……っ、……え?」
「無意識……か」
「……ん、何……、が?」
「……甘くて……、すごく濃い。……無茶させないと言ったが、歯止めが効かなかったら……、悪い……」
「……えっ? あ……」
甘く疼く僕の中を、ロベールが圧迫しながらゆっくりと進む。
そして時折思い出したようにその壁面を擦り、後戻りして腰をゆったりと回す。その度に僕は嬌声を上げ、ビクビクと体が勝手に跳ねた。
恥ずかしいけど抗議の声も出せない。余裕が無いんだ。熱くて気持ちよすぎて、どうにかなってしまいそうで……。
眼前のロベールは壮絶な色気を放ちながらも時折動きを止めて、まるで昂る気持ちを少しでも抑えようとしているかのように、口から細く長く息を吐き出していた。
暴走しないように、僕に負担にならないようにと必死で耐えているようなその顔に、却って僕はキュウッとなる。
胸に走る甘く鈍い痛みとともに、どうやら僕の下腹部までが締まってしまったようだ。
「みな……み」
呻くようなその声。責めるようなその表情に、僕を大事にしてくれていることが強く伝わってくる。
「だって……、僕だってロベールのこと……、すごく……」
好きという言葉では言い表せない、なんて言えば伝わるんだろう。……あ。
「僕だって……、ロベールのことが……、すごく……愛しい……、よ? ……ああっ!?」
「この……、バカ……!」
「あ、……ああっ、……んん、ロベール……!」
完全に箍が外れちゃってる……!
あんなに慎重だったのに……。
僕の告白が終わるか否かの状態で、ロベールの動きに遠慮が無くなった。
僕の何もかもを貪ろうとするかのように、荒々しく雄々しく僕を求めている。
敏感な個所を何度も擦られ腰を回されて、意識が飛びそうだ。
だけど、彼の僕を求める瞳や熱い体温が、翻弄される心許なさよりももっと上回って、嬉しくて、幸せが体中に溢れて満ちてくる。
「ロベール……、好き、……大好きっ」
「……っ、みな……、み!」
「……ああっ!」
もう何が何だか分からなくなっていた。
体の奥からぐちゃぐちゃに乱され蕩けきって、頭の中はもう真っ白だ。
後から前から追い上げられていることで発する淫猥に響く音と、恥ずかしいほどの自分の喘ぎ声だけが室内に響いている。
そして時折、甘く毒を持って漏れる僕の名を囁くロベールの声。
「ロベール……ぅ」
もう限界、そんな気持ちでロベールの名前を呼んで腕に縋りついた。それにチラッと視線をよこしたロベールが、口角をゆっりと上げて妖艶にほほ笑む。
そして――。
後の記憶は、僕の中には何も残ってはいない。
どうやら早々に、意識を飛ばしてしまっていたようだ。
唇に、何度も触れる感触。
柔らかくて少し冷たくて、すごく愛おしい。
その感触に導かれてうっすらと目を開けると、眼前にはこれまた息をのむくらいに妖艶な恋人の顔があった。
こんな時のロベールがいつもより壮絶に色っぽいのはいつものことだけど、今のソレは普段とは比べ物にならないくらいに甘く蕩けているようだ。
僕と目が合ったロベールはさらに妖艶にほほ笑んで、僕の腿を押し上げた。そして熱く硬い雄を僕に押し当てて、ゆっくりと入ってくる。
「……っ!? みな……み!」
「……っ、……え?」
「無意識……か」
「……ん、何……、が?」
「……甘くて……、すごく濃い。……無茶させないと言ったが、歯止めが効かなかったら……、悪い……」
「……えっ? あ……」
甘く疼く僕の中を、ロベールが圧迫しながらゆっくりと進む。
そして時折思い出したようにその壁面を擦り、後戻りして腰をゆったりと回す。その度に僕は嬌声を上げ、ビクビクと体が勝手に跳ねた。
恥ずかしいけど抗議の声も出せない。余裕が無いんだ。熱くて気持ちよすぎて、どうにかなってしまいそうで……。
眼前のロベールは壮絶な色気を放ちながらも時折動きを止めて、まるで昂る気持ちを少しでも抑えようとしているかのように、口から細く長く息を吐き出していた。
暴走しないように、僕に負担にならないようにと必死で耐えているようなその顔に、却って僕はキュウッとなる。
胸に走る甘く鈍い痛みとともに、どうやら僕の下腹部までが締まってしまったようだ。
「みな……み」
呻くようなその声。責めるようなその表情に、僕を大事にしてくれていることが強く伝わってくる。
「だって……、僕だってロベールのこと……、すごく……」
好きという言葉では言い表せない、なんて言えば伝わるんだろう。……あ。
「僕だって……、ロベールのことが……、すごく……愛しい……、よ? ……ああっ!?」
「この……、バカ……!」
「あ、……ああっ、……んん、ロベール……!」
完全に箍が外れちゃってる……!
あんなに慎重だったのに……。
僕の告白が終わるか否かの状態で、ロベールの動きに遠慮が無くなった。
僕の何もかもを貪ろうとするかのように、荒々しく雄々しく僕を求めている。
敏感な個所を何度も擦られ腰を回されて、意識が飛びそうだ。
だけど、彼の僕を求める瞳や熱い体温が、翻弄される心許なさよりももっと上回って、嬉しくて、幸せが体中に溢れて満ちてくる。
「ロベール……、好き、……大好きっ」
「……っ、みな……、み!」
「……ああっ!」
もう何が何だか分からなくなっていた。
体の奥からぐちゃぐちゃに乱され蕩けきって、頭の中はもう真っ白だ。
後から前から追い上げられていることで発する淫猥に響く音と、恥ずかしいほどの自分の喘ぎ声だけが室内に響いている。
そして時折、甘く毒を持って漏れる僕の名を囁くロベールの声。
「ロベール……ぅ」
もう限界、そんな気持ちでロベールの名前を呼んで腕に縋りついた。それにチラッと視線をよこしたロベールが、口角をゆっりと上げて妖艶にほほ笑む。
そして――。
後の記憶は、僕の中には何も残ってはいない。
どうやら早々に、意識を飛ばしてしまっていたようだ。
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