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第六章

いよいよ引っ越し♪

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ロベールが出て行っても、しばらくぼーっとしちゃってなかなか動く気になれなかった。
……おかげでロベールに求められたあれこれや、自分がねだったあれこれを思い出して顔が熱くなる。

は、恥ずかしすぎる……!

これからはロベールと家に帰ってからも一緒にいれるって、そんなことばかりに浮かれてたけど……。
いちゃいちゃした翌朝に、親と一緒にしれっとご飯食べるとか……。

~~~~~~~~!!!!

「南ー! ご飯できてるわよー! 起きてるのー?」
「うわっ、……やべっ。起きてるー! 今行くからー」

ほぼ半裸状態だ。こんな格好の時に母さんに来られたら変に思われちゃう。
僕は慌てて服を着て、顔を洗いみんなの待つ食卓に着いた。

「休みだからってのんびりだな」
「あ……、うん。いいじゃん、別に……」

咎める父さんの隣にロベールが座っているのが何とも微妙で、僕はぶつぶつと小さく返した。そんな僕の態度が思い当たるのかおかしいのか、ロベールは目を伏せた状態で笑いをかみ殺しているようだ。
……コノヤロー。

「まあ、いいんだけどね。……さっき、先生の引っ越しの手伝いを南にしてもらおうかって話をしてたんだけど、大丈夫? 南、今日用事ある?」

僕んちの休日の大体の風景だ。
よほど誰かが寝坊したり用事で早くから出かけたりすることがなければ、家は休日は皆で食卓を囲むことになっている。
母さんも同じ食卓で、ご飯を食べながら僕に聞いた。

「ううん、特に作ってないよ。最初から引っ越しの手伝いはしようと思っていたから。ロベ……ール先生、荷物はあまり無いって言ってたよね」

「ああ。自炊は一切していないから大したものは無いし、服や身の回りのもの以外は知人に格安で譲る約束をしているから大した量じゃないよ」

「まあ、そうなんですか?」

「はい。もちろんこちらに下宿させてもらえたらという条件付きでの約束でしたから。話が決まって、彼も喜んでいると思います」

「そうですか。それならみんな丸く纏まってよかった。それじゃあ南、今日は先日のお礼もかねて引っ越しの手伝いをしてきなさい」

「うん。わかってる」

そういえば僕、ロベールの家に行ったこともないしどういう生活をしているのかも分からなかったんだけど。
今日見に行けるんだな。

……どうしよう。なんだかちょっぴりワクワクしてきたぞ。

ちらりとロベールに視線を向けると、パチリと目が合った。
僕の考えを読み取ったのか、ロベールは薄く笑って顎を斜めに上げ、目を眇めた。
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