72 / 93
第六章
いよいよ引っ越し♪
しおりを挟む
ロベールが出て行っても、しばらくぼーっとしちゃってなかなか動く気になれなかった。
……おかげでロベールに求められたあれこれや、自分がねだったあれこれを思い出して顔が熱くなる。
は、恥ずかしすぎる……!
これからはロベールと家に帰ってからも一緒にいれるって、そんなことばかりに浮かれてたけど……。
いちゃいちゃした翌朝に、親と一緒にしれっとご飯食べるとか……。
~~~~~~~~!!!!
「南ー! ご飯できてるわよー! 起きてるのー?」
「うわっ、……やべっ。起きてるー! 今行くからー」
ほぼ半裸状態だ。こんな格好の時に母さんに来られたら変に思われちゃう。
僕は慌てて服を着て、顔を洗いみんなの待つ食卓に着いた。
「休みだからってのんびりだな」
「あ……、うん。いいじゃん、別に……」
咎める父さんの隣にロベールが座っているのが何とも微妙で、僕はぶつぶつと小さく返した。そんな僕の態度が思い当たるのかおかしいのか、ロベールは目を伏せた状態で笑いをかみ殺しているようだ。
……コノヤロー。
「まあ、いいんだけどね。……さっき、先生の引っ越しの手伝いを南にしてもらおうかって話をしてたんだけど、大丈夫? 南、今日用事ある?」
僕んちの休日の大体の風景だ。
よほど誰かが寝坊したり用事で早くから出かけたりすることがなければ、家は休日は皆で食卓を囲むことになっている。
母さんも同じ食卓で、ご飯を食べながら僕に聞いた。
「ううん、特に作ってないよ。最初から引っ越しの手伝いはしようと思っていたから。ロベ……ール先生、荷物はあまり無いって言ってたよね」
「ああ。自炊は一切していないから大したものは無いし、服や身の回りのもの以外は知人に格安で譲る約束をしているから大した量じゃないよ」
「まあ、そうなんですか?」
「はい。もちろんこちらに下宿させてもらえたらという条件付きでの約束でしたから。話が決まって、彼も喜んでいると思います」
「そうですか。それならみんな丸く纏まってよかった。それじゃあ南、今日は先日のお礼もかねて引っ越しの手伝いをしてきなさい」
「うん。わかってる」
そういえば僕、ロベールの家に行ったこともないしどういう生活をしているのかも分からなかったんだけど。
今日見に行けるんだな。
……どうしよう。なんだかちょっぴりワクワクしてきたぞ。
ちらりとロベールに視線を向けると、パチリと目が合った。
僕の考えを読み取ったのか、ロベールは薄く笑って顎を斜めに上げ、目を眇めた。
……おかげでロベールに求められたあれこれや、自分がねだったあれこれを思い出して顔が熱くなる。
は、恥ずかしすぎる……!
これからはロベールと家に帰ってからも一緒にいれるって、そんなことばかりに浮かれてたけど……。
いちゃいちゃした翌朝に、親と一緒にしれっとご飯食べるとか……。
~~~~~~~~!!!!
「南ー! ご飯できてるわよー! 起きてるのー?」
「うわっ、……やべっ。起きてるー! 今行くからー」
ほぼ半裸状態だ。こんな格好の時に母さんに来られたら変に思われちゃう。
僕は慌てて服を着て、顔を洗いみんなの待つ食卓に着いた。
「休みだからってのんびりだな」
「あ……、うん。いいじゃん、別に……」
咎める父さんの隣にロベールが座っているのが何とも微妙で、僕はぶつぶつと小さく返した。そんな僕の態度が思い当たるのかおかしいのか、ロベールは目を伏せた状態で笑いをかみ殺しているようだ。
……コノヤロー。
「まあ、いいんだけどね。……さっき、先生の引っ越しの手伝いを南にしてもらおうかって話をしてたんだけど、大丈夫? 南、今日用事ある?」
僕んちの休日の大体の風景だ。
よほど誰かが寝坊したり用事で早くから出かけたりすることがなければ、家は休日は皆で食卓を囲むことになっている。
母さんも同じ食卓で、ご飯を食べながら僕に聞いた。
「ううん、特に作ってないよ。最初から引っ越しの手伝いはしようと思っていたから。ロベ……ール先生、荷物はあまり無いって言ってたよね」
「ああ。自炊は一切していないから大したものは無いし、服や身の回りのもの以外は知人に格安で譲る約束をしているから大した量じゃないよ」
「まあ、そうなんですか?」
「はい。もちろんこちらに下宿させてもらえたらという条件付きでの約束でしたから。話が決まって、彼も喜んでいると思います」
「そうですか。それならみんな丸く纏まってよかった。それじゃあ南、今日は先日のお礼もかねて引っ越しの手伝いをしてきなさい」
「うん。わかってる」
そういえば僕、ロベールの家に行ったこともないしどういう生活をしているのかも分からなかったんだけど。
今日見に行けるんだな。
……どうしよう。なんだかちょっぴりワクワクしてきたぞ。
ちらりとロベールに視線を向けると、パチリと目が合った。
僕の考えを読み取ったのか、ロベールは薄く笑って顎を斜めに上げ、目を眇めた。
1
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
【完結済】ラスボスの使い魔に転生したので世界を守るため全力でペットセラピーしてみたら……【溺愛こじらせドS攻め】
綺沙きさき(きさきさき)
BL
【溺愛ヤンデレ魔術師】×【黒猫使い魔】のドS・執着・溺愛をこじらせた攻めの話
<あらすじ>
魔術師ギディオンの使い魔であるシリルは、知っている。
この世界が前世でプレイしたゲーム『グランド・マギ』であること、そしてギディオンが世界滅亡を望む最凶のラスボスで、その先にはバッドエンドしか待っていないことも……。
そんな未来を回避すべく、シリルはギディオンの心の闇を癒やすため、猫の姿を最大限に活用してペットセラピーを行う。
その甲斐あって、ギディオンの心の闇は癒やされ、バッドエンドは回避できたと思われたが、ある日、目を覚ますと人間の姿になっていて――!?
========================
*表紙イラスト…はやし燈様(@umknb7)
*表紙デザイン…睦月様(https://mutsuki-design.tumblr.com/)
*9月23日(月)J.GARDEN56にて頒布予定の『異世界転生×執着攻め小説集』に収録している作品です。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
壊れた番の直し方
おはぎのあんこ
BL
Ωである栗栖灯(くりす あかり)は訳もわからず、山の中の邸宅の檻に入れられ、複数のαと性行為をする。
顔に火傷をしたΩの男の指示のままに……
やがて、灯は真実を知る。
火傷のΩの男の正体は、2年前に死んだはずの元番だったのだ。
番が解消されたのは響一郎が死んだからではなく、Ωの体に変わっていたからだった。
ある理由でαからΩになった元番の男、上天神響一郎(かみてんじん きょういちろう)と灯は暮らし始める。
しかし、2年前とは色々なことが違っている。
そのため、灯と険悪な雰囲気になることも…
それでも、2人はαとΩとは違う、2人の関係を深めていく。
発情期のときには、お互いに慰め合う。
灯は響一郎を抱くことで、見たことのない一面を知る。
日本にいれば、2人は敵対者に追われる運命…
2人は安住の地を探す。
☆前半はホラー風味、中盤〜後半は壊れた番である2人の関係修復メインの地味な話になります。
注意点
①序盤、主人公が元番ではないαたちとセックスします。元番の男も、別の女とセックスします
②レイプ、近親相姦の描写があります
③リバ描写があります
④独自解釈ありのオメガバースです。薬でα→Ωの性転換ができる世界観です。
表紙のイラストは、なと様(@tatatatawawawaw)に描いていただきました。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
《第一幕》テンプレ転移した世界で全裸から目指す騎士ライフ
ぽむぽむ
BL
交通事故死により中世ヨーロッパベースの世界に転移してしまった主人公。
セオリー通りの神のスキル授与がない? 性別が現世では女性だったのに男性に?
しかも転移先の時代は空前の騎士ブーム。
ジャンと名を貰い転移先の体の持ち前の運動神経を役立て、晴れて騎士になれたけど、旅先で知り合った男、リシャールとの出会いが人生を思わぬ方向へと動かしてゆく。
最終的に成り行きで目指すは騎士達の目標、聖地!!
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる