フェロモン? そんなの僕知りません!!

くるむ

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第五章

欲しがってる

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ロベールの唇が首から鎖骨当たりへと下る。
ふんわりと軽く吸い付きながら、時々唇を離しては息を吸い込み恍惚の表情だ。

「堪らないな……」
「あ……」

あからさまな僕を求めるしぐさや言葉に、キュンとなる。思わず漏れた声に一瞬うれしそうな顔をしたロベールは、今度は僕の味見でもするかのように、胸元に舌を這わせた。そして粒に触れた後、それを唇に含んでコリコリと甘噛みし始めた。

「……んっ、……ちょっ、そこは……、ああっ!」
「何だ?」

覚えのある電流のような甘い痺れが僕の体を走り抜けた。わかっているだろうに、ロベールはそこを何度も何度も執拗に攻めて楽しそうだ。

「ん……、んんっ、……やあっ!」

もう、やだっ……!
さっきからビクンビクンって、恥ずかしい反応がひっきりなしで。

……だけど、僕はそれでもロベールを本気で引きはがそうとは思えない。だって、恥ずかしくて仕方なくても、好きで好きで仕方がない相手にされるってことが結局うれしいと思えちゃうんだってことに、とっくに気づいちゃってるから。

「……ロベール……っ」

仰け反り喘ぎながら、ロベールの名前を呼んだ。その声に反応して、ロベールは唇を粒から離して僕の顔を覗き込んだ。そして艶っぽく笑い、僕の反り返り始めた竿を軽く握る。

「ロ……、ロベ……っ! ……あぁっ!」

ゆるゆると扱かれて腰が揺れる。ひっきりなしに漏れる声が恥ずかしい。

「……濃く、なってきたな」
「……え? んっ、……あ、んんっ」

「溺れそうだ」

耳元でかすれた声でそう囁かれて、ゾクンと甘い痺れが駆け抜けた。そんな僕の状態に気が付いたのか、扱く動きが加速する。

「ちょっと……、だめ、待って……! 出る……、出ちゃうよ……っ」
「……いい、イけよ。その方が楽だろ」
「……っ、んんっ、ヤッ!」

自分ばかりが感じてて、それでもってイかされるなんて恥ずかしい。それなのに……。熱く大きな掌に、僕を求めて蹂躙するようなその瞳に、やっぱり本気であらがうことなんてできない。

「ロべ……!」
「いい、イケ」

ドクンとはじける衝動とともに、僕は白濁をロベールの手に放っていた。


「南……」
「ん……?」

脱力して朦朧とする中、ふんわりと唇に唇を押し当てられる。

気持ちいい……。

キスの感触が気持ちよくて、僕はウトウトし始めている。そのまま気持ちよく目を閉じようと思った矢先、お尻の奥のつぼみに、ぬるりと指先が入ってきた。
いきなりの感触にびっくりして目を開けたら、いたずらっぽく僕を見つめるロベールと目が合った。

「南、抱くぞ」
「……え」

きゅうっと僕の心臓と下腹部に、同時に甘い痺れが走った。

……え?
な、何この反応。

艶やかにほほ笑むロベールと見つめあいながら、僕の頬がカーッと熱くなる。

……恥ずかしい。恥ずかしいけど……。

ロベールを欲している自分を自覚してしまった。
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