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第四章

傍にいてくれるね

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イチャイチャ禁止って……。
それって僕の……、フェロモンとかいうやつのせい……?

チラッとロベールを窺った。
ロベールは何かを考え込むように顎に手を当て下を向いている。

「ロベール……?」
「ん? ああ、大丈夫だ。それよりお前、試験の方は良いのか?」
「あっ!」

使い魔の衝撃が大きすぎてすっかり忘れてた。少しでも点数を上げるためには、もう少し悪あがきしなくっちゃ。

慌てて教科書を開き始めた僕を見て、ロベールは苦笑いを零してる。

こういう姿を見てると、ロベールってやっぱり悪魔っぽくないよね。……たまにエロくて怖い時はあるけどさ。

「なに? 教えてほしいことがあるのか?」
「あ、ううん! 大丈夫。覚える奴もやっておかないと」
「そうか」

自分の助けがいらないと分かったロベールは、コロンとベッドに横になった。

良かった。今日は帰って行っちゃわないんだよね?

「…………」
なんか僕……。ロベールと始終一緒に居たい病にかかっちゃってる?
すっげ、恥ずかしい奴だな……。

うう~。
ポカッ!
「いたっ!」

ベッドからキャラメルが飛んできた。頭にぶつかったそれが、僕の手にポトリと落ちる。

「百面相してないで勉強しろよ。気を散らすな」
「……うっ。分かったよ、ちゃんとする」

どうやらロベールは、僕の部屋に常備していたキャラメルを見つけ勝手に食べていたようだ。その証拠に、ロベールの口元がモグモグと動いている。

僕も放られたキャラメルを口に入れて、明日の試験に備えて教科書をめくった。


★★★★★★★★★★★★★★★


「ふわ~、疲れた」

丸まっていた背を伸ばして、思いっきり腕を伸ばした。ベッドの方に目を向けると、疲れていたのか退屈だったのかロベールは気持ちよさそうに眠っていた。
時計を見るとすでに午前零時を回っている。

コキコキと首を回して、僕も寝る準備を始めた。

ぐっすりと寝入っているロベールの横にそっと潜り込んで、彼の背中に腕を回した。

やっぱり、ロベールと密着している時が一番安心できるね。
――おやすみなさい。

心の中でそう呟いて、僕は心地いい眠りの淵へと落ちていった。
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