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第四章
潜む使い魔
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その後すぐに母さんに呼ばれ、夕飯を食べ風呂も済ませて二階に戻った。
自室に戻ったとき、ロベールがいてくれてホッとしたんだけど……。なんでその人までそこに居るの!?
「やあ、また会ったね」
「……呼んだつもりは無いんですけど、なんで天界人のあなたまでそこに居るんですか?」
僕がそう言うと、マクの口角がうっすらと上がる。
ムカッ!
……本当にこいつ性格悪いよな。上からというか、偉そうというか……、僕のこと絶対下に見てバカにしてるような気がする。
「南」
ちょいちょいとロベールが手招きするから、剥れたままロベールが腰かけるベッド脇に近づいた。
ロベールは僕の腕を引っ張って隣に座らせ肩を抱き寄せる。
「マクグラスは使い魔を見かけたと、私に情報を持ってきてくれたんだ」
「えっ!? あの、もしかしてこないだのあいつ?」
「いや、その後だから別の奴だ」
「別の……?」
なに? 使い魔って、あの一匹だけじゃなくて他にもこの辺りを飛んでいるっていうの?
「思うにあれは、クレメントの使い魔じゃないかな? だいぶ前にもそうやって、この世界に使い魔を飛ばせていたから」
「……クレメント? もしかしてスノウのことか?」
……誰?
もしかしてロベールの知り合い?
「そうだ。一度だけしか見ていないが、そいつこの世界にやって来て何かを物色しているようだったぞ? 私に気付いてすぐ消えてしまったが」
マクの話を聞いたロベールの顔がみるみる険しくなる。
「……あの野郎、何であのバカを野放しにしているんだ」
「――どうやら君にとっても有益な情報だったようだね」
「あ? ああ、すまない。助かった、礼を言う」
「どういたしまして。君がその子を守ることに専念しているのであれば、問題は何もないからね」
そう言って、マクがちらりとこちらに視線をよこした。
ムッ💢
「いらん心配をするな。私はお前の監視には値しない。……南に怖がられるのはごめんだからな」
キュウッ。
マクの表情にむかついたけど、ロベールの一言でそれも霧散していく。
や、やだなロベールったら……。時々こんな甘い爆弾落とすんだから。
だけど、容赦ないお仕置きなんてのも十分怖いんだけど、そっちの方は分かってんのかな……?
「そう。それは良かった。……でも、私はロベールを追い続けるのをやめる気は無いよ。君への感謝の気持ちが無くなっているわけでは無いからね。頭の固い連中が、君のことをまだ目の敵にしているわけだし」
「…………」
「さて、と。長居も無用かな? お邪魔様。――南くんは、十分気をつけてくれよ。あの使い魔は、確実に君の特異体質に惹かれるからね」
「……え?」
ギュウッと心臓が鷲掴みにされたように収縮した。
忘れていたわけでは無いけど、あの使い魔はロベールが処分したからと安心しきっていたんだ。だけど他にもまだ飛んでいるのだとしたら……。
「まずはイチャイチャは禁止だね」
「――――」
「……!!」
揶揄うように薄く笑って忠告を残していったマクは、僕らに軽く手を振って消えたのだった。
自室に戻ったとき、ロベールがいてくれてホッとしたんだけど……。なんでその人までそこに居るの!?
「やあ、また会ったね」
「……呼んだつもりは無いんですけど、なんで天界人のあなたまでそこに居るんですか?」
僕がそう言うと、マクの口角がうっすらと上がる。
ムカッ!
……本当にこいつ性格悪いよな。上からというか、偉そうというか……、僕のこと絶対下に見てバカにしてるような気がする。
「南」
ちょいちょいとロベールが手招きするから、剥れたままロベールが腰かけるベッド脇に近づいた。
ロベールは僕の腕を引っ張って隣に座らせ肩を抱き寄せる。
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「えっ!? あの、もしかしてこないだのあいつ?」
「いや、その後だから別の奴だ」
「別の……?」
なに? 使い魔って、あの一匹だけじゃなくて他にもこの辺りを飛んでいるっていうの?
「思うにあれは、クレメントの使い魔じゃないかな? だいぶ前にもそうやって、この世界に使い魔を飛ばせていたから」
「……クレメント? もしかしてスノウのことか?」
……誰?
もしかしてロベールの知り合い?
「そうだ。一度だけしか見ていないが、そいつこの世界にやって来て何かを物色しているようだったぞ? 私に気付いてすぐ消えてしまったが」
マクの話を聞いたロベールの顔がみるみる険しくなる。
「……あの野郎、何であのバカを野放しにしているんだ」
「――どうやら君にとっても有益な情報だったようだね」
「あ? ああ、すまない。助かった、礼を言う」
「どういたしまして。君がその子を守ることに専念しているのであれば、問題は何もないからね」
そう言って、マクがちらりとこちらに視線をよこした。
ムッ💢
「いらん心配をするな。私はお前の監視には値しない。……南に怖がられるのはごめんだからな」
キュウッ。
マクの表情にむかついたけど、ロベールの一言でそれも霧散していく。
や、やだなロベールったら……。時々こんな甘い爆弾落とすんだから。
だけど、容赦ないお仕置きなんてのも十分怖いんだけど、そっちの方は分かってんのかな……?
「そう。それは良かった。……でも、私はロベールを追い続けるのをやめる気は無いよ。君への感謝の気持ちが無くなっているわけでは無いからね。頭の固い連中が、君のことをまだ目の敵にしているわけだし」
「…………」
「さて、と。長居も無用かな? お邪魔様。――南くんは、十分気をつけてくれよ。あの使い魔は、確実に君の特異体質に惹かれるからね」
「……え?」
ギュウッと心臓が鷲掴みにされたように収縮した。
忘れていたわけでは無いけど、あの使い魔はロベールが処分したからと安心しきっていたんだ。だけど他にもまだ飛んでいるのだとしたら……。
「まずはイチャイチャは禁止だね」
「――――」
「……!!」
揶揄うように薄く笑って忠告を残していったマクは、僕らに軽く手を振って消えたのだった。
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