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第二章
ロベールのお泊り 9
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ロベールは柔らかく何度か僕の唇を啄んだ後、また僕を引き寄せて抱きしめた。優しく背中を撫でてくれる掌が温かくて、気持ちいい。
「……4時過ぎだな。お前の両親は何時ごろ起きるんだ?」
「んー? まだ2時間は寝てるよ……」
「じゃあ、シャワー浴びさせてもらうか。ついでに顔も洗って……」
「あ!」
「な、何だ?」
顔洗ってで思い出してしまった。唐揚げ! 食べてもらおうと思ってそのままだ!
「昨日持ってきた唐揚げ、顔洗ったら食べてよ。お腹、空いてるでしょ?」
「……ああ、それか。せっかくの好意だからいただいておくか」
ロベールはベッドから起き上がって、兄貴のスウェットだけスッと穿いた。そして床に落ちている僕の服も拾ってポイッとよこす。
「着ろよ。シャワー浴びに行くぞ」
「……っ、え? ぼ、僕も……?」
「その方がいいだろ? さっぱりしろ」
「あ……、うん。そうだね……」
確かに……、あんな色んなことしたんだから、シャワーで綺麗に流した方がいいと思うけど……。
チラッとロベールを窺うと、パチッと目が合ってロベールの表情が意地悪く変化した。
「何を期待してるのか知らないが、時間のない時に変な真似はしないから安心しろ」
「……きっ! 期待ってなんだよ!!」
カッとして反論すると、ロベールが目を眇めた。そしてドアの傍まで行っていたのに、またこちらに歩を歩めてきた。
「南……」
「……な、なんだよ……っ」
こいつーーーーっ!! またその低音ボイス! やめろよな、ホント!
ビビりながら、ゾクゾクするじゃないかっ!
ロベールはベッドわきに佇む僕の目の前にやってきて、トンと指先で僕の胸あたりを押して僕をベッドの上に仰向けに倒した。そして自分も片膝を乗せて、僕の上に覆いかぶさる。
そして体を折り曲げて、着替え途中で開けたままの僕の胸をカリッと甘噛みした。
「あ……っ、ん……っ!」
ちょ……、ちょっと! マジで止めて!!
カリコリと甘噛みしてさらに舌まで這わすものだから、静まっていたはずの熱が、また下半身から沸き上がりそうになって焦る。
「や……、ロ、ロベール……ッ!」
悶えて捩る僕の胸から唇を離したロベールが、キュッと僕を抱きしめた。
「……南はもう少し自分の色香を自覚しろ。他人から見たお前は、雄を簡単に煽っちまうような存在なんだぞ」
「そんなこと……、言ったって……」
「心配で心配で仕方がないんだ! ……くそっ」
「……ロベール」
息を押し殺すように吐き出しながら、僕を力強く抱きしめた。
ロベールもしかして……。もしかして、見えない相手に嫉妬してくれてるの……?
どうしよう……、嬉しい。嬉しすぎるよ……!
僕はさっきとは逆に、ロベールの背に腕を回して、滑らかな彼の髪を優しく撫でてみた。愛おしいという気持ちを込めて。
それなのに、ロベールは僕の行為に何故かピクンと反応して硬直した。
……なんで?
嫌だった?
「……南」
「なあに?」
動揺はさておき、そ知らぬふりで返事をしてみた。
「――もしかして、私は慰められているのか?」
「……え?」
思ってもいない返答に、一瞬思考が止まった。止まって――、なぜか笑いがこみ上げてきた。
なので、ロベールに感づかれないように必死で笑いを噛み殺す。
「違うよ。すごく嬉しくて幸せで、ロベールのこと愛しいって思ったんだ……」
「そう……、か」
「うん、そう」
本当だよ。
僕、本当にもうあなたに溺れ切っているよ。
「……4時過ぎだな。お前の両親は何時ごろ起きるんだ?」
「んー? まだ2時間は寝てるよ……」
「じゃあ、シャワー浴びさせてもらうか。ついでに顔も洗って……」
「あ!」
「な、何だ?」
顔洗ってで思い出してしまった。唐揚げ! 食べてもらおうと思ってそのままだ!
「昨日持ってきた唐揚げ、顔洗ったら食べてよ。お腹、空いてるでしょ?」
「……ああ、それか。せっかくの好意だからいただいておくか」
ロベールはベッドから起き上がって、兄貴のスウェットだけスッと穿いた。そして床に落ちている僕の服も拾ってポイッとよこす。
「着ろよ。シャワー浴びに行くぞ」
「……っ、え? ぼ、僕も……?」
「その方がいいだろ? さっぱりしろ」
「あ……、うん。そうだね……」
確かに……、あんな色んなことしたんだから、シャワーで綺麗に流した方がいいと思うけど……。
チラッとロベールを窺うと、パチッと目が合ってロベールの表情が意地悪く変化した。
「何を期待してるのか知らないが、時間のない時に変な真似はしないから安心しろ」
「……きっ! 期待ってなんだよ!!」
カッとして反論すると、ロベールが目を眇めた。そしてドアの傍まで行っていたのに、またこちらに歩を歩めてきた。
「南……」
「……な、なんだよ……っ」
こいつーーーーっ!! またその低音ボイス! やめろよな、ホント!
ビビりながら、ゾクゾクするじゃないかっ!
ロベールはベッドわきに佇む僕の目の前にやってきて、トンと指先で僕の胸あたりを押して僕をベッドの上に仰向けに倒した。そして自分も片膝を乗せて、僕の上に覆いかぶさる。
そして体を折り曲げて、着替え途中で開けたままの僕の胸をカリッと甘噛みした。
「あ……っ、ん……っ!」
ちょ……、ちょっと! マジで止めて!!
カリコリと甘噛みしてさらに舌まで這わすものだから、静まっていたはずの熱が、また下半身から沸き上がりそうになって焦る。
「や……、ロ、ロベール……ッ!」
悶えて捩る僕の胸から唇を離したロベールが、キュッと僕を抱きしめた。
「……南はもう少し自分の色香を自覚しろ。他人から見たお前は、雄を簡単に煽っちまうような存在なんだぞ」
「そんなこと……、言ったって……」
「心配で心配で仕方がないんだ! ……くそっ」
「……ロベール」
息を押し殺すように吐き出しながら、僕を力強く抱きしめた。
ロベールもしかして……。もしかして、見えない相手に嫉妬してくれてるの……?
どうしよう……、嬉しい。嬉しすぎるよ……!
僕はさっきとは逆に、ロベールの背に腕を回して、滑らかな彼の髪を優しく撫でてみた。愛おしいという気持ちを込めて。
それなのに、ロベールは僕の行為に何故かピクンと反応して硬直した。
……なんで?
嫌だった?
「……南」
「なあに?」
動揺はさておき、そ知らぬふりで返事をしてみた。
「――もしかして、私は慰められているのか?」
「……え?」
思ってもいない返答に、一瞬思考が止まった。止まって――、なぜか笑いがこみ上げてきた。
なので、ロベールに感づかれないように必死で笑いを噛み殺す。
「違うよ。すごく嬉しくて幸せで、ロベールのこと愛しいって思ったんだ……」
「そう……、か」
「うん、そう」
本当だよ。
僕、本当にもうあなたに溺れ切っているよ。
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