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第一章

僕、ロベールのこと…

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ご飯を食べ終わりお弁当箱を片付けて、ハアッとため息を吐いた。

だってさ、助けたお礼に保健室に来い……ってことはさ……。もごもごもご……。

「南? 行かないの?」
「あ、うっうん、行くよ、行くっ」

訝しい顔で僕を見る奏多に、焦って笑いながら席を立った。

「じゃ、ちょっと行ってくる」
「行ってらー」

手を振る奏多に見送られながら、僕は保健室へと向かった。

……なんだか変な気もち。
ドキドキするような行きたくないような……、でも行かないっていう選択肢が無いような……。

はー。
何だろ、この焦燥感のような気分は。

保健室の扉をカラカラと開けて、硬直。綺麗系な女子が、ロベールに迫っていた。

「そんなに苦しいのなら病院に行きなさいと……、あ」
「え?」
「――――」

「ほら、具合が悪いなら担任に病院に行くように、」
「もういい! 治ったから!」

そう言ってかなり大胆に開けていたシャツの襟をバッと合わせ、その子は手早くボタンを留めた。そして僕に文句を言いたげな表情を向けて出て行った。

「…………」

「なにぼーっとしてる。来いよ」
「…………」

来い来いと手招きするから一応行くけど……。なんか、ちょっとムカつく。

ノロノロ近づく僕に業を煮やしたのか、ロベールからも近づいて来た。

「南、……どうした」
「別に」

別にと言いながら、多分顔は剥れている。そんな僕の様子を見て、ロベールが苦笑した。

「さっきのは、向こうが勝手にやって来ただけだ。興味ないからちゃんと無視したし、妬く必要は無いぞ?」
「だ……、誰が妬いたって……!」

あ……。

グイッと引っ張られて、ギュッと抱きしめられた。

「…………」

やっぱり、……やっぱりロベールは他の人と違う。
抱きしめられたらその温かさで力が抜けるし、ずっとこうしていて欲しいだなんて……、そんなことまで思ってしまう。

「南……」
「え? うわっ」

体を離されたかと思ったら、すぐにふわりと持ち上げられベッドの上に寝かされた。
突然のことに驚いたけど、やっぱり嫌悪感は無い。それどころか心臓が、トクントクンと可愛らしい音を放ち始めた。

どうしよう……、どうしよう僕……。

もしかしたら本当に僕は……。

ロベールは僕に覆い被さるように跨って、僕の目をじっと見ている。その何とも言えない力強く熱っぽい瞳に、僕も目を逸らせない。

体が熱くなる。
呼吸するその息までも、熱くなっているんじゃないかって錯覚するくらい、僕の頭は沸騰していた。

「そんな目で見られると……、堪らないな」

ちゅっ。
啄むような可愛いバードキスだ。

それを何度も何度も繰り返した後、あの翻弄される深いキスへと移行した。
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