近くにいるのに君が遠い

くるむ

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番外編

☆彡君にメリークリスマス☆彡

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2人とも風呂を済ませて、俺の部屋に入る。
はーっと息を吐きだす陸を見て、緊張してたんだなと分かり笑いがこみ上げてきた。

「何笑ってんだよ」

俺が何を考えていたのか分かっているんだろう。ちょっと照れたような顔で剥れ、俺を軽く睨んでる。

「なんでも無いよ。……それより、やっと2人っきりだね」
「そう……、だな」

ベッドの脇に敷かれている客用の布団に、胡坐をかいて座っている陸の横に俺も移動して、ちょこんと隣に座る。
ゆっくりと陸に凭れかかると、腕を回して引き寄せてくれた。

最近の陸は、付き合い当初から比べると格段に落ち着いてきていて、2人っきりになると俺を甘やかせてくれるようになった。
俺も、甘え上手とは言えないけれど、して欲しいことやしたいことを遠慮しないようにと時々自分を叱咤している。今みたいに。

好きすぎて遠慮して、行き違いになってしまうあの辛さは、もう2度とごめんだから。


「今日は水の家だから何もしないけど、一緒の布団で温めあいながら寝たいな」
「……何も、しないの?」
「……え?」
動揺したような陸の顔。意地悪な言い方、しちゃったかな?

「キス、も?」

笑いを堪えながらそう言うと、陸は目を見開き、「バカ」と甘く俺を罵った。


ゆっくりと近づいてくる唇を、そっと目を閉じて受け入れる。
何度も何度も啄むように口付けて、俺は「もっと」と強請るように陸の背中に腕を回した。



クリスマスだからって、何か特別なことが起こるわけじゃない。
だけど、それに乗じてこうやって陸と特別な1日が過ごせるのなら、どんなイベントごとでも大歓迎だ。

2人で、同じ布団の中に入って抱きしめあう。
こうやって陸の腕の中で眠る幸せが、ずっと永遠に続けばいいのにと願いながら、俺は気持ちのいい微睡の淵へと落ちていった。

お休み、陸。
来年も、二十歳を過ぎても、ずっと2人でいられますように。


眠りに落ちる瞬間、俺は額に温かいぬくもりを感じたような気がした……。



メリークリスマス♪
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