近くにいるのに君が遠い

くるむ

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俺に触れて?

心も体も8

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ローションで濡れた指がくるりと円を描く。最初冷やりと感じたそれも、だんだん体温に馴染んで来た。

つぷり、と陸の指が入り込んでくる。

「…大丈夫か?」

心配そうな表情で、陸が俺を覗き込む。
違和感はやはり半端ないけれど、慎重にゆるゆると入ってくる陸の指を、もう怖いとは思わなかった。

「だい、じょぶ…」
「そっか」

慎重にゆっくりゆっくり俺の中を進む指。ある程度進んだところで、覚えのある強力な刺激が走った。

「つぁ…っ!」
「気持ちいいか?」
「ん、あっ、や…っ。んん…っ」

気持ちいいだなんてもんじゃない。強烈な快感が体中を走り抜け、びくびくと体が跳ねる。

「水…」

嬉しそうな、それでいて欲情に塗れた陸の声が、俺の耳に届く。俺にとってはそれすらも刺激になってしまうようで、体中が熱く溶けてしまいそうだ。
感じるあまりに漏れる自分の声が恥ずかしくて、必死に声を押し殺そうとしているのに、容赦ない陸の空いた手が、俺のわき腹を通って胸の突起をゆるゆると撫で始めた。

「あっ、ん…っ。や、だ、だめ…っり、陸…っ」
「可愛い…。水、もっと。…もっと声聞かせて…」
「…ん、ば、ばか…っ。あっ、ああっ…!」

いつの間にか中の指が増えていてバラバラに動き出す。

「あ、や…っ。やだぁ…」


下腹部が熱く滾る。俺のそれも、ゆっくりと反りあがり始めていた。

「つ…っ。ふ…ん、んん…っ」

漏れる声にびくびくと跳ねる体。体を捩って快楽を堪える俺に「もういいかな」と呟いて、陸が指を引き抜いた。

ゆっくりと膝裏を抱えあげられて、陸の熱いものが押し当てられた。
あっと、思うと同時に、陸の熱く固くなったそれがじわりと俺を押し広げて、ゆっくりゆっくり、まるで馴染ませてから進むくらいのスピードで、慎重に入ってくる。


「あ……」


体がやけに熱い。疼くようにしびれる熱で、頭の中が靄にかかったように朦朧としてくる。
陸が時折腰を軽く回す度に、そこから快感が体中に霧散していった。


「あ、ん…っ。り、陸…」

「大丈夫…。一緒に、いくから…」

そう言って、俺の頬に手を当てた後、陸が少し角度を変えてゆっくり進み、腰を抜き差しし始める。


「あっ、んん…っ」


また電流が走ったかのような強烈な快楽が走る。
陸の変えた角度の先は、今しがたさんざん喘がされたアノ場所だった。


「あ、や…っ。そこ、や、やだ…っ」

「好きだ。水…」

ゆっくりと抜き差ししていた陸のソレは、だんだんスピードを増してきていた。


「あ、あっ…っ、あぁっ、り、りく…っ」
「誰にもやらない……、俺、だけの…」

「あっ、俺、も……っ。俺も……、陸、だけ…」


陸だけなんかじゃない、俺だって陸を誰にも譲る気なんてない。
心の内を伝えてもらえる喜びに、伝えられる嬉しさに、俺の心も体も歓喜に震える。


「水、水…」

うわ言のように俺の名を呼びながら、陸が俺の唇に唇を重ねる。不自然な姿勢がきついけれど、それすらも嬉しくて、泣きそうになる。

唇を離した後の陸は、今までの気遣いをどこかに放り投げて、激しく俺の奥を突くように腰を動かした。

「あ、…っ。あ、ああ…っ」

もっと、もっと奥まで…!
陸は俺だけのものだって、俺は陸だけのものだって思わせて…っ!

俺の声が届いたのか、一心不乱に陸は俺を突き上げた。



悦楽と、満たされる思いにガクガクと揺れる体。
体の芯から湧き上がるように熱くうねった波が、激流のように俺の体を駆け抜ける。



「つ……っ!」


もうダメだと思ったところで、俺の意識は弾け飛んだ。
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