48 / 59
俺に触れて?
心も体も6
しおりを挟む
壁にもたれて支えるように俺を抱いていた陸が、片手を離してシャワーヘッドを掴む。
お湯を出して、俺の背中の泡を流してくれた。
「ほら、前も流すから」
そう言って、ぴったりくっついている俺の肩を少し押す。俺はちょっとムッとして、わざと陸の背に回す腕の力を強めてみた。
「水」
窘める様で、それでいてちょっぴり責める様な口調。
やっと本心を言い合う事が出来るようになったのに、もう少し甘えさせてくれてもいいじゃないか…。
だけど催促するように背中を軽くポンポンと叩くので、俺は渋々陸から体を離した。
体を少し離したせいで、お互いの顔を見ることが出来る状況に。
陸は俺の表情を見て、目をパチパチとさせた。
「何…? 拗ねてんの?」
「…悪いかよ」
そりゃ、男のくせに甘えたいだなんてカッコ悪いかもしれないけどさ。
陸には、陸にだけはもっといっぱいくっついて、俺だけのものなんだって思いたいんだよ。
「…悪くなんかないよ」
こんな優しい顔をするのかと思うくらいの甘い表情で、陸が俺を見つめる。陸の熱い掌が、俺の首に触れたかと思ったら、それが肩へとするりと滑り落ちた。
「俺の方が水よりずっと我慢が利かないんだよ。…早くベッドに行って、水の体中を愛したい」
「な、に…言って…」
トクン、トクン、トクン。
居心地の悪さと、恥ずかしさと欲情を伴って、甘い熱が俺の中を侵食していく。
俺の目を見てニコリと笑った陸は、そのまま俺に顔を寄せて唇を啄んだ。
何度も何度も愛しそうに啄んだ後、俺の頬を両手で挟んで、額をコツンとくっ付けた。
顔が焼けるように熱いから、きっと俺の顔は真っ赤だろう。
「いいよな?」
俺だけを映す、陸の瞳。その真剣な瞳が、俺を欲しいと訴えていて、既に芽生えてしまっている甘い熱がどんどんと広がって行った。
「うん」
俺は素直に頷いて、お互いの泡や…、放った汚れを綺麗に洗い流した。
タオルで体を拭いたまま、ベッドに行く。
陸は俺をベッドに腰かけさせたまま、バッグを漁っていた。そしてすぐに紙袋を持って戻ってくる。
「剛先輩がくれたんだ。中身は見るな、だけど後で絶対分かる時が来るからって。わけの分からないこと言うなーって思ってたんだけど…。ああ、やっぱりな」
そう言って、陸が取り出したのはゴムとローションだった。
それを脇に置いた陸が、纏ったままのバスタオルを剥いでベッドに乗り上がる。俺がもたもたとタオルを外していると、陸の手が伸びてきてあっさりと外され、そのまま押し倒された。
見つめあう目と目。
初めて押し倒された時は、陸も俺も余裕なんて無かったから、こんな風にお互いを確かめあう事も出来なかった。
涙が出そうになる。
こんな風に愛おしく、求め求められて抱き合う事が出来るだなんて、あの時は思う事すら出来なかったのに…。
愛おしそうに、陸の掌が俺の頬を撫でる。そしてそのままゆっくりと顔を近づけて、優しく口付けた。
甘く蕩けるように舌を絡めあう。その間も、陸の掌は俺の首筋や頬を何度も行き来する。
陸の、俺を愛しく思う気持ちが伝わって来て、素直にうれしいと思った。
甘いキスに夢中になっていると、いつの間にか陸の手がだんだん下降して、胸の突起にあたっていた。
「ん…っ」
ピクンと揺れる体。
ゆるゆると撫でまわすように擦られて、そこからじわじわと甘いしびれが疼きだした。
「ん、あ…っ。り、く…」
堪らなくて、陸の腕をギュッと握って足のつま先をきゅうっと握る。シーツに何度も擦り付けて、襲って来る快感を何とか散らそうとするけれど、陸の愛撫が容赦なくて、下腹部まで疼きだした。
胸を触る手はそのままに、陸の唇が下降してくる。首筋に唇が這い、耳たぶを食まれて、びくびくと体が震える。
「あ、んん…っ。やっ…」
「可愛い…」
「な、に…。アッ…」
陸の舌が耳を舐る。何度も食まれて、俺はびくびくと体を震わせた。
お湯を出して、俺の背中の泡を流してくれた。
「ほら、前も流すから」
そう言って、ぴったりくっついている俺の肩を少し押す。俺はちょっとムッとして、わざと陸の背に回す腕の力を強めてみた。
「水」
窘める様で、それでいてちょっぴり責める様な口調。
やっと本心を言い合う事が出来るようになったのに、もう少し甘えさせてくれてもいいじゃないか…。
だけど催促するように背中を軽くポンポンと叩くので、俺は渋々陸から体を離した。
体を少し離したせいで、お互いの顔を見ることが出来る状況に。
陸は俺の表情を見て、目をパチパチとさせた。
「何…? 拗ねてんの?」
「…悪いかよ」
そりゃ、男のくせに甘えたいだなんてカッコ悪いかもしれないけどさ。
陸には、陸にだけはもっといっぱいくっついて、俺だけのものなんだって思いたいんだよ。
「…悪くなんかないよ」
こんな優しい顔をするのかと思うくらいの甘い表情で、陸が俺を見つめる。陸の熱い掌が、俺の首に触れたかと思ったら、それが肩へとするりと滑り落ちた。
「俺の方が水よりずっと我慢が利かないんだよ。…早くベッドに行って、水の体中を愛したい」
「な、に…言って…」
トクン、トクン、トクン。
居心地の悪さと、恥ずかしさと欲情を伴って、甘い熱が俺の中を侵食していく。
俺の目を見てニコリと笑った陸は、そのまま俺に顔を寄せて唇を啄んだ。
何度も何度も愛しそうに啄んだ後、俺の頬を両手で挟んで、額をコツンとくっ付けた。
顔が焼けるように熱いから、きっと俺の顔は真っ赤だろう。
「いいよな?」
俺だけを映す、陸の瞳。その真剣な瞳が、俺を欲しいと訴えていて、既に芽生えてしまっている甘い熱がどんどんと広がって行った。
「うん」
俺は素直に頷いて、お互いの泡や…、放った汚れを綺麗に洗い流した。
タオルで体を拭いたまま、ベッドに行く。
陸は俺をベッドに腰かけさせたまま、バッグを漁っていた。そしてすぐに紙袋を持って戻ってくる。
「剛先輩がくれたんだ。中身は見るな、だけど後で絶対分かる時が来るからって。わけの分からないこと言うなーって思ってたんだけど…。ああ、やっぱりな」
そう言って、陸が取り出したのはゴムとローションだった。
それを脇に置いた陸が、纏ったままのバスタオルを剥いでベッドに乗り上がる。俺がもたもたとタオルを外していると、陸の手が伸びてきてあっさりと外され、そのまま押し倒された。
見つめあう目と目。
初めて押し倒された時は、陸も俺も余裕なんて無かったから、こんな風にお互いを確かめあう事も出来なかった。
涙が出そうになる。
こんな風に愛おしく、求め求められて抱き合う事が出来るだなんて、あの時は思う事すら出来なかったのに…。
愛おしそうに、陸の掌が俺の頬を撫でる。そしてそのままゆっくりと顔を近づけて、優しく口付けた。
甘く蕩けるように舌を絡めあう。その間も、陸の掌は俺の首筋や頬を何度も行き来する。
陸の、俺を愛しく思う気持ちが伝わって来て、素直にうれしいと思った。
甘いキスに夢中になっていると、いつの間にか陸の手がだんだん下降して、胸の突起にあたっていた。
「ん…っ」
ピクンと揺れる体。
ゆるゆると撫でまわすように擦られて、そこからじわじわと甘いしびれが疼きだした。
「ん、あ…っ。り、く…」
堪らなくて、陸の腕をギュッと握って足のつま先をきゅうっと握る。シーツに何度も擦り付けて、襲って来る快感を何とか散らそうとするけれど、陸の愛撫が容赦なくて、下腹部まで疼きだした。
胸を触る手はそのままに、陸の唇が下降してくる。首筋に唇が這い、耳たぶを食まれて、びくびくと体が震える。
「あ、んん…っ。やっ…」
「可愛い…」
「な、に…。アッ…」
陸の舌が耳を舐る。何度も食まれて、俺はびくびくと体を震わせた。
1
お気に入りに追加
281
あなたにおすすめの小説
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
いつの間にか後輩に外堀を埋められていました
雪
BL
2×××年。同性婚が認められて10年が経った現在。
後輩からいきなりプロポーズをされて....?
あれ、俺たち付き合ってなかったよね?
わんこ(を装った狼)イケメン×お人よし無自覚美人
続編更新中!
結婚して五年後のお話です。
妊娠、出産、育児。たくさん悩んでぶつかって、成長していく様子を見届けていただけたらと思います!
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる