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俺に触れて?
甘々旅行デート4
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時間を確認すると、もう三時を回っていた。
せっかく神社に来たのだからと、俺らはそれぞれお守りを買って帰ることにする。
「縁結びってどうなんだろ。これからの縁を呼ぶのなら、ちょっと意味が違うよな。…う~ん、分からん」
剛先輩がぶつぶつ言いながら選んでいるのに、礼人が相槌を打ちながら自分もきょろきょろ探していて、目を止める。
「ですよねぇ。あ、厄除けなんてあるぞ。クロ、お前これにしろよ」
ニシシと笑いながら、厄除けお守りを陸に差し出す。
「ああ? それはお前のが必要なんじゃねーの? モテすぎて、災難あり過ぎだから。俺は…」
もちろん俺も、そんな彼らを横目に、何かないかなぁと覗き込む。
あ、良い物発見!
ブルーとオレンジの二種類のうち、迷わずブルーを手に取って、陸に見せる。
「陸、これにしよう。これ! 開運お守り! 俺もこれにするから」
「開運お守り? へえ、いいな。それにしようか」
「…それもいいかなあ」
俺らの手元を覗き込んだ千佳が、自分もそれにしようかとお守りに手を伸ばしかけたのを、剛先輩の手が遮る。
「待て、待て。千佳はこれだ」
そう言って、剛先輩は千佳にストーカー悪縁除けのお守りを手渡した。
真剣な表情でガシッと千佳の肩に手を置き見つめる先輩を、千佳はキョトンと見上げた。
「いいか? 千佳は可愛い。だから変な輩がたくさん寄ってくるだろ? だからどうせお守りを買うのなら、そういう厄災から千佳を守るためのお守りを買え」
「剛先輩…」
千佳が感激したようにウルウルとした瞳で剛先輩を見上げる。
また二人の世界に入っちゃったよ…。
だけど千佳にストーカーなんて、最強の番犬が付いているからそんな心配はないんじゃないの?
そう思っているのはどうやら俺だけでは無いようで、みんな含みのある表情で二人を見ていた。
で、結局。
涼さんと俺と陸、そして礼人は開運守り、要さんと剛先輩は学業成就のお守り、千佳はストーカー悪縁除けのお守りを買う事になった。
礼人に、「お前も千佳と同じの買ったら?」と冗談交じりに笑いながら言われたけど、竹下との事は彼らのおかげで解決したし、千佳みたいに通るたびに男女構わず注目を浴びる事なんてあるわけないので、俺はすっぱりと断った。
陸も礼人の言葉に顎に手を置いて、何やら考えているようだったけど、俺は知らんふりしてさっさと代金を支払って、お守りをカバンにしまい込んだのだ。
せっかく神社に来たのだからと、俺らはそれぞれお守りを買って帰ることにする。
「縁結びってどうなんだろ。これからの縁を呼ぶのなら、ちょっと意味が違うよな。…う~ん、分からん」
剛先輩がぶつぶつ言いながら選んでいるのに、礼人が相槌を打ちながら自分もきょろきょろ探していて、目を止める。
「ですよねぇ。あ、厄除けなんてあるぞ。クロ、お前これにしろよ」
ニシシと笑いながら、厄除けお守りを陸に差し出す。
「ああ? それはお前のが必要なんじゃねーの? モテすぎて、災難あり過ぎだから。俺は…」
もちろん俺も、そんな彼らを横目に、何かないかなぁと覗き込む。
あ、良い物発見!
ブルーとオレンジの二種類のうち、迷わずブルーを手に取って、陸に見せる。
「陸、これにしよう。これ! 開運お守り! 俺もこれにするから」
「開運お守り? へえ、いいな。それにしようか」
「…それもいいかなあ」
俺らの手元を覗き込んだ千佳が、自分もそれにしようかとお守りに手を伸ばしかけたのを、剛先輩の手が遮る。
「待て、待て。千佳はこれだ」
そう言って、剛先輩は千佳にストーカー悪縁除けのお守りを手渡した。
真剣な表情でガシッと千佳の肩に手を置き見つめる先輩を、千佳はキョトンと見上げた。
「いいか? 千佳は可愛い。だから変な輩がたくさん寄ってくるだろ? だからどうせお守りを買うのなら、そういう厄災から千佳を守るためのお守りを買え」
「剛先輩…」
千佳が感激したようにウルウルとした瞳で剛先輩を見上げる。
また二人の世界に入っちゃったよ…。
だけど千佳にストーカーなんて、最強の番犬が付いているからそんな心配はないんじゃないの?
そう思っているのはどうやら俺だけでは無いようで、みんな含みのある表情で二人を見ていた。
で、結局。
涼さんと俺と陸、そして礼人は開運守り、要さんと剛先輩は学業成就のお守り、千佳はストーカー悪縁除けのお守りを買う事になった。
礼人に、「お前も千佳と同じの買ったら?」と冗談交じりに笑いながら言われたけど、竹下との事は彼らのおかげで解決したし、千佳みたいに通るたびに男女構わず注目を浴びる事なんてあるわけないので、俺はすっぱりと断った。
陸も礼人の言葉に顎に手を置いて、何やら考えているようだったけど、俺は知らんふりしてさっさと代金を支払って、お守りをカバンにしまい込んだのだ。
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