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俺を見て?
二度目の告白
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無言のまま、2人で歩く道のりは俺にとってはもの凄く重苦しい物だった。
あの時、とっさに俺の手を避けた陸は、ほぼ反射的にと言っていい様子だった。
あれは頭で考えての行動なんかじゃない。
苦く重い感情が俺の胸の内に広がって行く。
俺はどうしたいんだろう。
陸が友達に戻りたいと言ったら…?
それが出来ないのなら離れてくれと言ったら…?
離れる…。
そう考えた途端、ギリッと胸の痛みが更に酷くなった。
ああ、そうか。俺はどんな形ででも、陸の側にいたいんだ。離れる方が辛いんだ。
陸の気持ちが俺から離れてしまっているのに、俺はこんなにも陸が好きなんだなと改めて思い知らされて、思わず自嘲の笑みが漏れた。
『…お前は弱いようでも、芯はちゃんと強いよな? 俺がなにを言いたいのか分かるか?』
…全然強くなんかないですよ。
だけど――
もうこれ以上は…、うやむやにしている方が辛いよ。
「陸、俺とはもう…、友達に戻りたいって思ってる?」
「え?」
もの凄く驚いたような瞳で、陸が俺を見た。
久しぶりに真正面から俺を見る、陸の瞳だった。
「なに…言ってるんだ」
俺以上に、なぜか動揺した陸の声。久しぶりに真正面から見る陸の瞳には、戸惑いの色が映っていた。
「…、だって陸、俺のこと…。恋愛感情じゃ…ないんだろ?」
頑張って絞り出すように喋ったのに、今度は陸は動揺から一転し不機嫌なオーラを纏い始めた。
「どういうことだよ」
今まで目をそらし続けていた陸とは思えないくらい、強い瞳で俺を突き刺すように見る。
…何だよ。何でこっちが詰問されてるような気分にならなきゃならないんだ?
苛立ちすら見え隠れする陸の様子に、俺も何だか気持ちがざわついてくる。
「…だって、そうだろ? 陸…、アノ時を境に、俺のこと真っ直ぐ見ること無くなったじゃないか」
「水…」
「しかも、あの後俺に黙って知らないうちに帰って…! 俺の…こと、好きでも何でもないのなら、はっきり言ってくれ! そっ、その方が…っ」
必死で言葉を絞り出して自分の気持ちを訴えているうちに、俺の神経は高ぶってしまい涙が溢れ出てきてしまった。それに狼狽したかのように、陸が慌てて言葉を挟む。
「違う!! 俺が水のこと、なんとも思ってないわけないだろ! …どれだけ、俺が…っ」
「…え?」
びっくりして陸を見ると、苦しそうな、それでいて熱の籠った瞳で俺を見ていた。
だけどすぐに力なく下を向き、低く絞り出すような声で、苦し気に話し出す。
「…俺がお前のことを直視できなかったのは、…あの時、俺は自分の気持ちを抑えることが出来なくて、水の意思を無視して強引に…抱いただろ? お前、あんなに嫌がって抵抗してたのに…」
「……」
「…だから、怖かったんだ。水を傷つけて…、嫌われて離れていかれても仕方ないくらいのことをしたから。…だけど、身勝手かもしれないけど…水と別れるなんて絶対いやだったから…」
あまりにもらしくない弱々しい陸の本音に呆然とする。
そう、か。「目が覚めた」わけじゃなかったんだ…。
俺のことが…、好きだから。…好きすぎてって、こと…?
ホッとしたと同時に、ばかばかしくなってくる。
「なん…だよ。もう」
ため息をつきながらポツリと溢すと、バツの悪そうな陸と目が合った。
「…悪かった。水をそんなに追い詰めてるとは思わなくて」
「ホントだよ。もう」
ホッとした俺は、もうなんとも思ってないということを伝えたくて、軽い口調で返事をする。そんな俺に、陸は真っ直ぐに、真剣な表情をよこした。
「水、好きだ。お前以外、俺は誰も目になんか入らない。ちゃんと大事にやり直したいから、俺と付き合ってくれないか?」
「り…く」
二度目の陸の告白。それでも色褪せずに、俺の心に染み渡る。
「うん。こちらこそ、よろしく」
俺はにっこりと笑って陸を見上げた。
あの時、とっさに俺の手を避けた陸は、ほぼ反射的にと言っていい様子だった。
あれは頭で考えての行動なんかじゃない。
苦く重い感情が俺の胸の内に広がって行く。
俺はどうしたいんだろう。
陸が友達に戻りたいと言ったら…?
それが出来ないのなら離れてくれと言ったら…?
離れる…。
そう考えた途端、ギリッと胸の痛みが更に酷くなった。
ああ、そうか。俺はどんな形ででも、陸の側にいたいんだ。離れる方が辛いんだ。
陸の気持ちが俺から離れてしまっているのに、俺はこんなにも陸が好きなんだなと改めて思い知らされて、思わず自嘲の笑みが漏れた。
『…お前は弱いようでも、芯はちゃんと強いよな? 俺がなにを言いたいのか分かるか?』
…全然強くなんかないですよ。
だけど――
もうこれ以上は…、うやむやにしている方が辛いよ。
「陸、俺とはもう…、友達に戻りたいって思ってる?」
「え?」
もの凄く驚いたような瞳で、陸が俺を見た。
久しぶりに真正面から俺を見る、陸の瞳だった。
「なに…言ってるんだ」
俺以上に、なぜか動揺した陸の声。久しぶりに真正面から見る陸の瞳には、戸惑いの色が映っていた。
「…、だって陸、俺のこと…。恋愛感情じゃ…ないんだろ?」
頑張って絞り出すように喋ったのに、今度は陸は動揺から一転し不機嫌なオーラを纏い始めた。
「どういうことだよ」
今まで目をそらし続けていた陸とは思えないくらい、強い瞳で俺を突き刺すように見る。
…何だよ。何でこっちが詰問されてるような気分にならなきゃならないんだ?
苛立ちすら見え隠れする陸の様子に、俺も何だか気持ちがざわついてくる。
「…だって、そうだろ? 陸…、アノ時を境に、俺のこと真っ直ぐ見ること無くなったじゃないか」
「水…」
「しかも、あの後俺に黙って知らないうちに帰って…! 俺の…こと、好きでも何でもないのなら、はっきり言ってくれ! そっ、その方が…っ」
必死で言葉を絞り出して自分の気持ちを訴えているうちに、俺の神経は高ぶってしまい涙が溢れ出てきてしまった。それに狼狽したかのように、陸が慌てて言葉を挟む。
「違う!! 俺が水のこと、なんとも思ってないわけないだろ! …どれだけ、俺が…っ」
「…え?」
びっくりして陸を見ると、苦しそうな、それでいて熱の籠った瞳で俺を見ていた。
だけどすぐに力なく下を向き、低く絞り出すような声で、苦し気に話し出す。
「…俺がお前のことを直視できなかったのは、…あの時、俺は自分の気持ちを抑えることが出来なくて、水の意思を無視して強引に…抱いただろ? お前、あんなに嫌がって抵抗してたのに…」
「……」
「…だから、怖かったんだ。水を傷つけて…、嫌われて離れていかれても仕方ないくらいのことをしたから。…だけど、身勝手かもしれないけど…水と別れるなんて絶対いやだったから…」
あまりにもらしくない弱々しい陸の本音に呆然とする。
そう、か。「目が覚めた」わけじゃなかったんだ…。
俺のことが…、好きだから。…好きすぎてって、こと…?
ホッとしたと同時に、ばかばかしくなってくる。
「なん…だよ。もう」
ため息をつきながらポツリと溢すと、バツの悪そうな陸と目が合った。
「…悪かった。水をそんなに追い詰めてるとは思わなくて」
「ホントだよ。もう」
ホッとした俺は、もうなんとも思ってないということを伝えたくて、軽い口調で返事をする。そんな俺に、陸は真っ直ぐに、真剣な表情をよこした。
「水、好きだ。お前以外、俺は誰も目になんか入らない。ちゃんと大事にやり直したいから、俺と付き合ってくれないか?」
「り…く」
二度目の陸の告白。それでも色褪せずに、俺の心に染み渡る。
「うん。こちらこそ、よろしく」
俺はにっこりと笑って陸を見上げた。
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