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これからです
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暖かく心地よい気持ちで目をあけた。
いつものぼくの部屋じゃない感じとゆるく抱きしめられている感覚に顔を上げると、目を細めたルークと目が合った。
「気分はどう?」
ルークの手が、ぼくの髪を優しく撫でる。
「気分……」
どういうことだろうと一瞬考えて、でもすぐにボンッと顔が熱くなった。
「だ、大丈夫です。全然大丈夫!」
「そう?」
ルークの顔が嬉しそうに綻ぶ。もともとキラキラしているのに、今はいつもの倍以上で、眩しいくらいの輝く笑顔だ。
あっ!
突然のんびりしていちゃいけないことに気がついた。今日ぼくは婚約式を済ませてからそのままここにお邪魔しているんだ。そろそろ帰らなくては。
「ルーク様!」
「ルークだ」
ああ、そうだった。敬称と敬語禁止だった。
「すみ……、ごめんルーク。長居しちゃって。そろそろ帰らなくちゃ」
「大丈夫だよ、それなら。モンゴメリー公爵と話はついているって、父上が言ってた」
「えっ、そうなんですか?」
いつのまにそんな話になってたんだろう?
「だからね、もう少しのんびりしててもいいんだよ」
「そ、そうですか?」
「ノエル、敬語」
「あ、うん」
キュルルルル。
「何、その可愛い音」
「ぼくのお腹の音だ……」
穴があったら入りたいとは、きっとこのことだ。なんでこんな時に、お腹が鳴るかな?
「夕食の時間はとっくに過ぎてるものね。仕方がないよ、僕もお腹空いたな」
もうすでに食事を済ませている時間だからと、ルークはメイドに言って食事を部屋に運ばせた。
「大丈夫かな? 最初からこんなわがまましちゃって」
「大丈夫だよ。 母上は今頃、思い通りになったと喜んでいるに違いないよ」
思い通り……。
カーッと顔が熱くなった。
「ねえ、ノエル」
「はい」
「僕はね、実は最近までちょっとよくわからない気持ちを抱えていたんだ」
きょとんとするぼくに、ルークが苦い笑みを浮かべる。
「ノエルのことを思うとき、今度こそ間違ってはいけないって、何かを強く後悔しているような感情なんだよ」
「ルーク……」
「それはきっと、あの闇魔道士に強制的に思わされていたサラへの感情のことだったんだね。君には本当に酷いことを」
「ルーク、それはもういいんですよ。終わったことですから」
ぎゅっとルークの手を握り、その瞳を見つめた。
ルークはキュッと唇を噛んだ。
「……そうだね。――ノエル、これから僕は、君のことを大事にして一生守ると誓うよ。だからずっと僕のそばにいてくれ」
「はい、ルーク」
見上げた先のルークの瞳は少しうるんでいる。
「ぼくもルークを一生守ると誓います」
「うん、ありがとう」
穏やかで暖かい気持ちに満たされる。この時、キリンスがぼくの庭で揺れているような気がした。
いつものぼくの部屋じゃない感じとゆるく抱きしめられている感覚に顔を上げると、目を細めたルークと目が合った。
「気分はどう?」
ルークの手が、ぼくの髪を優しく撫でる。
「気分……」
どういうことだろうと一瞬考えて、でもすぐにボンッと顔が熱くなった。
「だ、大丈夫です。全然大丈夫!」
「そう?」
ルークの顔が嬉しそうに綻ぶ。もともとキラキラしているのに、今はいつもの倍以上で、眩しいくらいの輝く笑顔だ。
あっ!
突然のんびりしていちゃいけないことに気がついた。今日ぼくは婚約式を済ませてからそのままここにお邪魔しているんだ。そろそろ帰らなくては。
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ああ、そうだった。敬称と敬語禁止だった。
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「えっ、そうなんですか?」
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「あ、うん」
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「何、その可愛い音」
「ぼくのお腹の音だ……」
穴があったら入りたいとは、きっとこのことだ。なんでこんな時に、お腹が鳴るかな?
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「大丈夫かな? 最初からこんなわがまましちゃって」
「大丈夫だよ。 母上は今頃、思い通りになったと喜んでいるに違いないよ」
思い通り……。
カーッと顔が熱くなった。
「ねえ、ノエル」
「はい」
「僕はね、実は最近までちょっとよくわからない気持ちを抱えていたんだ」
きょとんとするぼくに、ルークが苦い笑みを浮かべる。
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「……そうだね。――ノエル、これから僕は、君のことを大事にして一生守ると誓うよ。だからずっと僕のそばにいてくれ」
「はい、ルーク」
見上げた先のルークの瞳は少しうるんでいる。
「ぼくもルークを一生守ると誓います」
「うん、ありがとう」
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