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ハイスランド学園入学
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ルークとの婚約の許可は別としても、ぼくはぼくの今まで満足に叶えられなかった夢のためにも、ハイスランド学園に通うことを希望していた。
ルークは宣言した通り、ぼくとの仲を進めていきたいと思っているようで、時間を見つけては会いにきていた。
そして時は過ぎ、ハロルド兄様がハイスランド学園に入学し、その一年後、ぼくもルークもアーネストも、無事にハイスランド学園に入学した。
「見て見て、ルーク様よ。いつ見ても素敵よね」
「ああ、格好いいよな。惚れ惚れする」
彼らの視線の先には校庭を歩くルークがいた。朝日を浴びて、キラキラと輝く金色の髪をなびかせている。
ルークはいつも大勢の視線を集める。それは公爵家の嫡男だからということだけでなく、彼自身が放つ魅力あふれるオーラのせいでもあるのだろう。そして何より顔がいい。
「それに知ってます? ルーク様、まだ婚約相手は決まってないらしいんですのよ」
「まあ、どうしてなんでしょう?」
「公爵家だものなー。やっぱり高い理想があるんだろう」
「ええー? じゃあ私らには無理ってことですか?」
「勝手なこと言ってますね」
アーネストがちらりと僕を見る。
「仕方ないよ、みんな知らないんだから」
ぼくがハイスランド学園に入学したことでルークとの婚約を最低限突破したことにはなるけれど、まだ正式に婚約が決まったわけではない。
それは僕の中でもそうだった。
サラもこの学園に入学しているのでルークとの接点は多分これからだ。これからの2人がどうなっていくのかわからないから、ぼくの方としても、彼らを注視していかないといけないと思っている。
「それにしても、ノエル様と同じクラスで良かったです」
「それはぼくもだよ」
ぼくとアーネストはAクラスだ。
ハイスランド学園は成績順でクラスが決まっていく。トップは特進Aクラス。そしてAクラス、Bクラス、Cクラスと続く。
ハイスランド学園は三年で卒業するのだが、まだまだ学びたいものはハイスランド学院でもう三年学ぶことができる。ただ、それは学園を卒業した者に限られたもので、それでも試験に受からなければ合格できない。ただ、卒業時に特進Aクラスにいる者だけは、希望すれば自動的に学院に入学することができた。
クラス編成は純粋な成績順なので、学科が違う人とも同じクラスになることがある。それは基本の授業がみんな同じということもあり、魔法属性の違う者同士との交流も必要だと考えられたからだ。
それなのでハイスランド学園の授業は、基本科目と選択科目から成り立つことになる。
「ルーク様は特進でしたね」
「うん」
ぼくは前回 Bクラスだった。これだけは、一度学園に通った記憶が役に立ったと言えることだ。
「あっ」
「え?」
僕が思わず声を発してしまったので、アーネストも何事かと窓の下のルークに目を戻した。
ルークのそばにサラがやってきて、話しかけている。
今まで気をつけていたけれど、ルークのそばにサラの影を感じたことはなかった。もしかしたらこれが、ルークとサラの出会いなのか? それとも、ぼくが気がつかなかっただけで、2人はもう知り合いだったりするんだろうか?
心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいバクバクと激しい音を立て始めた。掌からの汗がやばい。
親しい素振りがあるのかしっかり確認しようと思っていたのだけど、ルークは一言二言話しただけですぐにサラのもとから離れていった。サラは、茫然といった感じで立ちすくんでいる。
「ありゃー、ルーク様、やけにあっさりしてますね。大好きなノエル様に勘違いさせる要因を作ってはまずいと思ったんでしょうかね」
「え?」
「だって、なんとなくサラ嬢、ルーク様に気があるように見えませんでした?」
「……それは、うん」
「男前ですねえ、ルーク様」
そう、なのか?
アーネストと話しながらぼくは、じっとルークを見続けていた。視線を感じたのか、ルークがパッと上を見る。パチッとぼくと目が合った。
途端にルークの表情が、ぱあっと花が咲いたように明るくなった。そして僕にニコニコと手を振る。
「ほら、ノエル様も」
戸惑いながらもぼくは、アーネストに促されて手を振り返した。
ルークは宣言した通り、ぼくとの仲を進めていきたいと思っているようで、時間を見つけては会いにきていた。
そして時は過ぎ、ハロルド兄様がハイスランド学園に入学し、その一年後、ぼくもルークもアーネストも、無事にハイスランド学園に入学した。
「見て見て、ルーク様よ。いつ見ても素敵よね」
「ああ、格好いいよな。惚れ惚れする」
彼らの視線の先には校庭を歩くルークがいた。朝日を浴びて、キラキラと輝く金色の髪をなびかせている。
ルークはいつも大勢の視線を集める。それは公爵家の嫡男だからということだけでなく、彼自身が放つ魅力あふれるオーラのせいでもあるのだろう。そして何より顔がいい。
「それに知ってます? ルーク様、まだ婚約相手は決まってないらしいんですのよ」
「まあ、どうしてなんでしょう?」
「公爵家だものなー。やっぱり高い理想があるんだろう」
「ええー? じゃあ私らには無理ってことですか?」
「勝手なこと言ってますね」
アーネストがちらりと僕を見る。
「仕方ないよ、みんな知らないんだから」
ぼくがハイスランド学園に入学したことでルークとの婚約を最低限突破したことにはなるけれど、まだ正式に婚約が決まったわけではない。
それは僕の中でもそうだった。
サラもこの学園に入学しているのでルークとの接点は多分これからだ。これからの2人がどうなっていくのかわからないから、ぼくの方としても、彼らを注視していかないといけないと思っている。
「それにしても、ノエル様と同じクラスで良かったです」
「それはぼくもだよ」
ぼくとアーネストはAクラスだ。
ハイスランド学園は成績順でクラスが決まっていく。トップは特進Aクラス。そしてAクラス、Bクラス、Cクラスと続く。
ハイスランド学園は三年で卒業するのだが、まだまだ学びたいものはハイスランド学院でもう三年学ぶことができる。ただ、それは学園を卒業した者に限られたもので、それでも試験に受からなければ合格できない。ただ、卒業時に特進Aクラスにいる者だけは、希望すれば自動的に学院に入学することができた。
クラス編成は純粋な成績順なので、学科が違う人とも同じクラスになることがある。それは基本の授業がみんな同じということもあり、魔法属性の違う者同士との交流も必要だと考えられたからだ。
それなのでハイスランド学園の授業は、基本科目と選択科目から成り立つことになる。
「ルーク様は特進でしたね」
「うん」
ぼくは前回 Bクラスだった。これだけは、一度学園に通った記憶が役に立ったと言えることだ。
「あっ」
「え?」
僕が思わず声を発してしまったので、アーネストも何事かと窓の下のルークに目を戻した。
ルークのそばにサラがやってきて、話しかけている。
今まで気をつけていたけれど、ルークのそばにサラの影を感じたことはなかった。もしかしたらこれが、ルークとサラの出会いなのか? それとも、ぼくが気がつかなかっただけで、2人はもう知り合いだったりするんだろうか?
心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいバクバクと激しい音を立て始めた。掌からの汗がやばい。
親しい素振りがあるのかしっかり確認しようと思っていたのだけど、ルークは一言二言話しただけですぐにサラのもとから離れていった。サラは、茫然といった感じで立ちすくんでいる。
「ありゃー、ルーク様、やけにあっさりしてますね。大好きなノエル様に勘違いさせる要因を作ってはまずいと思ったんでしょうかね」
「え?」
「だって、なんとなくサラ嬢、ルーク様に気があるように見えませんでした?」
「……それは、うん」
「男前ですねえ、ルーク様」
そう、なのか?
アーネストと話しながらぼくは、じっとルークを見続けていた。視線を感じたのか、ルークがパッと上を見る。パチッとぼくと目が合った。
途端にルークの表情が、ぱあっと花が咲いたように明るくなった。そして僕にニコニコと手を振る。
「ほら、ノエル様も」
戸惑いながらもぼくは、アーネストに促されて手を振り返した。
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