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お茶会に参加 2

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「女の子も結構いますね」

「公爵家の婚約者になれれば安泰だからね」
 そう言いながらぼくは、心の中で破棄されなければねと呟いていた。5回も破棄されたんだ。そう思ったって間違いじゃないだろ?

「じゃあノエル様も頑張ってください」
「いや、ぼくはいいよ。それより」
 お菓子がおいしそうだよと続けようと思ったところで、あたりがざわざわと騒がしくなった。

「あっ、ルーク様ですよ」
「…………」

 さらさらと金色の髪をなびかせてルークが現れた。涼しげな目元に形の良い唇。柔らかい笑顔はキラキラと輝いて、本当に貴公子そのものだ。みんなの目はルークに釘付けになっていた。
 あの頃のぼくも、その中の一人だったんだよな。

「アーネストはどうするの? ルーク様と仲良くなりたい?」
「んー、まあ。評判は悪くない方だと思いますけどね。あまり選ばれる感じがしませんね」
 うん、その勘は当たっているよ。

「でも一応挨拶にはいってきます。両親にもそう言われてきましたから。ノエル様も行きましょう」
「いや、ぼくは焼き菓子を……」
「ノエル様にその気がないのでしたら、とりあえず挨拶だけして終わればいいじゃないですか。それから一緒にお菓子を頂きましょう」
 
 ね?と、有無を言わせない雰囲気で微笑まれ腕を掴まれた。仕方がないので、アーネストに引っ張られる形でしぶしぶあとに続いた。

 ルークに挨拶するために並んでいる列の最後尾に2人で並んだ。
 そういえば、ルークが好きな女性はこの茶会に来ているんだろうか?
 名前は……たしかサラ・ラッフェル伯爵令嬢。愛らしいくりくりとした目と、ふわふわとした柔らかい髪が特徴的だった。 
 きょろきょろとあたりを見回してみたけれど、そんな姿は見当たらなかった。
 まあ、こんなに大勢人がいたら、探せなくても当たり前かもしれないけど。

「……様、ノエル様、次ですよ!」
「えっ? あっ、ああ」

 考え事をしているうちに(なんてこった!)ぼくの番になっていたようだ。ルークが優しく微笑みながら、じっとこちらを見ている。

 ああ、そうだった。彼はこんな感じだった。
 穏やかな雰囲気に好感がもてて、婚約を申し込まれた時すごく嬉しいと思ったんだ。それなのに――。
 いけない、いけない。今はこんなことを考えてる場合じゃなかった。

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