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第五章

あの時とおんなじ……_| ̄|○

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「今度の報告会の議題だけど、三年の方から苦情が出てるんだ」
「どんなですか?」

「一部の一年なんだけど、"探検隊"とか称して三年の部屋の廊下を走り回り、留守の部屋を当てるというふざけたゲームをしているんだ」

「……度胸ありますね。騒ぎにはなったんですか?」
「なったんだが ――」

「ダメだよ、ここじゃ」
「じゃあ何処ならいいんだよ。」

駿介達の会話の邪魔にならないようにとほんの少し離れて立っていると、背後からイチャイチャ寸前の会話が聞こえてきた。思わず全身が耳になる。

「……じゃあ、こっち」

こっ……、これは!

どうしよう、どうしよう。
駿介達はまだ熱心に、真剣に話を続けている。
あ~、あいつら行っちゃう。う~。

二人は角を曲がって俺の視界から姿を消した。腐男子の条件反射だ。

少し、少しだけだから。
心の中で駿介に言い訳をして、俺は二人のあとを慎重について行った。

彼らはどんどんどんどん先を歩いて行く。

もうさー、手っ取り早くそこらの教室に入ってキスでもハグでもいいからサッサとやれよ。そしたらすぐに戻るのに……!?

前のめりになって彼らを見ていたら、突然後ろから口を塞がれ羽交い絞めにされた。

嘘だろ、またかよ!? 

バカだ、俺。
この間と全く同じ状況じゃん!

バタバタ暴れて必死に抵抗したのだけど、近くの教室にズルズルと引きずり込まれてしまった。

「んんぐっ……! んんーーー!」
「うるせえっ、黙れ!!」

「グハッ……!」

乱暴に放り投げられたうえ、腹を足で踏みつけられて反射的に咳こんだ。
お腹を手でかばいながら咳込む俺を、谷口らは冷ややかに見ている。

「まったく、駿介の趣味も大したことないよなあ」
「まあ、そう言うな。こいつたまには可愛い顔もするんだぞ」
「…………」

こいつらの会話に心底げんなりした。多少の違いはあっても、あの時とほぼ同じ会話だ。

やっぱり無かったことになってんじゃんよー。女神様のバカ!

「おい」

谷口が俺の顎を乱暴に持ち上げた。女神に文句を言ってる場合じゃなかった。

「駿介にはどこまでされたんだ?」
「……くな」
「何?」
「気持ち悪いこと聞くなって言ってんだよ!」
「なんだとーーー!」

やべっ!
挑発して怒らせちまった!

激昂した谷口が俺の顔を思いっ切り殴った。痛みに呻いている間に、谷口が俺のシャツを強引に引き裂く。ボタンがいくつか飛び散った。
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