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第四章

あなたが邪魔なんです

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「いてっ!」

乱暴に落とされて腰をしたたか打った。連れて来られたのは教室だった。

トイレでないだけまだマシか……。

「駿介の趣味も変わったよな。樹辺りならまだ納得なのに」
「そう言うなよ。こいつ意外と時々、可愛い顔するんだぜ」

痛さのあまり床に蹲るように転がったままの俺の顎を捉え、上向かせたのは谷口だった。

「そうかよ」

谷口の言葉に、値踏みするようにもう一人の奴が俺を見る。

マジで拙いぞ、このままじゃ。
何とか隙をついて、ここから逃げなきゃ。

ドクンドクンと心臓がうるさい。手からも背中からも冷や汗は半端ないけど、どうにかして反撃しないと。

「おい」
「…………」

上から俺を見下ろす谷口を、無言で睨んだ。

「駿介に、どこまでされた?」

……何言ってるんだ、こいつ。

「キスくらいされてるんだろう? ……それとも、最後まで行ったか?」

そう言いながら俺のTシャツの裾をめくろうとしたので、反射的に脚で谷口を蹴ろうとしたのだけど、逆に足を取られて股を開くような格好をさせられてしまった。焦って足を閉じようとジタバタしている最中に、背後からのんびりとした声がした。

「あれ? 何だ、まだそんなとこ?」

聞き覚えのある声に視線を向けると、すました顔の三森がこちらに歩み寄って来る。
背筋に悪寒のようなものが走った。

「お前、何で……、っ……、やめっ……、あっ!」

三森の登場に呆然としている俺の股間を谷口がグリッと押すように撫で上げて、ビクンと体が大げさに跳ねた。情けなさと羞恥で顔が熱くなる。ついでに頭にも血が上った。

「離……、せっ!」

これでもかと思いっ切り足を蹴り上げると、今度はしっかり谷口にヒットした。「いてっ!」と呻いて体勢を崩した谷口から逃げようとしたのだけど、今後は別の奴に後ろから羽交い絞めにされてしまった。

「離せ……っ、離せってば!」

どんなに暴れても後ろの奴は微動だにしない。こっちはこんなに必死になってるのに!
三森はそんな俺を薄ら笑って見ている。

「どういう事だよ、三森!」
「先輩方、早くしないと時間ないですよ? とっととやっちゃって、駿介から引き離してくださいよ」
「……!?」

こいつが谷口をそそのかしたのか?
何で!? 俺がそんなに憎いのか?

驚愕して凝視する俺を、三森は冷めた目で見た。

「言ったでしょう? 僕はあなたが邪魔なんですよ」

その冷たい声音に戦慄を覚えた時――、


急に凄い稲光が発したかと思ったら、突然綺麗な女性が二人現れた。
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