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第四章
バレちゃったよ……
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どうやら樹たちは、食堂でお互いの気持ちを伝え合ったらしい。登校するさなか、二人の感じは幸せな初々しい雰囲気に包まれていた。
俺はというと、三森の事が気になっていて、何とかして二人で話をしたいと思っていた。
なんだけど……。
一人になれる時間がないんだよ!
谷口のせいで駿介が俺にすごく気を遣ってくれて、片時も目を離さないし(もちろん嬉しいけどな!)。駿介がいない時はいない時で、青島が傍にくっついてるし……っ。
そうして俺が動けずにいるうちに時間だけはドンドン過ぎて行き、とうとう体育祭が始まってしまった。
「最初はリレーなんだね」
「そうだな」
「本当は俺、これに出たかったんだけどな」
「そうだったな。でも、これがダメだったから俺と二人三脚することになったんじゃないか」
「それは……、そう……なんだけど」
良介に顔を近付けられ微笑まれて、樹は分かりやすく頬を染めた。
はわわわわ❤
可愛い、可愛い樹。デレてる、デレてる。
もっとイチャイチャしろ! 抱き付け、キスしろ!
……てか、こんなみんなの前じゃ無理か。
駿介の隣で、俺はさっきから樹たちをこっそり覗き見中。
「芹沢、お前気持ち悪いぞ」
「えっ?」
樹と良介のイチャイチャに気が行ってて、青島が自分をガン見している事に気が付かなかった。慌てて繕っても、もう遅い。青島は、相当引いた目で俺を見ている。
「おい、気持ち悪いだなんて失礼だぞ」
駿介が庇うように俺を引き寄せた。
「だってこいつさ、時々ニヤニヤして仲良さそうな奴らを見てるんだぜ。キモイだろ?」
「キモイ言うな! 誰だって仲良さそうなのを見たら幸せになるじゃんか!」
「……程度だ」
呆れたような青島の声に、駿介が表情を止めた。
「……それについては俺も、少し気になってたけどな。俺といるときも、時々ニヤニヤしながらよそ見してるし」
!!
「だろ? こいつ、仲良さそうといえば聞こえはいいけど、見ようによってはイチャイチャしている奴らを見ては、ニヤニヤしてるんだぞ」
「そ、そんなことは……」
「――あ、あいつらキスしようとしてる」
「えっ、どこどこ? ……あっ!」
あまりにも分かりやすい青島の誘導にさえ、引っ掛かってしまった。青島は爆笑し、駿介は忍び笑いをしている。
うう……。
「変な趣味だよな、お前」
「だって……」
チラリと駿介を窺った。呆れを通り越して、幻滅されたらどうしよう。
「可笑しな趣味だとは思うけど、喧嘩してる奴らを見て楽しんでいるよりはいいんじゃないか?」
「まあ、それはそうだな」
「駿介……」
なんて心の広い奴。もっと引かれるかと思ったのに。
「てことはだ、ここでキスしても構わないってことだよな」
そう言いながら駿介が、俺の肩を抱き寄せ顎を捉える。
「ばっ、違うよ! 見られるのが趣味じゃなくて見るのが趣味なの!」
そう叫ぶ俺に、駿介と青島は爆笑した。
俺はというと、三森の事が気になっていて、何とかして二人で話をしたいと思っていた。
なんだけど……。
一人になれる時間がないんだよ!
谷口のせいで駿介が俺にすごく気を遣ってくれて、片時も目を離さないし(もちろん嬉しいけどな!)。駿介がいない時はいない時で、青島が傍にくっついてるし……っ。
そうして俺が動けずにいるうちに時間だけはドンドン過ぎて行き、とうとう体育祭が始まってしまった。
「最初はリレーなんだね」
「そうだな」
「本当は俺、これに出たかったんだけどな」
「そうだったな。でも、これがダメだったから俺と二人三脚することになったんじゃないか」
「それは……、そう……なんだけど」
良介に顔を近付けられ微笑まれて、樹は分かりやすく頬を染めた。
はわわわわ❤
可愛い、可愛い樹。デレてる、デレてる。
もっとイチャイチャしろ! 抱き付け、キスしろ!
……てか、こんなみんなの前じゃ無理か。
駿介の隣で、俺はさっきから樹たちをこっそり覗き見中。
「芹沢、お前気持ち悪いぞ」
「えっ?」
樹と良介のイチャイチャに気が行ってて、青島が自分をガン見している事に気が付かなかった。慌てて繕っても、もう遅い。青島は、相当引いた目で俺を見ている。
「おい、気持ち悪いだなんて失礼だぞ」
駿介が庇うように俺を引き寄せた。
「だってこいつさ、時々ニヤニヤして仲良さそうな奴らを見てるんだぜ。キモイだろ?」
「キモイ言うな! 誰だって仲良さそうなのを見たら幸せになるじゃんか!」
「……程度だ」
呆れたような青島の声に、駿介が表情を止めた。
「……それについては俺も、少し気になってたけどな。俺といるときも、時々ニヤニヤしながらよそ見してるし」
!!
「だろ? こいつ、仲良さそうといえば聞こえはいいけど、見ようによってはイチャイチャしている奴らを見ては、ニヤニヤしてるんだぞ」
「そ、そんなことは……」
「――あ、あいつらキスしようとしてる」
「えっ、どこどこ? ……あっ!」
あまりにも分かりやすい青島の誘導にさえ、引っ掛かってしまった。青島は爆笑し、駿介は忍び笑いをしている。
うう……。
「変な趣味だよな、お前」
「だって……」
チラリと駿介を窺った。呆れを通り越して、幻滅されたらどうしよう。
「可笑しな趣味だとは思うけど、喧嘩してる奴らを見て楽しんでいるよりはいいんじゃないか?」
「まあ、それはそうだな」
「駿介……」
なんて心の広い奴。もっと引かれるかと思ったのに。
「てことはだ、ここでキスしても構わないってことだよな」
そう言いながら駿介が、俺の肩を抱き寄せ顎を捉える。
「ばっ、違うよ! 見られるのが趣味じゃなくて見るのが趣味なの!」
そう叫ぶ俺に、駿介と青島は爆笑した。
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