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第三章
こういうところが苦手なんだ
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「それで、水本会長とはどんな話をしていたんだ?」
遅い夕食になってしまったので、食堂内は半分以上はガラガラだ。俺らは適当にテーブルに着いて、三人とも日替わり定食を食べている。
「ん? 色々と。体育祭の話とか…… 、ああそれと三森のことも話題に上ってたな」
「三森? あいつ、何かしたの?」
「いや、そういう事じゃなくて。噂話的なことかな」
「噂?」
「そ。最近やたらキラキラしてきて、人気急上昇なんだってさ」
「はあ? 何考えてんだ、あいつ!」
思わず大声が出てしまった。
だってさ、本編に関係ない俺達が出しゃばるって不味いだろ?
そりゃ、俺だって他人のことは言えないよ。目立つ駿介の恋人なんかになっちゃってるし、なぜか最初から主人公樹の友人にまでなっていたし……。
あれ?
そう言えば何で俺は、最初から主要キャラに絡んでいたんだろう?
「どうした、大声出して」
「えっ? あ、いや……」
やっべ。過剰反応しちまった。
慌ててどう言い作ろうかと思っていたら、青島と目が合った。
「芹沢、最近あの三森のことかなり意識するようになったよな。こないだも廊下で、三森のことジッと見てただろ。……他の奴のことは、さほど気にもしないのに」
「……え?」
何だよ青島の奴、俺の事まで観察してたのか?
一瞬、背中を変な汗が流れた。
青島のこういうとこ、こう言う所が嫌なんだよ。
「おい、変な言い方するなよ信也」
声のトーンを抑えた青島の意図を、駿介なりに何か感じたのだろう。低い声で青島を注意した。それに青島は片眉を上げて、肩をすくめる。
「別に……。何でかなあって思っただけだ」
「こ……、こっちだって、別にだよ。ただ、三森には駿介を譲れなんてとんでもないこと言われたから、余計に嫌いになってるだけだ」
「は? あいつ、そんな事言ったのか?」
俺の返事に青島は、驚いた表情で俺を見た。
嘘を言ってるわけじゃない。三森への警戒心の2割ぐらいはそれだ。本当は別の8割の方が、肝心なんだけど。
青島が俺の言葉に驚いてくれたことにホッとして、言葉を続けた。
「そうだよ。自分の恋人を譲れなんて言われたら、誰だって嫌いになるよ」
「駿介は、三森に何か言われているのか? 好きとか、付き合ってくれとか」
「いや? 特にこれといった事は言われてない」
「はあ。面倒臭い奴だな。告られれば、さっさと断れるのにな。……ああ、そういう事か」
「待たれようがアプローチされようが、タイプじゃない奴は眼中にない。だから真紀も――」
そう言った後、駿介は俺の方を向き顎を捉えた。
う、うわわ。
そ、そんな綺麗で真摯な眼差しで、……こんな近くから見るなよ。し、しかも顎! 顎捕まえんな! こんな人前で!
突然の駿介の行為に顔はカッカと熱くなるし、心臓は壊れそうなくらいに煩くなってる。
「余計なことは考えないで、俺だけ見てろ」
――。
息を呑み、言葉を発することが出来ない俺に、駿介は「ん?」と返事を催促した。
いっぱいいっぱいな俺は、コクコクと頷くしか出来なかったけれど、でもそれでも駿介は満足そうに微笑んだ。
「さっ、いい加減に、飯たべようぜ」
「ああ、そうだな。今日はいつもより遅いんだった」
駿介の号令に、俺らはご飯を食べることに集中した。
遅い夕食になってしまったので、食堂内は半分以上はガラガラだ。俺らは適当にテーブルに着いて、三人とも日替わり定食を食べている。
「ん? 色々と。体育祭の話とか…… 、ああそれと三森のことも話題に上ってたな」
「三森? あいつ、何かしたの?」
「いや、そういう事じゃなくて。噂話的なことかな」
「噂?」
「そ。最近やたらキラキラしてきて、人気急上昇なんだってさ」
「はあ? 何考えてんだ、あいつ!」
思わず大声が出てしまった。
だってさ、本編に関係ない俺達が出しゃばるって不味いだろ?
そりゃ、俺だって他人のことは言えないよ。目立つ駿介の恋人なんかになっちゃってるし、なぜか最初から主人公樹の友人にまでなっていたし……。
あれ?
そう言えば何で俺は、最初から主要キャラに絡んでいたんだろう?
「どうした、大声出して」
「えっ? あ、いや……」
やっべ。過剰反応しちまった。
慌ててどう言い作ろうかと思っていたら、青島と目が合った。
「芹沢、最近あの三森のことかなり意識するようになったよな。こないだも廊下で、三森のことジッと見てただろ。……他の奴のことは、さほど気にもしないのに」
「……え?」
何だよ青島の奴、俺の事まで観察してたのか?
一瞬、背中を変な汗が流れた。
青島のこういうとこ、こう言う所が嫌なんだよ。
「おい、変な言い方するなよ信也」
声のトーンを抑えた青島の意図を、駿介なりに何か感じたのだろう。低い声で青島を注意した。それに青島は片眉を上げて、肩をすくめる。
「別に……。何でかなあって思っただけだ」
「こ……、こっちだって、別にだよ。ただ、三森には駿介を譲れなんてとんでもないこと言われたから、余計に嫌いになってるだけだ」
「は? あいつ、そんな事言ったのか?」
俺の返事に青島は、驚いた表情で俺を見た。
嘘を言ってるわけじゃない。三森への警戒心の2割ぐらいはそれだ。本当は別の8割の方が、肝心なんだけど。
青島が俺の言葉に驚いてくれたことにホッとして、言葉を続けた。
「そうだよ。自分の恋人を譲れなんて言われたら、誰だって嫌いになるよ」
「駿介は、三森に何か言われているのか? 好きとか、付き合ってくれとか」
「いや? 特にこれといった事は言われてない」
「はあ。面倒臭い奴だな。告られれば、さっさと断れるのにな。……ああ、そういう事か」
「待たれようがアプローチされようが、タイプじゃない奴は眼中にない。だから真紀も――」
そう言った後、駿介は俺の方を向き顎を捉えた。
う、うわわ。
そ、そんな綺麗で真摯な眼差しで、……こんな近くから見るなよ。し、しかも顎! 顎捕まえんな! こんな人前で!
突然の駿介の行為に顔はカッカと熱くなるし、心臓は壊れそうなくらいに煩くなってる。
「余計なことは考えないで、俺だけ見てろ」
――。
息を呑み、言葉を発することが出来ない俺に、駿介は「ん?」と返事を催促した。
いっぱいいっぱいな俺は、コクコクと頷くしか出来なかったけれど、でもそれでも駿介は満足そうに微笑んだ。
「さっ、いい加減に、飯たべようぜ」
「ああ、そうだな。今日はいつもより遅いんだった」
駿介の号令に、俺らはご飯を食べることに集中した。
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