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第三章
甘すぎる……
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「じゃあ、そろそろ行こうぜ」
「うん」
廊下を歩きながら駿介が手を差し出した。手をつないで歩こうと言ってくれているのだと分かったけれど、やっぱりちょっと恥ずかしいんだよな。手を伸ばすと、パシッとつかまれてギュッと握られた。
駿介は、やっぱりいつでもどこでも堂々としている。居心地悪いのは俺だけだ。
だってさ、みんながじろじろ見て行くんだよ。不釣り合いだって言われているようで、やっぱり気になる。
「こらっ、どこ見てるんだよ」
「だって……」
「他の男のことなんて気にしないでいい。真紀は俺のことだけ見てろ」
「…………」
カッコ良すぎる言葉に思わず固まる。チラッと駿介の顔を見ると、それはそれは爽やかに笑っている。
なんだかなあ。イケてる奴は、どんなに恥ずかしい言葉でも様になるから嫌になる。
「真紀、自覚なさ過ぎ」
「え? 何がだよ」
「可愛いって言ったろ?」
「誰もそんなこと思っちゃいないよ」
「そうかあ? 本当にそうなら、俺は安心だけど」
そう言って嬉しそうに笑う駿介が、可愛いけど恥ずかしい。
だってそんな風に思う奴なんて、多分駿介以外にはいないだろうから。
グラウンドに下りると、普通に部活動をしている奴と俺たちみたいに体育祭の練習に励む奴らが結構いた。あちらこちらで、まるでいちゃつくように密着している。
……美味しい光景だ。
「コラ」
「うわっ!」
よそ見をしながらニヤニヤしていると、グイッと肩を引き寄せられ抱きしめられる格好になった。
「お前本当に変な癖があるな。仲良さそうな奴らを見るのは楽しいか?」
「えっ、あっ、そりゃ楽しそうな人を見れば……っ」
「ふうん……」
……?
猫のように目を眇めた駿介が、俺の隣に並び足首をひもで結んだ。そして俺の腰に腕を回し、ギュッと抱き寄せる。
「俺は他人のことより、こっちの方がずっといい」
「しゅ……、駿介」
抱き寄せすぎ、腕の力が強すぎるよ!
「ドキドキ言ってるな。可愛い。早歩きするぞ」
「えっ、うわっ」
すぐによろけだす俺を、駿介は楽しそうに更に腕の力を強めた。
「うん」
廊下を歩きながら駿介が手を差し出した。手をつないで歩こうと言ってくれているのだと分かったけれど、やっぱりちょっと恥ずかしいんだよな。手を伸ばすと、パシッとつかまれてギュッと握られた。
駿介は、やっぱりいつでもどこでも堂々としている。居心地悪いのは俺だけだ。
だってさ、みんながじろじろ見て行くんだよ。不釣り合いだって言われているようで、やっぱり気になる。
「こらっ、どこ見てるんだよ」
「だって……」
「他の男のことなんて気にしないでいい。真紀は俺のことだけ見てろ」
「…………」
カッコ良すぎる言葉に思わず固まる。チラッと駿介の顔を見ると、それはそれは爽やかに笑っている。
なんだかなあ。イケてる奴は、どんなに恥ずかしい言葉でも様になるから嫌になる。
「真紀、自覚なさ過ぎ」
「え? 何がだよ」
「可愛いって言ったろ?」
「誰もそんなこと思っちゃいないよ」
「そうかあ? 本当にそうなら、俺は安心だけど」
そう言って嬉しそうに笑う駿介が、可愛いけど恥ずかしい。
だってそんな風に思う奴なんて、多分駿介以外にはいないだろうから。
グラウンドに下りると、普通に部活動をしている奴と俺たちみたいに体育祭の練習に励む奴らが結構いた。あちらこちらで、まるでいちゃつくように密着している。
……美味しい光景だ。
「コラ」
「うわっ!」
よそ見をしながらニヤニヤしていると、グイッと肩を引き寄せられ抱きしめられる格好になった。
「お前本当に変な癖があるな。仲良さそうな奴らを見るのは楽しいか?」
「えっ、あっ、そりゃ楽しそうな人を見れば……っ」
「ふうん……」
……?
猫のように目を眇めた駿介が、俺の隣に並び足首をひもで結んだ。そして俺の腰に腕を回し、ギュッと抱き寄せる。
「俺は他人のことより、こっちの方がずっといい」
「しゅ……、駿介」
抱き寄せすぎ、腕の力が強すぎるよ!
「ドキドキ言ってるな。可愛い。早歩きするぞ」
「えっ、うわっ」
すぐによろけだす俺を、駿介は楽しそうに更に腕の力を強めた。
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