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第二章

気になること

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食堂に着くと、既に報告会の席は確保されていた。迷惑にならないようにという配慮からなのか、席は一番奥の隅の方に設けられていた。
俺達はそこから近い席を探し確保した。

「ここからだと駿介とは背中合わせになってるから顔は見えないけど、声は聞こえるからいいだろ?」
「うん、ありがとう」

要領が良くてきぱきしている青島が、素早く四人分の席を取ってくれた。小さく顔が見える位置よりも、近くて声が聞こえる場所を優先したようだ。

「それにしても意外だったよなー」

良介がカレーを頬張りながら言った。ちなみに青島と駿介以外の今日のメニューは、三人ともカレーだ。食堂に着いた時に、下級生が運んで行くカレーに目を奪われたからだ。

「何が?」
「んー? 駿介と真紀が付き合うようになるってことがさ」
「へ?」

「あ、いや変な意味じゃないよ。……最近の駿介は、いろいろと真紀の事気にかけてるなあって思っていたから不思議ではないんだけど、それより真紀の方が駿介を好きだとは気付かなかった」

「あ、それは俺も思った。……だけど最近の駿介、なんだかんだと真紀に絡んで来てたから……、もしかしたら時間の問題かなとは思っていたけど」

良介と樹の二人に真正面からそう言われて、タジタジとなる。

「芹沢、鈍感だからなー。でもお前、結構前から駿介のこと、意識はしていただろ?」
「そうなの? 気付かなかった」

青島の言葉に、樹がクリンと俺の方を向く。
俺だって知らないよ! だって樹とくっついて欲しいと思っていたんだもん。

「自覚ナシかもしれないけど、芹沢しっかりあの下級生に焼き餅焼いていたもんな」
「青島!」

こいつなに蒸し返してんだよ!

「え、それ初耳なんだけど。下級生ってなに?」
「一見可愛らしい小動物系。でもあれは、結構計算高そうだ。な?」

青島が同意を求めてこちらを向くものだから、つられてつい頷いてしまった。

「へえ? で、その下級生が駿介のこと狙ってるって事?」
「俺にはそう見えたけど」
「真紀も?」
「うん。……駿介のこと、好きだと思う」

三森が駿介を狙っているという事も気に入らないけれど、それよりどうしても気になってしまうのは、本来三森がこの世界に存在しているのかどうかという事だ。

……もしかしたら、あいつも俺同様、知らないうちにこの世界に転移してきた可能性もあるんじゃないかと思い始めている。
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