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第三章
初めてのキス
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御影さんが今、ここに、俺の腕の中にいてくれてる。
髪を撫で、腕や背中を御影さんを確かめるように撫でまわす。
御影さんもその俺の行為につられてか、俺の背中を優しく上下に摩っている。
しばらくそうしていたんだけど、なんとなく御影さんの顔が見たくなってそっと体を離した。
見つめあう目と目。
少しうるんだような目で俺を見つめるその瞳がヤバい。
心拍数はさっきからもの凄く上がってはいるんだけど、御影さんの愛らしい、赤くプルンとした唇を目にした途端俺の頭の中はきっと沸騰した。
御影さんの顎を持ち上げて顔を近づける。
一瞬、そんな俺の行動に目を見開いた御影さんだったけど、ほんのちょっとだけ体に力を入れた後、そのまま睫毛を震わせながらそっと目を閉じてくれた。
ゆっくりと、
ゆっくりと御影さんの唇を確認するように押し当てる。
ふにゅ。
!!
……なんだこれ!
スッゲ、柔らかい、めっちゃ柔らかいんですけど!
他人の唇が柔らかく感じるものなのか、それとも御影さんの唇だから柔らかいのかははっきり言ってこれがファーストキスな俺には分からない。
だけど……、これは癖になる!!!
もう俺は夢中になって何度も何度も御影さんの唇に自分の唇を押し当てた。
でもそのうちに押し当てるだけじゃとてもじゃないけど物足りなくなってきたので、俺は今度は御影さんの唇を食むように何度も何時も啄んだ。
どれくらいそうしていたのか分からないけど、俺の腕を掴んでいる御影さんの手の力が強くなりちょっぴり我に返った。
「…………」
そっと唇を離して御影さんを見る。
震える瞼を押し上げて、上目遣いに俺を見るこの人に俺の心臓が再沸騰しそうになる。
ヤバいヤバいヤバい。
落ち着け落ち着け俺……!!
「蒼空……」
「はっ、はい!!」
掠れた色っぽい声で名前を呼ばれて声が裏返った。
瞬時に熱くなった頬を、御影さんがまじまじと見ている。
そして、可笑しそうに笑った。
「……名残惜しいけど帰らなきゃな。そろそろ七時だ」
「はい……」
そうだった。
いつまでもここにいたら拙いよな。
御影さんの一言で俺は気持ちを切り替えて、そっと離れて2人で学校を後にした。
髪を撫で、腕や背中を御影さんを確かめるように撫でまわす。
御影さんもその俺の行為につられてか、俺の背中を優しく上下に摩っている。
しばらくそうしていたんだけど、なんとなく御影さんの顔が見たくなってそっと体を離した。
見つめあう目と目。
少しうるんだような目で俺を見つめるその瞳がヤバい。
心拍数はさっきからもの凄く上がってはいるんだけど、御影さんの愛らしい、赤くプルンとした唇を目にした途端俺の頭の中はきっと沸騰した。
御影さんの顎を持ち上げて顔を近づける。
一瞬、そんな俺の行動に目を見開いた御影さんだったけど、ほんのちょっとだけ体に力を入れた後、そのまま睫毛を震わせながらそっと目を閉じてくれた。
ゆっくりと、
ゆっくりと御影さんの唇を確認するように押し当てる。
ふにゅ。
!!
……なんだこれ!
スッゲ、柔らかい、めっちゃ柔らかいんですけど!
他人の唇が柔らかく感じるものなのか、それとも御影さんの唇だから柔らかいのかははっきり言ってこれがファーストキスな俺には分からない。
だけど……、これは癖になる!!!
もう俺は夢中になって何度も何度も御影さんの唇に自分の唇を押し当てた。
でもそのうちに押し当てるだけじゃとてもじゃないけど物足りなくなってきたので、俺は今度は御影さんの唇を食むように何度も何時も啄んだ。
どれくらいそうしていたのか分からないけど、俺の腕を掴んでいる御影さんの手の力が強くなりちょっぴり我に返った。
「…………」
そっと唇を離して御影さんを見る。
震える瞼を押し上げて、上目遣いに俺を見るこの人に俺の心臓が再沸騰しそうになる。
ヤバいヤバいヤバい。
落ち着け落ち着け俺……!!
「蒼空……」
「はっ、はい!!」
掠れた色っぽい声で名前を呼ばれて声が裏返った。
瞬時に熱くなった頬を、御影さんがまじまじと見ている。
そして、可笑しそうに笑った。
「……名残惜しいけど帰らなきゃな。そろそろ七時だ」
「はい……」
そうだった。
いつまでもここにいたら拙いよな。
御影さんの一言で俺は気持ちを切り替えて、そっと離れて2人で学校を後にした。
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