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第三章
一緒に下校 3
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はあ、はあ、はあ。
俺と御影さんは今、正門の脇に植えてある木の陰に塀を背に立っている。
門はかろうじて開いていたけど、もう誰も見当たらない。
「……お前」
「うわわ、すみません! でも、俺……御影さんにもっと……」
『もっと俺のこと好きになってもらいたいんです』
続きの言葉を口にすることは出来なくて、俺は握っていた御影さんの手をそっと離した。
「……なあ、何で俺なんだ?」
「え?」
ズキンと俺の胸に痛みが広がる。
何で俺……?
……何でそんなことを聞くんだ?
「俺なんて愛想は悪いし……、お前大杉のこと随分慕っているだろ? 俺はあいつみたいに明るく面倒見がいいわけでもないし。……あんなに頼もしくもない」
さらさらと揺れる前髪。
目を伏せた静かな表情が、薄暗い中でチラチラと見え隠れする。
ああ、そうか。
御影さんも俺と同じで不安なのかもしれない。
俺が田上先輩を意識しているように、もしかしたら御影さんも……。
「俺は大杉先輩のことは尊敬してますしああなりたいって目標にしています。だけど、俺がずっと傍にいて欲しいのは御影さんです」
「……え?」
驚いたように目を見開きキョトン顔の御影さん。
……やっぱり可愛い。
「御影さん、本当に自分の魅力に気付いて無いんですね……。俺、強くてかっこいい御影さんにもすごいドキドキしましたけど、普段の何気なく愛らしい御影さんにもスゲードキドキしてて……。かっこいいのに可愛くて。好きで好きでたまらないんですよ?」
俺が御影さんの目を見てしっかりそう言うと、御影さんはキュッと表情を引き締めた。
「……それは、俺のことが一番好きだっていうことなのか?」
「はい、もちろんですよ! ていうか、御影さん以外に恋愛感情で好きな人なんて1人もいませんから!」
勢い込んでそう言う俺に、御影さんはやっと力を抜いたように笑ってくれた。
その表情に、俺の心臓がトクンと心地いい音を放つ。
俺は無意識に御影さんに近よって、ゆっくりと御影さんを引き寄せた。
引き寄せて、背中に腕を回して抱きしめると、御影さんも俺の背中に腕を回して抱きしめ返してくれた。
俺と御影さんは今、正門の脇に植えてある木の陰に塀を背に立っている。
門はかろうじて開いていたけど、もう誰も見当たらない。
「……お前」
「うわわ、すみません! でも、俺……御影さんにもっと……」
『もっと俺のこと好きになってもらいたいんです』
続きの言葉を口にすることは出来なくて、俺は握っていた御影さんの手をそっと離した。
「……なあ、何で俺なんだ?」
「え?」
ズキンと俺の胸に痛みが広がる。
何で俺……?
……何でそんなことを聞くんだ?
「俺なんて愛想は悪いし……、お前大杉のこと随分慕っているだろ? 俺はあいつみたいに明るく面倒見がいいわけでもないし。……あんなに頼もしくもない」
さらさらと揺れる前髪。
目を伏せた静かな表情が、薄暗い中でチラチラと見え隠れする。
ああ、そうか。
御影さんも俺と同じで不安なのかもしれない。
俺が田上先輩を意識しているように、もしかしたら御影さんも……。
「俺は大杉先輩のことは尊敬してますしああなりたいって目標にしています。だけど、俺がずっと傍にいて欲しいのは御影さんです」
「……え?」
驚いたように目を見開きキョトン顔の御影さん。
……やっぱり可愛い。
「御影さん、本当に自分の魅力に気付いて無いんですね……。俺、強くてかっこいい御影さんにもすごいドキドキしましたけど、普段の何気なく愛らしい御影さんにもスゲードキドキしてて……。かっこいいのに可愛くて。好きで好きでたまらないんですよ?」
俺が御影さんの目を見てしっかりそう言うと、御影さんはキュッと表情を引き締めた。
「……それは、俺のことが一番好きだっていうことなのか?」
「はい、もちろんですよ! ていうか、御影さん以外に恋愛感情で好きな人なんて1人もいませんから!」
勢い込んでそう言う俺に、御影さんはやっと力を抜いたように笑ってくれた。
その表情に、俺の心臓がトクンと心地いい音を放つ。
俺は無意識に御影さんに近よって、ゆっくりと御影さんを引き寄せた。
引き寄せて、背中に腕を回して抱きしめると、御影さんも俺の背中に腕を回して抱きしめ返してくれた。
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