最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第三章

一緒に下校 2

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一緒に並んで歩く帰り道。
せっかくの2人っきりにも関わらず、俺らの口数は少ない。


……でもこうやって付き合ってくれてるんだから、俺のこと一応好きでいてくれるんだよな?
そんな事を考えながら隣の御影さんを盗み見る。
凛とした横顔はやはり静かで、今は愛らしさよりもクールな美人度が上がっている。

「…………」

……、えっとちょっと待てよ。
そういえば俺、はっきり好きって言ってもらってない……。


あ、でも恋人だって言ってくれてた!

はあ~。
……好きでいてくれるのは確かなんだろうけど。

きっと、御影さんが俺を思ってくれる気持ちよりも俺が御影さんを思う気持ちの方がはるかに大きく熱いんだろう。
容易に想像のつく温度差に何となく淋しくなった。


さらさらと綺麗な黒髪を揺らしながら歩く綺麗な人。
こんなに近くにいるのに遠くに思ってしまうのは何でだろう。




コツン。

隣に歩いている御影さんの手が軽く触れた。
思わず脳裏に、楽しそうに、うれしそうに手を繋いで歩くバカップルな友人たちの姿が浮かんだ。

手……、握りたいな。
御影さんの手。


「蒼空……」
「はい!」

俺は無意識に御影さんの手を握ってしまっていた。
もう校内じゃないから、人の目があるっていうのに!

でも、でも離したくない。
御影さんを困らせたくは無いけれど……。


キュッ。

……え?

驚いて御影さんを見た。
一瞬、本当に一瞬だったけど、確かに今御影さんが俺の手を握り返してくれた。

「別に嫌というわけでは無いんだけどな」
「……!!!!!」

静かに笑いながら言う御影さんに、完全に理性の糸が切れた。

俺は気がついたら御影さんの手を掴んだまま、学校へと逆戻りをしていた。

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