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千佳と剛
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今日はポッキーの日ということで、剛先輩の家にお邪魔中。
いつものように膝枕をさせてもらい猫のようにごろごろしている。
みんなは俺のことを猛獣使いだなんていうけれど、俺と二人の時の剛先輩はちっとも猛獣なんかじゃない。それどころか俺という子猫を溺愛する飼い主だ。
今も俺の髪をやさしく梳きながら甘やかせてくれる。
「千佳、腹減らないか?」
「うん? そうだね、ちょっと」
「ポッキーあるぞ、食うか?」
「うん、食う!」
嬉々として返事をすると、「よし」と言って俺を膝枕したまま手を伸ばしてテーブルの上の袋を引っ張った。
バリバリと箱を破って乱暴にポッキーを取り出す。そしてそれを口にくわえた剛先輩が、ポッキーの端を俺の口元に近づけた。
おおっ、ポッキーゲーム!
とは言っても、別に勝ち負けとか恥じらいとかそんなものは俺の中にはない。遠慮なくぱくっと口に咥えポリポリと食べるとそれに比例して剛先輩が近づいてくる。
楽しいぞ、これ。
ポリポリ、チュッ。
「もっと食べるか?」
「うん!」
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
唇を合わせたまま、ふふっと笑った。だって、なんだか可笑しいんだもの。
「ねえ、剛先輩」
「なんだ?」
「ポッキーだけじゃ、不満じゃない? もっと美味しいもの食べたくない?」
意味深に目を眇めて色っぽく微笑んでみた。
こんな可愛らしいものだけじゃ満足できない。もっと狂おしいほどの愛情が欲しい。
一瞬目を瞬かせた先輩が、色っぽく微笑む。
「いいな、それ」
体を起こした先輩が、俺をお姫様抱っこして、ベッドの上にやさしく運んだ。
ポッキーの袋には、まだ数本残っている。
いつものように膝枕をさせてもらい猫のようにごろごろしている。
みんなは俺のことを猛獣使いだなんていうけれど、俺と二人の時の剛先輩はちっとも猛獣なんかじゃない。それどころか俺という子猫を溺愛する飼い主だ。
今も俺の髪をやさしく梳きながら甘やかせてくれる。
「千佳、腹減らないか?」
「うん? そうだね、ちょっと」
「ポッキーあるぞ、食うか?」
「うん、食う!」
嬉々として返事をすると、「よし」と言って俺を膝枕したまま手を伸ばしてテーブルの上の袋を引っ張った。
バリバリと箱を破って乱暴にポッキーを取り出す。そしてそれを口にくわえた剛先輩が、ポッキーの端を俺の口元に近づけた。
おおっ、ポッキーゲーム!
とは言っても、別に勝ち負けとか恥じらいとかそんなものは俺の中にはない。遠慮なくぱくっと口に咥えポリポリと食べるとそれに比例して剛先輩が近づいてくる。
楽しいぞ、これ。
ポリポリ、チュッ。
「もっと食べるか?」
「うん!」
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
ポリポリポリポリポリポリポリポリ、チュッ。
唇を合わせたまま、ふふっと笑った。だって、なんだか可笑しいんだもの。
「ねえ、剛先輩」
「なんだ?」
「ポッキーだけじゃ、不満じゃない? もっと美味しいもの食べたくない?」
意味深に目を眇めて色っぽく微笑んでみた。
こんな可愛らしいものだけじゃ満足できない。もっと狂おしいほどの愛情が欲しい。
一瞬目を瞬かせた先輩が、色っぽく微笑む。
「いいな、それ」
体を起こした先輩が、俺をお姫様抱っこして、ベッドの上にやさしく運んだ。
ポッキーの袋には、まだ数本残っている。
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