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君と運命の糸で繋がっている

ずっと君が欲しかった3

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その告白に、朔也の中に狂おしいほどに鈴海を愛しいと言う気持ちがこみ上げて来る。腕を伸ばして、朔也は鈴海を思いっきり抱きしめた。
昂る気持ちのまま抱きしめたせいで、朔也の腕には半端ない力が入ってしまう。

強い力で抱きしめられている鈴海は、まるで骨でも折れるんじゃないかという錯覚に陥るが、それでも、その強さが朔也の気持ちをそのまま表しているのかと思うと、うれしいという気持ちも込み上げて来た。
鈴海も朔也の背中にそっと腕を回して、朔也の気持ちを全身で受け止めていた。

どれくらいそうしていただろう。
少し気持ちの落ち着いた朔也が、ようやく腕の力を抜いて鈴海を解放した。


「藤…」
「はい…」

記憶が蘇ったにも関わらず、未だに丁寧な言葉で返事を返す鈴海に、朔也は苦笑した。だが、そのまま鈴海に唇を寄せて軽く啄む。
赤い顔でパチパチと瞬きをする鈴海に優しく微笑んで、今度は鈴海の耳元に唇を寄せた。

「僕と一緒にいた記憶があるんだろう? そんな他人行儀な物言いをするなよ」

耳にかかる朔也の吐息に一瞬反応した後、鈴海は軽く朔也を睨んだ。
だがすぐその後に、笑って返事をする。

「そう…ですね…、あ…とっ…、そうだね」

意識して昔のような話口調に変えようとしているせいか、どことなく鈴海の表情は恥ずかしそうだ。だが、その照れた感じも可愛いと、朔也は思った。


「藤…」

朔也に呼ばれて、鈴海が小首を傾げる。

「君が…欲しい。抱きたいんだ、いいか?」

熱の籠った瞳で朔也に見られ、鈴海の頬が一気に熱くなる。しかも、長いこと一緒にいた時には一度も言われたことのない直接的な言葉に、心拍数が一気に跳ね上がった。

「…あ、あの…。で、でも…その、まだ…心の準備が……。朔也ならいいと思うけど…、あれって痛いし…」

もじもじと俯いてボソボソ言う鈴海に、朔也の眉間にしわが寄る。
鈴海の『痛い』という言葉に、彼が前世で雄大から受けた行為を思い出したのだ。そして、鈴海もそれを思い出したのかと思うと、余計に彼の記憶の塗り替えをしたいと一層思うようになった。

「痛くはしない。……というか、気持ちよすぎて意識が飛んじゃう可能性の方が高いけど」


「……。…て、…え?」

朔也のとんでもない言葉に鈴海は絶句する。そしてすぐに真っ赤になった。
だがその鈴海の表情に、逆に朔也の口角が上がる。

「僕との事が嫌だというわけではないんだよな」

「…、うっ…。うん…」

真っ赤な顔のまま、俯いて恥ずかしそうに返事をする鈴海の両手を、朔也がそっと包んだ。


「優しくする。…僕は君のものだ。そして君も僕のものだから…」


前世の藤と交わした会話だ。
それに瞬時に気が付いた鈴海は、一瞬息を吞み、コクリと小さくうなずいた。
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