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優しい人たち
親子ごっこ3
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ついつい目を閉じて、いろんな心配事を考え込んでいた朔也の傍に、藤がピトリとくっ付いた。どこまで深刻さを分かっているのか、朔也との話が付いたことで安心した藤が、甘えるように凭れ掛かって来る。
その藤の可愛らしい姿にちょっぴり癒されて、朔也は藤を引き寄せた。
心配事も警戒すべきことも、数え上げれば切りがない。かといって、それを全て排除して生きていくのには無理がある。藤も色んな経験を積んでいく中で、少しでも学習してくれれば良いと朔也は気持ちを切り替えることにした。
「朔也?」
「…寒いか?」
「うん、少し」
引きあうように見つめ合っていた2人だったが、どちらからともなく顔を近づけて、唇を合わせる。
藤がうっとりと朔也との口付けに夢中になっている間に、朔也の熱い掌が、藤の身体を撫でまわした。
「ん…っ」
気持ち良さに感じてしまい、藤の唇から甘い声が漏れる。
恥ずかしさから頬を染める藤に、唇を離した朔也が至近距離でじっと見つめた。その優しくて甘い瞳に、藤の鼓動も煩くなり、恥ずかしさが倍増した。
朔也がまた顔を近づけて来る。そっと瞼を閉じた藤だったが、朔也の唇は藤の想像を裏切って、藤の首筋に落ちていた。
「あ…んっ」
甘い声に、ピクンと揺れる藤の身体。
朔也に頬や唇以外のところに口付けられたのは初めてで、藤はびっくりして固まった。
「…嫌か?」
心配そうに藤を見つめる朔也に、藤は慌てて首を横に振った。
「い、嫌じゃない。嫌じゃないけど……」
「けど?」
探るような深い瞳で朔也に見つめられて、藤の顔がみるみる赤くなる。
「は、恥ずかしい…。変な声出たし…。顔、熱くなるし。凄いドキドキする…」
「…っ!」
一瞬ぎょっとしたような顔をした朔也に、勢いよくギュッと抱きしめられる。
「え、さ、朔也?」
「君って奴は、ホントに!」
朔也は藤を強く抱きしめながら、背に回した掌で、藤の背中や肩や腕を強い力で撫でまわした。
己の中の熱い欲望を必死で押さえる朔也の気持ちに、もちろん藤は気が付いてはいなかった。
「…朔也ぁ」
強い力で抱きしめられた藤が、うっとりとした声で朔也の名を呼び体を擦り付けて来る。無自覚にもほどがある藤の可愛らしさに、とうとう朔也の我慢の壁が崩壊し始めた。
首筋に吸い付いていた唇が、藤の鎖骨や胸へと移動してくる。熱い唇や舌で胸の突起を舐められて、藤の身体がビクビクと震え、甘い声を漏らした。
「んっ、…あ、…ん…んっ。…朔也…ぁっ」
朔也に縋りつきながら、真っ赤な顔で艶やかな甘い声を上げる藤。
朔也はこれ以上はダメだと必死に己に言い聞かせ、完全に起き上がっている自分のモノと藤のソレを二つ重ねて擦り合わせる。
「あっ、あぁ…。んん…っ」
身体を捩り喘ぎながらも、必死で朔也にしがみ付く藤が可愛くて仕方がない。
焦らすように指の動きを鈍くすると、まるで強請るように体をくねらせ朔也に縋る手の力を強くした。
「さく…、朔也…っ」
強請るように名前を呼ばれて、朔也の唇が弧を描く。途端に朔也の手の動きが早くなり、藤は今度は追い上げられるハメに陥った。
「ふあ…っ、あっ…あぁっ!」
「…イケよ…」
「あ…っ、あぁっ…。朔…也っ」
「っ…。イケ…、僕も、一緒だ」
「あ、…あっ…。んぁ…っ」
熱く荒い息の中、囁くような低い朔也の声に、藤の鼓膜が震える。
2人はほぼ同時に高まって、熱い熱を放っていた。
その藤の可愛らしい姿にちょっぴり癒されて、朔也は藤を引き寄せた。
心配事も警戒すべきことも、数え上げれば切りがない。かといって、それを全て排除して生きていくのには無理がある。藤も色んな経験を積んでいく中で、少しでも学習してくれれば良いと朔也は気持ちを切り替えることにした。
「朔也?」
「…寒いか?」
「うん、少し」
引きあうように見つめ合っていた2人だったが、どちらからともなく顔を近づけて、唇を合わせる。
藤がうっとりと朔也との口付けに夢中になっている間に、朔也の熱い掌が、藤の身体を撫でまわした。
「ん…っ」
気持ち良さに感じてしまい、藤の唇から甘い声が漏れる。
恥ずかしさから頬を染める藤に、唇を離した朔也が至近距離でじっと見つめた。その優しくて甘い瞳に、藤の鼓動も煩くなり、恥ずかしさが倍増した。
朔也がまた顔を近づけて来る。そっと瞼を閉じた藤だったが、朔也の唇は藤の想像を裏切って、藤の首筋に落ちていた。
「あ…んっ」
甘い声に、ピクンと揺れる藤の身体。
朔也に頬や唇以外のところに口付けられたのは初めてで、藤はびっくりして固まった。
「…嫌か?」
心配そうに藤を見つめる朔也に、藤は慌てて首を横に振った。
「い、嫌じゃない。嫌じゃないけど……」
「けど?」
探るような深い瞳で朔也に見つめられて、藤の顔がみるみる赤くなる。
「は、恥ずかしい…。変な声出たし…。顔、熱くなるし。凄いドキドキする…」
「…っ!」
一瞬ぎょっとしたような顔をした朔也に、勢いよくギュッと抱きしめられる。
「え、さ、朔也?」
「君って奴は、ホントに!」
朔也は藤を強く抱きしめながら、背に回した掌で、藤の背中や肩や腕を強い力で撫でまわした。
己の中の熱い欲望を必死で押さえる朔也の気持ちに、もちろん藤は気が付いてはいなかった。
「…朔也ぁ」
強い力で抱きしめられた藤が、うっとりとした声で朔也の名を呼び体を擦り付けて来る。無自覚にもほどがある藤の可愛らしさに、とうとう朔也の我慢の壁が崩壊し始めた。
首筋に吸い付いていた唇が、藤の鎖骨や胸へと移動してくる。熱い唇や舌で胸の突起を舐められて、藤の身体がビクビクと震え、甘い声を漏らした。
「んっ、…あ、…ん…んっ。…朔也…ぁっ」
朔也に縋りつきながら、真っ赤な顔で艶やかな甘い声を上げる藤。
朔也はこれ以上はダメだと必死に己に言い聞かせ、完全に起き上がっている自分のモノと藤のソレを二つ重ねて擦り合わせる。
「あっ、あぁ…。んん…っ」
身体を捩り喘ぎながらも、必死で朔也にしがみ付く藤が可愛くて仕方がない。
焦らすように指の動きを鈍くすると、まるで強請るように体をくねらせ朔也に縋る手の力を強くした。
「さく…、朔也…っ」
強請るように名前を呼ばれて、朔也の唇が弧を描く。途端に朔也の手の動きが早くなり、藤は今度は追い上げられるハメに陥った。
「ふあ…っ、あっ…あぁっ!」
「…イケよ…」
「あ…っ、あぁっ…。朔…也っ」
「っ…。イケ…、僕も、一緒だ」
「あ、…あっ…。んぁ…っ」
熱く荒い息の中、囁くような低い朔也の声に、藤の鼓膜が震える。
2人はほぼ同時に高まって、熱い熱を放っていた。
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