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番外編

ねこショーン 4

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「嫌じゃないんだな?」

 エイドリアンの再度の問いかけに、僕は無言でこくんと頷いた。

「でも……」
「でも?」
「いやじゃないけど……、ちょっと怖いです」

 今までにない真剣なエイドリアンの瞳も、初めて感じる体の中から沸き起こるしびれるような熱も。
 どうしていいのかわからなくて怖い。

 だって、このままいくと制御できなくなりそうだ。


 エイドリアンは無言で僕をじっと見つめた後、はあっとため息をついた。

「怖がられすぎてショーンに避けられるようになっても、ヤだもんなー」
 おしりから、エイドリアンの手が離れていく。
「…………」

 でも、それも嫌だ。

 ぎゅっとエイドリアンの袖を掴んだ。

「どうした」
「…………」

 こういう時どう言えばいいの?
 まだ離れたくない。でもこのまま進むのは怖い。

 どう言っていいのかわからなくて。だからといってやっぱり離れたくなくて、僕はエイドリアンの胸あたりに頭をぐりぐりとこすりつけた。
 一瞬、それに息を呑んだエイドリアンは、僕をぎゅっと抱きしめた。そして顔を上向かせて唇を重ねる。

 エイドリアンの舌が口の中に入ってきて、僕のそれに甘く絡まる。
 はじめはびっくりしたけど、だんだん気持ちよくなっていってエイドリアンとの甘いキスに溺れていった。

 もっと、もっと……。

「いるか? ショーン、エイドリアン!」

 兄上とレオお兄様の声がして、ドタドタとした足音が近づいてきた。
 ビクッと僕は硬直した。
 エイドリアンも一瞬固まり、僕からゆっくりと唇を離した。

 おずおずと見た兄上の眉間にはしわが寄っている。レオお兄様は目をまん丸にしていた。

「どういうことだ、エイドリアン」

 2人とも汗でびっしょりだ。心なしか呼吸も荒い。もしかしたら僕に耳と尻尾が生えているのを心配して、探してくれていたんだろうか。

「……ああ、いやこれは――」
 エイドリアンはばつの悪そうな顔をして、頭をかいていた。

 何て説明するんだろう?
 窮屈な尻尾を出してもらうために、僕がふにゃふにゃになってエイドリアンが変な気持ちになって、ついでに僕が変な気持ちになっただなんて恥ずかしくて言えるわけないよ。

「無粋な事を聞くなよ、アラン」
「レオ……」
「僕らだってこんな状況になったら、同じことしちゃいそうじゃない?」
「なっ……!」
「違うかい?」
「まあ、違うとは言えないかもしれないけど」

 兄上はちらりと僕らに視線を向けて、またため息をついた。

「とにかくショーンは、そのだらしない格好をなんとかしろ」
「へっ?」

 はわわわわっ!?
 か、下半身丸出し!

 僕は慌てて下着とスラックスをずりあげた。


たぶん次で終わりますっ
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感想 37

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